カードゲームにおける強さ「相手に与える情報について」

長年考えてきた事、カードゲームをにおける強さとは何なのか。

自分の中で、一つの答えが出つつあります。それは「情報を管理する能力」

今回の記事では、相手に与える情報について考えていきます。

目次

▪️デッキの擬態
▪️相手に与える情報と、与えない情報
▪️非公開情報の強み 対策に対する考え方
▪️おわりに


デッキの擬態


考えるきっかけになったのはこのポストです。
シヴの浅瀬
デッキリスト非公開のオンライン大会で起きた事です。
相手は後攻でダブルマリガン、1ターン目に《シヴの浅瀬》のみを置いて、何も呪文をプレイせず、こちらのデッキが青白全知コンボという事を見届けてから投了。

さてサイドボードに移りますが、あなたなら相手のデッキを何と予想しますか?

嵐追いの才能コーリ鋼の短刀
すぐに思い付くのはイゼット果敢でしょう。現在のスタンダードで最も人気があるデッキであり、対戦する機会も多いです。
僕も実際にイゼット果敢だと考えて《解呪》《跳ねる春、ベーザ》などをサイドインしました。

しかし実際は相手はジェスカイ眼魔を使用しており、僕のサイドインしたカードはジェスカイ眼魔に効きにくいカードでした。第2ゲームではそのサイドカードを多く引いてしまい、手札が上手く使えずに敗北。第3ゲームは相手が良い回りで敗北しました。

僧院の速槍手練選択

最初の印象としては、ただダブルマリガンして悪い初手が来たイゼット果敢に見えるかも知れません。
しかし時間をかけて考えてみると、相手がイゼット果敢なら《シヴの浅瀬》のみを置いて投了した事に違和感が出てきます。

理由としては、イゼット果敢というデッキが1マナの集合体であるという事です。
土地1キープでも《手練》《選択》で2枚目の土地を探しに行けます。たとえダブルマリガンでも《僧院の速槍》《嵐追いの才能》から展開すれば勝ちが狙えるので、1マナのカードを1枚もプレイせずに投了するのは不自然です。

このように思考を進めて行くと、相手のデッキがイゼット果敢でない可能性が生じます。しっかり考えれば、相手のデッキをジェスカイ眼魔と予想する事が出来たかも知れません。

相手の視点としては、5枚の初手では7枚スタートの全知コンボに勝てないと判断したのでしょう。全知コンボ側としては、高速でダメージを与えてくるイゼット果敢よりもジェスカイ眼魔の方が少し遅いので特に第1ゲームでは全知が勝ちやすい相手です。

ダブルマリガンという不運なので第1ゲームを諦めて、《シヴの浅瀬》のみを置く事で相手にデッキを誤認させて第2ゲームを優位に進めようという狙いでしょう。
実際にデッキの擬態は成功して、僕はそれにより第2ゲームを落とす事になります。

相手に与える情報と、与えない情報


上記の《シヴの浅瀬》の例は、相手に情報を与える事でミスリードさせる例です。
それとは逆に、相手に情報を与えないことでプレイの選択をミスリードさせる事もあります。最も頻繁に起こるのは戦闘フェイズを介して土地を置く順番です。

相手が打ち消し呪文と除去呪文を両方使うようなデッキである場合、土地を置く順番は特に顕著になります。

例えば自分が先攻でお互いが土地2枚、自分の場に《嵐追いの才能》のトークンがいて、3ターン目に土地を置いてから《食糧補充》を唱えたい場を想定して下さい。相手は2マナ構えているので《否認》《喉首狙い》の可能性があります。

普通なら《食糧補充》を唱えてから果敢で2点ダメージ入れるのが定石です。しかし相手が2マナ構えているので、状況が変わってきます。
戦闘前に土地をプレイせずに攻撃したなら、相手視点では土地がないからこのターン3マナの呪文を唱えないように思えるかも知れません。それなら《否認》を構える必要は無く、受けるダメージを軽減するために《喉首狙い》をプレイしてくるかも知れません。

