先週は晴れる屋さんのモダン神挑戦者決定戦に参加しました。
以下その大会レポートです。
目次
▪️イゼットラガバン
▪️大会結果
▪️サイドボードの考え方
▪️おわりに
イゼットラガバン
モダンはクリーチャーデッキが多く、《
敏捷なこそ泥、ラガバン》はブロックされやすいため、禁止を免れていますが、
それでも1ターン目の行動としては最高です。
諜報で中盤のドロー濃度を高める《
ドラゴンの怒りの媒介者》、
除去されなければ速やかにゲームを決める巨大飛行クリーチャーの
《
濁浪の執政》と共に攻めていきます。
《
表現の反復》は何度も紹介していますが、
序盤は土地事故を防ぎ中盤はリソース供給する、
マジックのゲームシステムにおいてとても強いカードです。
最近のイゼットラガバンは《
大魔導師の魔除け》を3-
4枚採用しています。
打ち消しと2ドローのおかげで4cオムナスや青白コントロールといった長い
ゲームでも戦えるようになっています。
もちろん1マナ奪取モードで相手の《
ドラゴンの怒りの媒介者》
を奪っても強い!
火力除去だけだと7/7以上の《
濁浪の執政》
に対処しにくいので、バウンス枠として《
厚かましい借り手》
を1枚。《
虚空の力線》を戻したりと、
1枚あるとプレイの幅が広がって便利です。
イゼットラガバンは初手に土地が2枚あればどこを引いても回る安
定感の高いデッキ。土地が初手に2枚ほどくる適正枚数は19枚ぐらいに思えます。
とはいえ、後半マナが余る展開があるので《
焦熱島嶼域》
は2枚推奨。
《
溢れかえる岸辺》などフェッチランドは、昂揚達成や《
濁浪の執政》を早く出すために必要で、サイド後の《
血染めの月》
前に《
島》を探す役割があります。
1ターン目《
考慮》で墓地にインスタントかソーサリーを落とす+
《
ミシュラのガラクタ》+フェッチランド2枚で2ターン目に《
濁浪の執政》が5/5で出せます。今は7枚ですが、
フェッチは8枚の方が良いかも知れません。
《
尖塔断の運河》は序盤3ターンは《
Volcanic Island》と変わらない素晴らしい土地ですが、
後半のタップインが気になる場面があるので、《
尖塔断の運河》
を3にしてフェッチ8も試してみたいです。
《
天上都市、大田原》については、
魂力のコストの重さから、戻したい場面がほとんど起こらず、《
島》
と《
焦熱島嶼域》
より弱い場面がほとんどだったので不採用にしました。
サイド後は相手によって軽量カウンターを増やします。
《
狼狽の嵐》は主に続唱デッキ相手を想定したカードで、《
衝撃の足音》や《
死せる生》を打ち消します。
《
神秘の論争》は《
時を解す者、テフェリー》《
創造の座、
オムナス》を採用したデッキに特に効き、
イゼットラガバン同系でも強いカードです。
青いクリーチャーを打ち消せるのが《
呪文貫き》にない強み。
《
否定の力》は序盤2-
3ターンで仕掛けてくるコンボ要素のあるデッキに強いのですが、
今のモダンはそんなコンボデッキが少なく、続唱デッキも《
暴力的な突発》でこちらのターンに仕掛けてくるので《
否定の力》
を代用コストで撃つ場面が少ないです。
すでに《
呪文貫き》《
狼狽の嵐》《
神秘の論争》《
対抗呪文》
で軽い打ち消し呪文は十分あるので、次に大会に出るなら《
否定の力》は不採用にすると思います。
《
血染めの月》は主にアミュレットタイタン、
ウルザトロンといった土地コンボと、《
ウルザの物語》
を使うデッキ対策です。
ただ、最近は土地コンボが《
耐え抜くもの、母聖樹》
を使うようになったので、《
血染めの月》と《
月の大魔術師》を分割しています。土地コンボは《
月の大魔術師》
に対しては《
四肢切断》などの除去を使う必要があるので、
2種類に散らして対処を難しくさせる狙いがあります。
《
精神を刻む者、ジェイス》
は相手のクリーチャー除去が多いときに、
軸の違うアドバンテージ手段としてサイドインします。
クリーチャーと火力の強化によりメインには入らないジェイスです
が、特にコントロールに対しては神ジェイスの名に相応しい活躍を見せます。
《
激情》は3点で焼けない対象も除去出来て、
5マナで素出しすることも多いです。
イゼットラガバンはサイド後《
忍耐》を良く出されるので、その《
忍耐》を除去しながら3/3二段攻撃が残るのが良い!
