皆さんこんにちは。Rush Prosの井川(
@WanderingOnes)です。
先週末に開催された、今シーズンの最終戦であるMPLガントレット/ライバルズガントレット。
既にMPL/世界選手権の権利を得ているあんちゃんだけでなく、スタンダードPTQが中止になったにも関わらず小泉・斉藤の両名も力を貸してくれ、これまで通りチーム一丸となって質の高い調整を行うことができました。
ライバルズガントレットに出場した原根くんは残念ながら振るいませんでしたが、
MPLガントレットに出場した佐藤・熊谷・井川の3名は3人ともトップ8に入賞してMPLに昇格!さらに
佐藤・井川の2名が世界選手権の権利を獲得と、最高の結果を残すことができました!!
https://twitter.com/mtgjp/status/1434320646331265028?s=20
ということで今回の記事では、選んだデッキ、そして今回の勝因について書いていこうと思います。
目次
▪️スタンダード
▪️今回の勝因・今後に活かせること
▪️終わりに
スタンダード
今回選んだのはジェスカイ変容。「グルールアドベンチャー」「スゥルタイ根本原理」という2大トップメタに対して有利に戦えることと、タイミング的にあまり意識されていないであろう=デッキ勝ちを狙えるということから選択しました。
ライバルズガントレットの方は戦前の予想通り(というか予想以上に)ジェスカイ変容が多かったのですが、MPLガントレットの方は予想以上にスゥルタイ根本原理が多いという、僕らにとって嬉しいメタゲーム。
スゥルタイ根本原理に対して高い勝率を誇れたことがこの週末の好成績に繋がったことは間違いありません。意識したデッキにしっかりと勝つ。当たり前のことですが非常に大事なポイントだと思います。
もうシーズン最後のスタンダードであり興味がある人も少ないと思いますので、デッキの解説は最低限で。
グルールを使ってラダーをしていたとき、対戦相手のジェスカイ変容に出されて対処に困り、ボコボコにされたのがきっかけ。
このカードの発見がなければジェスカイ変容を使うことはありませんでした。3/5であるため《
レッドキャップの乱闘/Redcap Melee》1枚で落ちず、《
巨人落とし/Giant Killer》されないという環境にマッチしたサイズ。そして絆魂とトークン生成能力が対グルール、ナヤといったアドベンチャー系に効果的に働きます。
《
雷の頂点、ヴァドロック/Vadrok, Apex of Thunder》《
伝承のドラッキス/Lore Drakkis》といった変容クリーチャーを安定して変容させることができるため、アクションが大きい割にサイドボード後は対処されやすい《
黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon》に頼る必要がなくなりました。他のチームが持ち込んだジェスカイ変容にも採用されていたことからも分かる通り、
このカードの採用がアドベンチャー系との相性を大きく改善してくれました。元々は《
否認/Negate》《
軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》といった限定的なカウンターのスロットでしたが、2つの理由からこの確定カウンターを採用することに。
1つは入れるマッチアップが基本的にはコントロール系であり、《
精神迷わせの秘本/Mazemind Tome》と一緒にサイドインするので
「予顕」で手札の枚数を擬似的に増やせることが非常に強力だという点。ドローゴー合戦においてディスカードを防ぎながら手札を貯められるのは重要です。
そして2つ目が
「予顕」による手札破壊への耐性です。《
強迫/Duress》《
エルズペスの悪夢/Elspeth’s Nightmare》といった手札破壊を無視できるため、スゥルタイ根本原理のフィニッシャーへしっかりとカウンターを当てられるようになりました。
◎対戦結果
[予選ラウンド] R1 スゥルタイ根本原理 ○××
R2 スゥルタイ根本原理 ○○
R3 スゥルタイ根本原理 ○×○
R4 ディミーアローグ ×○×
R5 ディミーアローグ ××
R6 スゥルタイ根本原理 ○××
R7 スゥルタイ根本原理 ○○
R8 スゥルタイ根本原理 ○○
R9 ディミーアローグ ○○
R10 スゥルタイ根本原理 ○×○
R11 イゼットコントロール ○×○
R12 ナヤウィノータ ○×○
8-4!ここでMPL昇格が確定しました。
2-4と一時は崖っぷちまでいきましたが、今回の僕は土俵際からが強かった。見ていただければ分かる通り、12戦で7回も相性の良いスゥルタイ根本原理にマッチアップするという運もあり、
気付けば6連勝してトップ8に残っていました。[決勝ラウンド] 勝者ブラケット1回戦 グルールアドベンチャー ○○
勝者ブラケット2回戦 ディミーアローグ ○×○
2-0!世界選手権の権利獲得です!!
