先週末は、オランダのアムステルダムにて開催された「プロツアー・モダンホライゾン3」に参加しました。
アムステルダムは運河が多く、美しい景観で散歩するのが楽しい! 運河に沿ったホテルに到着後、皆で会場へ移動。会場で巨大なエムラクールが見えて、気持ちが高まって来ます。
前日に参加手続きを済ませた後、夕食にハンバーガーとサラダが振る舞われました。
こ
のハンバーガーは前日パーティの中でもTier1の美味しさ!僕の好みで言うと、ヨーロッパのプロツアーは食事の満足度が高い!!!プロツアーと併催の「MagicCon: アムステルダム」では、統率者スペースや販売ブース、アーティストブースが大盛況でした。
しかしカードを買おうとしても、
1ユーロ=174円という円安事情もあって、物価が高いと感じてしまいます。
さて、プロツアー初日はブースター・ドラフト3回戦と、モダン5回戦を行い、4勝4敗以上の成績で2日目へ進出。
2日目で10勝6敗以上の成績で次回のプロツアーの権利が付与されるため、上位入賞を目指します。
井川良彦さん、井上徹さん、加茂里樹さん、小坂和音さん、中村修平さん、原根健太さん、平山怜さん、松浦拓海さん、森山真秀さん、行弘賢さんとチームを組んで練習を行いました。
以下その大会レポートです。
目次
▪️1stドラフト
▪️2ndドラフト
▪️モダンのデッキ選択経緯
▪️ディミーア・マークタイド
▪️大会結果
▪️おわりに
1stドラフト
「モダンホライゾン3」のドラフトは、
特定のアーキタイプを目指す環境です。
「エネルギー」「エルドラージ」「+1/+1カウンター」といった、同じタイプのカードを集める事によってシナジーが生まれて行き、上手く組み合わさった時にはレアを凌駕する力を発揮します。逆にアーキタイプではないカードを多く取ってしまうと、デッキがぼんやりしてシナジーデッキに粉砕される事が多いです。
《
鎮圧光線》といった2色の両面土地は、混成マナなのでどちらかの色が合えば使えて、なおかつ2色土地にもなることから、序盤に取るとピックの受けが広がります。
通常セットのドラフトのように、除去を取ってクリーチャーのマナカーブを整えれば良いわけではなく、
デッキの全体像を描きながらドラフトをする必要があり、面白いけれど非常に難易度の高い環境です。マルチカラーのカードがコモン・アンコモンともに強く、その色をやる理由になるものもあります。
《
のたうつ蛹》は
神話コモンと形容されるほど超強力カードで、到達により飛行を止めて、トークン生成により威迫を止めて、唱えた時誘発なので除去や打ち消しをされてもトークンぶん得しています。単体でゲームに勝つ性能があり、赤や緑がメインカラーでなくても、1色をタッチして使う事すらあります。1-3手目でピックされる超強力カードで、《
のたうつ蛹》が強いからこそ、赤緑は人気の集まりやすい色でもあります。
他のマルチカラーコモンの《
広がる軟泥》《
忠実な番犬》《
こそこそサクサク》などもデッキの中心になる強さがありますが、その色が空いていないときは1周することも起こります。
《忠実な番犬》は残り3枚で見かける事すらある!
これらのカードの流れから、
空いているマルチカラーの流れを見極めるのが重要です。1パック目初手は《
巨人の先兵》。
《
のたうつ蛹》と組み合わせる事で強力なシナジーを発揮するエルドラージ。ただここで赤緑確定ではなく、タッチで使う事も意識します。
1パック目2手目は《
不安定な護符》
エネルギーデッキを組めれば、継続してアドバンテージを稼いでくれます。ここで青赤のエネルギーデッキを意識。
1パック目3手目は《
乱動の地図作り》。エネルギー供給源かつ、6エネルギーで3ドローが起動できればゲームの勝利が見えてきます。
良い2マナ域なので、3手目で取れるのは嬉しい。
4手目で《
両生類の豪雨》、5手目で《
極性の逆転》で、青は空いている流れ。青赤タッチ緑をイメージします。
2パック目初手はまたも《巨人の先兵》。しかしこのピックで《
巨人の先兵》2枚中心のエルドラージデッキを使いたい欲が湧き、
それまで青赤中心だったのに赤緑を意識してしまいます。2パック目2手目でブレてしまい、
本来は赤の2マナ4点を取るべき場面で《ロナスの狂信者》をピック。 そこから赤緑エルドラージを行きたい願望で、本来行くべきだった青赤ではないピックを繰り返します。
特にひどいミスだったのが、
3色のマナベースを支える《豊潤地帯》をピックすべきタイミングで《終わりを告げるもの》をピックしたことです。ここで《