《
目覚めた猛火、チャンドラ》
は青白コントロールや4cオムナスなどの長期戦になる相手に「
打ち消されない」能力が強い!しかし6マナは重く、
プレイしやすい《
精神を刻む者、ジェイス》
の方が信頼度が高いと感じました。
この3種類のおかげで、軽量クリーチャーをサイドアウトして、
イゼットコントロールに変形することも可能です。
モダンの墓地対策は様々な種類のものがありますが、《
大祖始の遺産》は「死せる生」
などを対策しながらイゼットラガバン同系でも強いカードです。
イゼットラガバン同系で相手の《
濁浪の執政》
を早く出させないのと、自分の墓地を追放して《
濁浪の執政》
を8/8以上にする役割があります。
1ターン目に出すことで相手の《
レンと六番》
の土地回収を抑えたりも出来るので、墓地対策は《
大祖始の遺産》
推奨です。
《
仕組まれた爆薬》
はハンマータイムなど1マナや0マナを中心とした高速アグロデッ
キ対策と、《
衝撃の足音》のサイトークンや《
虚空の杯》
を割る便利カード。
もしあなたが今挙げたデッキに苦手意識があるなら、
3枚目を取っても良いと思います。
よくサイドに採用されている《
激しい叱責》は、《
ウルザの物語》
の構築物トークンを0/0にしたり小回りが利くカードです。
しかしクリーチャーデッキ対策なのに、《
激しい叱責》
をプレイした時点ではクリーチャーを除去できるかが不確定なのが
気になります。これより《
激情》や《
仕組まれた爆薬》
の方が除去としてちゃんと機能するので、《
激しい叱責》
の優先度は低いと考えました。
大会結果
予選ラウンド
○グリクシスリアニメイト
○不屈の独創力コンボ
○イゼットラガバン
○死せる生
○イゼットラガバン
×4色オムナス(ヨーリオン)
○緑トロン
○ジェスカイラガバン
ID
決勝ラウンド
○赤黒ゴブリン
○タメシブルーム
○4色オムナス(ヨーリオン)
神決定戦
×ビビアンポッド
サイドボードの考え方
クリーチャー4種類は、実はどれもサイドアウトする可能性があります。
例えば相手が《
敏捷なこそ泥、ラガバン》を容易にブロックできるデッキなら、《
敏捷なこそ泥、ラガバン》は全てサイドアウトします。今回対戦した中で言うと赤黒ゴブリンには4枚アウト、他はハンマータイムにも《
メムナイト》によるブロックが嫌なので4枚アウトします。
イゼットラガバンは定番クリーチャーが12枚入っているので、相手はクリーチャー除去を多く残す傾向にあります。
しかしその除去は3種類とも除去できるわけではなく、例えば《
稲妻》は《
濁浪の執政》を除去出来ず、《
虹色の終焉》は疾駆の《
敏捷なこそ泥、ラガバン》を除去出来ません。
特に《
虹色の終焉》の入ったデッキに対しては、《
ドラゴンの怒りの媒介者》を全てサイドアウトして《
敏捷なこそ泥、ラガバン》を疾駆で使い、
《虹色の終焉》を完璧に腐らせることが可能です。
《
濁浪の執政》は、3ターン目以降に打ち消しを構える必要がある相手に対しては1枚サイドアウトします。例えばトロンや死せる生などです。
《
厚かましい借り手》は、相手の平均マナコストが軽く、戻しても出し直されやすい相手や、そもそも戻したいものが無い相手にはサイドアウト。
当たる機会の多いデッキのサイドボードについても解説します。
対イゼットラガバン
お互いが除去と打ち消し呪文を打ち合うので、基本的に長期戦になることを想定してください。
ゲームの焦点は《
邪悪な熱気》で除去されない7/7以上の《
濁浪の執政》を通すことと、通されたあとに《
厚かましい借り手》《