最終戦の相手はMPLのDepraz。非常にプレイが丁寧かつ大胆で、その上手さに終始圧倒されていましたが、
神様がこちらの味方をしたのか、運良くマッチを取ることができました。今回の勝因・今後に活かせること
今回好成績を収めることができた要因、そして今後に活かせることをピックアップします。
インプットを欠かさなかった=情報を貪欲に求めよう
《情報収集》
ラダーでの対戦で学んだ《
幼獣守り/Cubwarden》や、rizerの配信で学んだ「サイドボードに《
襲来の予測/Saw It Coming》」という発想は、どれも自分を含めたチーム内にはないものでした。
ただガムシャラにチーム内で練習するのではなく、
配信を見たりラダーをしたりと様々な角度から情報収集を行い、それを実際のチーム練習に持ち込むことで今回のデッキ選択、そして細部の調整に繋がりました。
今後も広い視野、様々なソースを駆使して、常にメタゲーム最前線の情報を追いかけたいです。
チームメイトと情報共有がしっかりできた=臨機応変に対応しよう
《臨機応変》
対ローグでは相手が《
遺跡ガニ/Ruin Crab》を抜いてこない前提でサイドボードプランを用意していましたが(Austinはこちらでした)、Deprazは《
遺跡ガニ/Ruin Crab》を抜いて《
スカイクレイブの影/Skyclave Shade》で殴ってくるプランでした。
僕が先にAustin,Deprazの2人ともにマッチングしたのでそれをチームメイトたちに共有したところ、次にDeprazに当たったレイくんは《
スカイクレイブの影/Skyclave Shade》を意識した《
幼獣守り/Cubwarden》プランを即興で構築。見事倒すとともにそのプランを新たにチーム内に共有してくれました。
このように、
情報をしっかりと共有すること、そしてその情報に合わせて臨機応援に対応すること。この2点が今回MPLガントレット側で勝ち残れた要因の一つだったと思います。
ミスっても気にしない=リラックスして一戦一戦に集中しよう
《集中》
R1のG2を初歩的なクリックミスで落とし、R4,5,6を不運なフラッド/スクリュー連打で負けてあっという間に2-4まで落ち込みました。
ですがここからがいつもと違います。この大会は世界のトップオブトップだけが参加している大会。「絶対勝とう!」「負けたら終わり」といった気負いや焦りはなく
「負けて元々、勝てればラッキー」ぐらいの気持ちだったため、あまり気にならず。よりリラックスして望むために、マッチが終わるたびに好きな配信者の他ゲーム配信を見てダラダラして過ごしていました。
それが功を奏したのか、リーグやチャンピオンシップよりも自然体で臨むことができ、プレイの精度がアップ。最終的にはそこから8連勝し、MPL昇格、そして世界選手権の権利を掴むことができました。
この連勝は昨年の僕ではきっとなし得なかったでしょう。1年間リーグを戦って様々なミス、様々な敗北を繰り返しながらも戦い続けてきた経験が活きた格好です。
1試合ミスって負けても、それを引きずって他の試合に影響するのは最悪です。事故もミスも相手のブンも、すべて同じ1敗と気持ちを切り替えて、次のマッチに集中することが大事だと学べました。
終わりに
MPL昇格、そして世界選手権出場と、
今年1年間の目標を達成できたことを本当に嬉しく思います。《最高の時》
特に世界選手権については感慨も一入。これまで様々な大会に出てきましたが、世界選手権のような少人数で行うプレミアイベントは今回が初出場。プロマジックの今後がどうなるか分からない状態ではありますが、
長年の目標であった世界選手権出場が叶い、「ついに辿り着いたな」という万感の思いで一杯です。一年間応援してくださったり、こうして記事をご覧になってくださった皆様のおかげです。ありがとうございます。
そして一緒に戦ってきたチームメイトや、リーグ、チャンピオンシップなどで一緒に調整した友人たちにも感謝です。みんなのおかげで勝ち星を積み重ねることができました。ありがとう。
そしてスポンサードしてくださっているカードラッシュにも感謝です。16名しか出場できない世界最高峰の大会に、たった2人のラッシュプロズが2人とも参加できることを誇りに思います。
《戦いの覚悟》
さて来週には
イニストラード:真夜中の狩りがアリーナ上で発売となり、それとともに世界選手権に向けた新たな練習が始まります。
チームメイトであるあんちゃんとレイくんと共に、3人で頂点目指して頑張ります!引き続き応援よろしくお願いします!
それでは今回はここまで。次回の記事でお会いしましょう!