しかし実際には3枚目の土地を持っていて、《喉首狙い》をプレイされたので戦闘後に《食糧補充》《否認》されずに通る、という事も起こります。

相手が《喉首狙い》しか持っていなかったとしても、1点ダメージなら通すが2点ダメージなら除去しよう、と変わるかも知れません。
果敢クリーチャーを使うなら戦闘前に呪文をプレイするのが普通と思われがちですが、相手がマナを構えている状況では、土地を置かずに攻撃して相手の出方を待つ、というパターンもあり得ます。
「3枚目の土地を置く」という情報を与えない事で、《食糧補充》が通る方向へ相手のプレイを誘導できる可能性があるのです。

魂石の聖域不穏な浅瀬
クリーチャー化する土地、いわゆるミシュラランドは、戦闘後に置いた方が良い事が多い好例です。

ミシュラランドはインスタント除去でないと対処が難しいので、通常のクリーチャーを《一時的封鎖》《審判の日》などソーサリータイミングの全体除去で対処して、インスタント除去はミシュラランド用に残しておく。戦闘前にミシュラランドを置くか戦闘後に置くかで、相手のインスタント除去を使用するかどうかの判断も変わってきます。

しかし、いつも戦闘後に土地を置けば良いわけではありません。相手のインスタント行動に対応して自分も全てのマナを使いたい場合は、戦闘前に土地を置くのが正しい判断になります。《魂石の聖域》のようなアンタップインのミシュラランドは、戦闘前に置くか戦闘後に置くかを場合分けして考える必要があります。

島/Island呪文貫き
今のスタンダード環境で相手が《島》を置いてターン終了したなら、《呪文貫き》は考慮する必要があります。相手が1マナ残してターン終了する事が複数回あったら尚更です。

土地を置く事はマジックの基本ですが、あなたが思っている以上に相手に情報を与えているのです!

非公開情報の強み 対策に対する考え方


僕は趣味でポケモンカードも遊んでおり、そこでも非公開情報の強みを感じる瞬間があります。

ポケモンカードはサーチが強いため、特定の相手にのみ劇的に効果を発揮する、いわゆるメタカードを1枚挿しする事で勝率が改善することが良く起こります。
《ポケモンいれかえ》《フトゥー博士のシナリオ》などの入れ替え札が入っていないデッキだと、《マラカッチ》のワザ「おいつめる」で何ターンもロックされてしまう事がありますし、《シェイミ》はベンチ狙撃系のポケモンへの対策、《コダック》は特性「カースドボム」への対策になります。

これらのカードは単体ではあまり機能しない事もあるのですが、相手の展開に合わせる事でそれをカウンターするような動きを見せてきます。
メタカードが効果的であればあるほど、メタカードを想定されていない事がゲーム中に活きてきます。デッキに入っている事が相手に知られていない=非公開情報である強みです。

領事の権限真昼の決闘
マジックにも、メインに特定のデッキ対策を入れる事は起こります。イゼット果敢が流行するなら、《領事の権限》《真昼の決闘》もあり得るでしょう。意識外のメタカードは、ゲームに勝ち得る影響があります。

こういった、特定の状況で強いカードに対する一番の対策は、あらかじめ想定して慣れる事です。カードプールにある以上どんなカードもメインから出される事があり得るので、自分のデッキに効くカードを出される経験を積んでおく事です。

言葉で言うのは簡単ですが、何度も練習する必要のある作業です。しかし相手の非公開情報を想定してプレイする事が出来るようになったなら、プレイヤーとしてあなたはレベルアップしているでしょう。

おわりに


普段何気なくプレイしている土地が、相手に思った以上に情報を与えているという記事でした。
戦闘前に土地を置く、戦闘後に土地を置く。マジックの基本ですが、選択肢一つでゲームが大きく変わるものなので、相手に与える情報についてしっかり考えてみて下さい。

それではまた。

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