精神を刻む者、ジェイス》でバウンスすること。バウンスすると6/6以下になる場合が多いです。
そして《
表現の反復》や《
大魔導師の魔除け》といったリソースを増やすカードに打ち消し呪文を当てることも重要です。
最初は僕もサイドボーディングがわからず、《
ドラゴンの怒りの媒介者》を4枚残して、《
神秘の論争》に弱いという理由で《
大魔導師の魔除け》を抜いたりしていましたが、大きな間違いでした。
《
ドラゴンの怒りの媒介者》を4枚アウトを試してからは、同系の勝率はかなり上がりました。序盤にクリーチャーを出さないことで、火力を撃たれず、結果相手の《
濁浪の執政》が出るのが遅くなるといった副次効果もあります。
《
敏捷なこそ泥、ラガバン》は気軽に出さず、常に疾駆で使う気持ちで使って下さい。《
表現の反復》《
濁浪の執政》といった、ゲームを有利に進めるカードでカウンター合戦が発生するので、そこでマナがフルタップした返しに《
敏捷なこそ泥、ラガバン》疾駆が理想です。
土地を並べてドローゴーして、相手のマナ要求カウンター《
呪文貫き》《
神秘の論争》に引っかからないように動きたいです。
長期戦になる都合上、《
呪文貫き》は弱いことが多いです。《
神秘の論争》は《
濁浪の執政》にも当てられるぶん《
呪文貫き》よりも優れています。
《
大祖始の遺産》は相手の《
邪悪な熱気》《
濁浪の執政》を弱くする、序盤に置けるとかなり有利になれるカードです。
対4cオムナス
4cオムナス側は、サイド後に《
忍耐》を増やす傾向にあります。この《
忍耐》にマストアタックで突っ込んだり、《
虹色の終焉》の打ち先を無くすためにも、《
ドラゴンの怒りの媒介者》を全てサイドアウトしています。
このマッチも《
敏捷なこそ泥、ラガバン》の使い方が重要です。先手1ターン目は相手の1マナ除去枚数が4-6枚で、初手に無い可能性もあるのでプレイしますが、それ以降のターンでは《
虹色の終焉》《
レンと六番》での除去をケアして疾駆することが多いです。
《
狼狽の嵐》は相手の《
対抗呪文》《
表現の反復》《
夏の帳》を打ち消すためにサイドインしますが、相手のデッキリスト次第ではインしないこともあります。
《
血染めの月》《
月の大魔術師》は、こちらが後攻なら相手にケアされやすいので《
否定の力》に変えたりもします。先手のみ《
血染めの月》《
月の大魔術師》と考えています。
対死せる生
相手は《
神秘の論争》と《
否定の力》のバックアップからこちらのターンに《
暴力的な突発》→《
死せる生》と動いてきます。
こちらの目指す方向としては《
狼狽の嵐》《
呪文貫き》《
神秘の論争》《
対抗呪文》のうち2枚を使える状況を作ることと、打ち消し呪文を複数撃つための《
敏捷なこそ泥、ラガバン》でのマナ加速と、《
大祖始の遺産》です。今挙げたカードが初手に少なかったら強めにマリガンする必要があります。
《
大魔導師の魔除け》は打ち消しではあるのですが3マナと重く、相手の《
神秘の論争》の的になりやすいので減らしています。
おわりに
イゼットラガバンは選択肢が非常に多く、どんな状況も打破できるのですごく好きなデッキです。
変更したい箇所としては8枚目のフェッチランド、《
否定の力》を《
激情》の2枚目に、《
目覚めた猛火、チャンドラ》はやっぱり《
精神を刻む者、ジェイス》が良いかも。
まだ試していないのですが、《
帳簿裂き》はモダンでも活躍し始めているらしいです。確かにルーターしながらすごいサイズで攻撃しそう。
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それではまた。