豊潤地帯》だったらまだ修正が効いていたのに。
結局卓内に《
終わりを告げるもの》が沢山出ていて、行くあてのない《
終わりを告げるもの》が3パック目終盤でたくさん集まって来ました。
結局3色をフラフラし、出来たのはマナベースもカードも弱い均等3色。
結果も当然の0勝3敗。
2ndドラフト
1パック目初手は《
不安定な護符》
エネルギーデッキの中心となるカードで、アンコモン中でも上位の評価をしています。
2手目は《
太陽光変換器》で、エネルギーも無色マナも供給してくれるので、序盤に取れるとその後の受けが広がる良いカードです。
3手目は《
乱動の地図作り》で、ここで白青赤のエネルギーデッキを意識。その後も青の流れは良いですが、赤はほとんど流れて来ません。
2パック目初手は《
再鍛の刃、ラエリア》。超強力なレアで、《
不安定な護符》と相性が良くサイズアップして行きます。
青の流れが良く、ドロー呪文やクリーチャーなど良質のものがピック出来ました。
しかし逆に赤は《
再鍛の刃、ラエリア》《
不安定な護符》など初手付近でしか強いカードを取れておらず、特に軽量除去が全く無いため序盤に不安があります。
本来は赤ではなく、黒に行くべき流れでした。試合もドロー呪文で手札の枚数は稼げても、結局相手のクリーチャーを除去出来ない展開が続き、1勝2敗。
今回のプロツアーでのドラフトは、
赤に極端に人気が集中しており、全くカードを取れませんでした。自分の2回のドラフトを見ても、赤で取れたまともなカードは《
溶鉄の門番》《
熾火魔道士、スコア》くらいで、あとは《
不安定な護符》など初手近辺だけ。
赤白、赤緑と人気色である赤を避けて、1周した《
こそこそサクサク》《
絶息》から青黒に入るべきだったのに、それを見極められなかった。
何度も同じ過ちをしているはずなのに、また一番人気の色から撤退できなかった!今回のドラフトは練習段階から勝率が悪く、不安なまま本番を迎える事となり、ドラフトがそのまま敗因となりました。
わからないなら、わからないなりに、各色のトップコモンを紹介するなど、中間地点でアウトプットする事で思考整理すべきでした。人に考えを伝える事も練習の内。
教訓:一番人気の色が混んでいるかを1パック目の時点で判断すべし!なるべくなら、一番人気の色を避ける戦略も併せ持つべし!モダンのデッキ選択経緯
チーム内練習で、
最初に環境を定義するデッキになったのがボロス・エネルギー。
《
魂の導き手》によってライフとエネルギーを獲得し、《
色めき立つ猛竜》から2ターン目に《
ナカティルの最下層民、アジャニ》と展開。
《
ナカティルの最下層民、アジャニ》の変身後は2マナとは思えない制圧力で、盤面を作りながらライフを攻めて行きます。
ここに《
火の怒りのタイタン、フレージ》が加わり、
お互いに除去やクリーチャーを交換するデッキでの対決では無類の強さを持つ、フェアデッキ界最強なのがボロス・エネルギーでした。しかし、
フェアデッキばかりではないのがモダン。相手と真っ当にカードを交換し合う対決でボロス・エネルギーは最強でしたが、その反面自分のコンボを押し通すナドゥ・コンボやルビーストーム相手には苦戦を強いられていました。ボロス・エネルギーはメイン戦がコンボに不利で、サイドカードを多く取らないと勝率も改善しない。
そして、コントロールデッキの使う《
空の怒り》も苦手としており、その課題を上手く解決できない印象を受けていました。
コンボデッキが多い環境なら、打ち消し呪文の出番です。 練習中《
呪文嵌め》が環境の多くのデッキに効き、
このカードを使ったデッキが良いと感じていました。
新カードの《
超能力蛙》を中心に組んだデッキを組んで、モダン東西最強決定戦に参加した所、トップ8に入賞。
ボロスエネルギーには不利なものの、コンボデッキ全般に戦えて、自分のプレイスタイルにも合っているので、《
超能力蛙》を中心としたディミーア・マークタイドを使用しました。
ちなみに最初に入っていた《
知りたがりの学徒、タミヨウ》ですが、
環境に《火の怒りのタイタン、フレージ》が多すぎてすぐに除去されるので0枚にしました。他のクリーチャー《
超能力蛙》《
濁浪の執政》《
オークの弓使い》はフレージでも損しにくいクリーチャーなのですが、タミヨウだけはどうしてもフレージをケアできませんでした。
■参考:モダン東西最強決定戦
ディミーア・マークタイド
打ち消し呪文でバックアップしながら、巨大な《
超能力蛙》《
濁浪の執政》で早いターンから相手のライフを詰めて行くデッキです。
