禁止改訂後のモダンメタゲーム考察

2019年8月26日、モダン激変!!!
甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak,

信仰無き物あさり/Faithless


モダンホライゾン発売以来、猛威を振るい続けた《甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak, Arisen Necropolis》が禁止になりました。ホガーク本体を禁止にせず《縫い師への供給者/Stitcher’s Supplier》辺りで抑えておく選択肢もあったかもしれません。
ですがあまりにも軽いそのコストゆえ、どれだけ周りのカードを禁止にしても似たようなデッキがすぐに誕生するであろうことを考えると英断だったと言えるでしょう。
またホガークだけでなく、ドレッジ、ホロウワン、イゼットフェニックス、赤単フェニックス(果敢)、マルドゥパイロマンサー、グリセルシュートetc…と数々のモダンのデッキの屋台骨として活躍し続けてきた信仰無き物あさり/Faithless Looting》も遂に禁止となりました。定業/Preordain》《思案/Ponder》が禁止されている中、軽いドロー操作かつ墓地利用をお手軽にさせるこのカードは、あまりにも強すぎました。
そして今回は禁止だけではなかったのです。
石鍛冶の神秘家/Stoneforge

なんと《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》が解禁!!
モダン最初期から禁止に制定されていたカードである《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》。《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》や《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》といったフェアなカードの解禁、モダンの高速化なども相まって「いつか解禁されるだろう」「解禁しても大丈夫ではないか」と毎回噂はされていましたが、遂に現実のこととなったのです。
甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak, Arisen Necropolis》《信仰無き物あさり/Faithless Looting》の禁止により環境の低速化が予想される中、どれだけ猛威を振るうのか楽しみですね。
さて今回の記事では、これらの禁止改定を受けた各デッキの趨勢やメタゲームの予想を書いていきたいと思います。

目次

▪️《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を巡る攻防
▪️デッキ自体に変化はないものの、ポジションは悪くなった勢
▪️今週末、旬なデッキは?
▪️考えすぎ?それとも大当たり???

《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を巡る攻防

青白系

石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》はシングルシンボルの2マナのクリーチャー、しかもデッキに6-7枚のスロット(《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》4+装備品2-3枚)しか必要としないため、白単、ナヤ、バントなどといった白が入っているあらゆる中速デッキで使われる可能性があります。
その中でも特に《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》デッキは”青白”ベースのデッキで組まれることが多いです。過去のスタンダードで一世を風靡した「カウブレード」や、今でもレガシーの第一線で活躍している「青白石鍛冶」がその代表格です。
グランプリシンガポール11 優勝 / Paulo Vitor Damo da Rosa

Legacy MOMCQ 優勝 / tamir1313

ただし、モダンでこのような形の青白石鍛冶が活躍できるかといえば、僕はNOだと考えています。
その理由は、青白が「相手の《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》への対処が難しい」デッキだからです。
流刑への道/Path

相手が2T目に《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》をプレイしてきた場合、後手の青白はどう捌けばいいのでしょうか?
流刑への道/Path to Exile》が基本除去である以上、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》にプレイしてしまうと相手の土地が伸び、最悪《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》といった4マナの脅威がプレイされることになりますし、サーチしてきた《殴打頭蓋/Batterskull》を手札から(5マナで)プレイされるターンが早まってしまいます。
稲妻/Lightning

致命的な一押し/Fatal


なので《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》というカードの隆盛を考えるならば、自分自身も相手の《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を裏目なく捌けるよう軽量除去を使えるカラーリングで《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》デッキを構築すべきです。
稲妻/Lightning Bolt》擁する赤(=ジェスカイ)、《致命的な一押し/Fatal Push》と手札破壊擁する黒(=エスパー)が、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》デッキの本命となるのではないでしょうか。
サンプルデッキ / ジェスカイ石鍛冶

4《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic
4《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage
2《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft
2《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique
4《選択/Opt
4《稲妻/Lightning Bolt
3《流刑への道/Path to Exile
2《稲妻のらせん/Lightning Helix
2《呪文嵌め/Spell Snare
2《マナ漏出/Mana Leak
2《否定の力/Force of Negation
2《謎めいた命令/Cryptic Command
1《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor
1《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine
1《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》の件
1《殴打頭蓋/Batterskull
1《平地/Plains
1《島/Island
1《山/Mountain
2《神聖なる泉/Hallowed Fountain
1《聖なる鋳造所/Sacred Foundry
1《蒸気孔/Steam Vents
4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
2《乾燥台地/Arid Mesa
2《沸騰する小湖/Scalding Tarn
3《金属海の沿岸/Seachrome Coast
2《尖塔断の運河/Spirebluff Canal
2《天界の列柱/Celestial Colonnade
1《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt
2《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer
2《摩耗/損耗/Wear/Tear
2《天界の粛清/Celestial Purge
2《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke
2《機を見た援軍/Timely Reinforcements
2《高山の月/Alpine Moon
2《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar
1《儀礼的拒否/Ceremonious Rejection

高山の月/Alpine

ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon,


メインはトロンが厳しいので、サイドは多めに用意しましょう。1マナと軽く、ほかのアクションと合わせて動きやすい《高山の月/Alpine Moon》がオススメ。
フェアなマッチでは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》が活躍します。
なお《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を採用しない従来の青白コントロールの場合は、追加の枠として《失脚/Oust》《呪文嵌め/Spell Snare》を増量して対処することとなるでしょうが、それでもレガシーと異なり《剣を鍬に/Swords to Plowshares》がない以上、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》には苦戦することが予想されます。
青白コントロールの場合は、サイドに《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》パッケージを用意してサイドのオフェンシブプランとしつつ、メインは除去コンのように振舞うのが良いかと思います。

ジャンド

そして《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》デッキがあれば、その《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を食うデッキも存在します。それが全く逆のカラーリングの中速デッキ、ジャンドです。
サンプルデッキ / ジャンド

4《タルモゴイフ/Tarmogoyf
3《漁る軟泥/Scavenging Ooze
2《歴戦の紅蓮術士/Seasoned Pyromancer
3《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf
3《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
3《思考囲い/Thoughtseize
4《稲妻/Lightning Bolt
2《致命的な一押し/Fatal Push
3《暗殺者の戦利品/Assassin’s Trophy
1《突然の衰微/Abrupt Decay
2《コラガンの命令/Kolaghan’s Command
3《レンと六番/Wrenn and Six
3《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil
2《沼/Swamp
1《森/Forest
1《山/Mountain
2《草むした墓/Overgrown Tomb
1《踏み鳴らされる地/Stomping Ground
1《血の墓所/Blood Crypt
4《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
3《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
1《樹木茂る山麓/Wooded Foothills
4《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs
2《怒り狂う山峡/Raging Ravine
1《やせた原野/Barren Moor
1《育成泥炭地/Nurturing Peatland
4《大爆発の魔道士/Fulminator Mage
3《集団的蛮行/Collective Brutality
2《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe
2《疫病を仕組むもの/Plague Engineer
2《古えの遺恨/Ancient Grudge
1《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance
1《幽霊街/Ghost Quarter

暗殺者の戦利品/Assassin's

コラガンの命令/Kolaghan's


石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》が出る前に《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》《思考囲い/Thoughtseize》で捨てさせることができ、出たあとも《稲妻/Lightning Bolt》《致命的な一押し/Fatal Push》あり、装備品自体にも《暗殺者の戦利品/Assassin’s Trophy》《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》ありと至れり尽くせりです。
ホガークに弱かったので前環境では少しポジションが悪かったものの、ホガークがいなくなり、石鍛冶が台頭するであろう今、ポジションが良くなっていること間違いなしです。
後述するバーンとトロンには相性が良くないので、サイドからしっかりガードを上げておきましょう。

デッキ自体に変化はないものの、ポジションは悪くなった勢

人間

教区の勇者/Champion

前環境では、実はホガークに比較的相性が良いデッキの一つだった人間(ソースはこちら)。
メインは厳しいものの、墓地対策と《オーリオックのチャンピオン/Auriok Champion》《疫病を仕組むもの/Plague Engineer》《拘留代理人/Deputy of Detention》といったカードを駆使して有利に立ち回っていました。
イゼットフェニックスや赤単果敢にも五分以上に立ち回れたため、愛用していたプレイヤーもそこそこ多かった印象です。
ですが今回の禁止改定で環境は一変。人間というデッキは盤面への対処、特に軽量クリーチャーへの対処が苦手なデッキなので《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》からの《殴打頭蓋/Batterskull》は厳しいですし、増えそうなジャンドは天敵といって良いほど相性が悪いです。
トロンやウルザソプターにも相性が悪く、総じてメタゲーム的にかなりポジションが悪くなっているといえるでしょう。少なくとも今週末使うことはあまりオススメできません。

エルドラージトロン

難題の予見者/Thought-Knot

苦手なホガークが消えたのは嬉しいですが、《信仰無き物あさり/Faithless Looting》の禁止により虚空の杯/Chalice of the Void》が効くデッキがかなり減ってしまったのが痛いです。
また人間同様軽量クリーチャーを捌けない構成であり、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》からの《殴打頭蓋/Batterskull》がかなり厳しいため、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》が流行りそうな今は微妙なポジションになってしまっています。

《死の影/Death’s Shadow》系デッキ

死の影/Death's

最近出てきたエスパー/マルドゥシャドウ、そして従来のグリクシスシャドウは青白系やジャンドといった除去ヘビーなデッキを苦手としています。
環境が遅くなれば遅くなるほど、基本的にはポジションが悪くなると考えた方がいいでしょう。

今週末、旬なデッキは?