《
超能力蛙》と《
濁浪の執政》は相性が良く、インスタント・ソーサリーを捨てて《
超能力蛙》をサイズアップしながら《
濁浪の執政》の探査コストにしたり、《
超能力蛙》で墓地のインスタント・ソーサリーを追放する事により《
濁浪の執政》を9/9以上のサイズに上げたりできます。
巨大なカエルとドラゴンを並べながら《呪文嵌め》《呪文貫き》で妨害してライフを削り切る事を目指します。《
オークの弓使い》は相手のデッキにタフネス1が少ないと活躍しにくく、2-4枚で悩んでいました。しかし自分がドロー呪文を使う都合相手のオークが苦手で、結局相手のオークを除去するには自分もオークを使うのが一番で、瞬速と打ち消し呪文を構える動きが噛み合っているので4枚採用。ただ、タフネス1が少ない相手にはサイドアウトする事も多いです。
《
綿密な分析》は、フラッシュバックを持つので《
超能力蛙》で捨てやすいインスタント・ソーサリーです。
表の4マナでプレイするときは、
《一つの指輪》と同じマナコストなのになぜ2ドローだけなのかと、このカードはモダンレベルなのかと疑問を持つ瞬間もあります。しかし《綿密な分析》は相手に《対抗呪文》されてもフラッシュバック出来たり、手札破壊で捨てられても大丈夫だというメリットもあります。諜報で墓地に落とした時は、無から2ドローが生まれるので最高です!自分の場に《
オークの弓使い》がいる時は、
相手を対象に《綿密な分析》をプレイする事で2点ダメージとトークン+2/+2で、4点火力のように使う事が出来るのを覚えておいてください。《
呪文嵌め》は環境に合った打ち消し呪文で、
ボロスエネルギーやルビーストームの大半を打ち消し、ナドゥコンボも《春心のナントゥーコ》《根の壁》といった重要なパーツを止めてくれます。しかしエルドラージ系統など、《
呪文嵌め》が手札で腐ってしまう相手も存在するので、メイン3サイド1のバランスにしています。
《
湖での水難》は、除去と打ち消しを兼ねたカードが欲しくて、中間策として採用しました。
《
稲妻》《
電気放出》《
邪悪な熱気》と1マナ除去に恵まれている赤と比較すると、どうしても黒の1マナ除去は《
致命的な一押し》以外が弱い。《
致命的な一押し》の次の1マナとなると《
切り崩し》くらいしかまともな除去がなく、あとは《
喉首狙い》など2マナになってしまい、少し重いです。
《
切り崩し》も試したのですが、
どうしても《有翼の叡智、ナドゥ》を除去出来ない欠点が目立ってしまい、《
湖での水難》に変えました。
しかし《
湖での水難》には相手の墓地参照と言う欠点があり、
《火の怒りのタイタン、フレージ》や《濁浪の執政》など墓地を減らすカードに対して機能しません。相手が《
火の怒りのタイタン、フレージ》や《
濁浪の執政》を使うデッキならこちらが《
虚無の呪文爆弾》をサイドインする事が多いので、その場合は《
湖での水難》をサイドアウトしましょう。
エルドラージ系統のデッキには、《
運命を貪るもの》で頼みの《
濁浪の執政》を除去されやすく、《
呪文嵌め》《
致命的な一押し》が腐りやすいので不利です。そのため多くサイドを取っています。
《
影の評決》はボロスエネルギーへの対策で、フレージや変身後のアジャニをまとめて追放できるので強力!撃てたら勝てるカードなので、1枚採用しました。
しかし土地19枚のデッキでの5マナは重く、撃てるか不安定なため、安定して撃てる《
毒の濁流》に変えても良い部分です。
《
火の怒りのタイタン、フレージ》を使うデッキには《
虚無の呪文爆弾》が必要で、ゲーム中1枚は必ず《
虚無の呪文爆弾》を引きたいので、次に大会に出るのなら3枚に変更しそうです。
大会結果
・初日 〇マルドゥ・エネルギー ×4色ナドゥ 〇ルビーストーム 〇ヨーグモス 〇バント・ナドゥ ・2日目 ×赤緑エルドラージ 〇ジェスカイ・コントロール ×ジェスカイ・コントロール 〇ジェスカイ・コントロール 〇ボロス果敢モダン7勝3敗。
ドラフト1勝5敗。
合計8勝8敗で108位。おわりに
試合の後はチーム皆と美味しいご飯。
中村修平さんは店選びのセンスが良く、いつもお世話になっています。
アムステルダム国立美術館は広大で、全部回るのに3時間以上かかりました。幻想的な書庫の雰囲気が良い!
オランダは国が自転車の利用を推進しており、交通手段として自転車が主流。過ごしやすい気候で、良い国でした。
次の大型イベントは10月の世界選手権。ドラフトが課題なので、普段からトレーニングして地力を高めて行きます!!!
それではまた。