トロン

石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》のような中速デッキに滅法強く、ジャンドをお客様としているトロンは、まさにこの世の春である可能性が高いです。
長年モダンのトップメタに君臨している通り、デッキパワーは証明済み。白いデッキが《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を使う都合上《石のような静寂/Stony Silence》を採用しづらいのも追い風になっています。
サンプルデッキ / トロン

3《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine
2《歩行バリスタ/Walking Ballista
1《スラーグ牙/Thragtusk
2《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger
4《古きものの活性/Ancient Stirrings
4《森の占術/Sylvan Scrying
1《四肢切断/Dismember
4《彩色の星/Chromatic Star
4《彩色の宝球/Chromatic Sphere
2《大祖始の遺産/Relic of Progenitus
4《忘却石/Oblivion Stone
4《解放された者、カーン/Karn Liberated
2《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon
4《森/Forest
4《ウルザの塔/Urza’s Tower
4《ウルザの鉱山/Urza’s Mine
4《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant
1《爆発域/Blast Zone
1《幽霊街/Ghost Quarter
1《ウギンの聖域/Sanctum of Ugin
3《難題の予見者/Thought-Knot Seer
3《自然の要求/Nature’s Claim
2《夏の帳/Veil of Summer
2《次元の歪曲/Spatial Contortion
2《スラーグ牙/Thragtusk
2《殺戮の暴君/Carnage Tyrant
1《四肢切断/Dismember

スラーグ牙/Thragtusk

ジャンドやバーンを意識してメインに《スラーグ牙/Thragtusk》を採用するのがオススメ。

タイタンシフトを意識するなら《歪める嘆き/Warping Wail》、バーンを意識するならタッチ黒=サイドに《集団的蛮行/Collective Brutality》を採用したバージョンも良いでしょう。

バーン

石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》からの《殴打頭蓋/Batterskull》は厳しそうに感じるかもしれませんが、実際は《焼尽の猛火/Searing Blaze》や《稲妻/Lightning Bolt》で捌かれて《殴打頭蓋/Batterskull》を出すまで耐えられなかったり、そもそも後手だと間に合ってなかったりするケースが多いです。
ジャンド、トロン、ウルザソプターあたりは非常に相性が良いので、今週末は当たりデッキだと思います。
サンプルデッキ / バーン

4《僧院の速槍/Monastery Swiftspear
4《ゴブリンの先達/Goblin Guide
2《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer
3《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel
4《稲妻/Lightning Bolt
4《溶岩の撃ち込み/Lava Spike
1《二股の稲妻/Forked Bolt
4《焼尽の猛火/Searing Blaze
4《ボロスの魔除け/Boros Charm
4《稲妻のらせん/Lightning Helix
2《頭蓋割り/Skullcrack
4《裂け目の稲妻/Rift Bolt
3《山/Mountain
2《聖なる鋳造所/Sacred Foundry
2《乾燥台地/Arid Mesa
2《樹木茂る山麓/Wooded Foothills
2《沸騰する小湖/Scalding Tarn
2《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
3《感動的な眺望所/Inspiring Vantage
4《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon
3《流刑への道/Path to Exile
3《コーの火歩き/Kor Firewalker
3《粉々/Smash to Smithereens
2《頭蓋割り/Skullcrack
2《灼熱の血/Searing Blood
1《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer
1《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel

渋面の溶岩使い/Grim

環境が少し遅くなったので速度勝負以外ではプレイしづらい《批判家刺殺/Skewer the Critics》は0。それよりも序盤の攻防やフラッド受けに活躍する《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》を優先しました。《否定の力/Force of Negation》構えでも安心して《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を倒せるイケメンです。《二股の稲妻/Forked Bolt》や《頭蓋割り/Skullcrack》、サイドの《粉々/Smash to Smithereens》も同様に《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》《殴打頭蓋/Batterskull》を意識した採用です。

考えすぎ?それとも大当たり???

石鍛冶<ジャンド<トロン<バーン…
といったメタゲームだと想定するなら、もしかしたらアドグレイスタイタンシフトといった、最近見なかったものの上位デッキに強そうなデッキもありかもしれません。
新環境は始まったばかり。モダン好きなプレイヤーの一人としてとして、今後のメタゲームの遷移が楽しみです。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
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