2022年7月2日~8月28日の期間で、
地域チャンピオンシップ予選が各地で始まりました!
・地域チャンピオンシップ予選の詳細はコチラ(公式サイト) ・予選の開催店舗一覧はコチラ(BIG MAGIC)競技的なイベントが減って久しいですが、
この予選を勝ち抜くことでプロツアーへ続く道となります。
予選はスタンダード、モダン、それとパイオニアで開催されます。
今回の記事では、予選に備えて、最新のトーナメントで活躍しているデッキを特集していきます!
参考情報
パイオニアチャレンジ(7/4) 7月4日にマジックオンライン上で開催された、
パイオニアチャレンジの結果を参考にしています。
ラクドスミッドレンジ
《
思考囲い》《
致命的な一押し》
は使用可能なフォーマットほぼ全てにおいて実績を残してきた優秀な
カードで、「
パイオニアで黒を使うのはこの2つがあるから」と言っても過言では
ありません。この2種類の黒1マナ呪文を中心に、
赤黒の強いカードを採用した中速デッキです。
パイオニアはタフネスが2以下のクリーチャーが採用されている事
が多く、《
砕骨の巨人》は除去を兼ねた攻め手でとして活躍。
《
墓地の侵入者》は、相手の《
弧光のフェニックス》や《
宝船の巡航》といった墓地利用を阻害します。
2種類の黒1マナ呪文と並んで、
デッキの骨組みを支えているのが《
鏡割りの寓話》。
このデッキのようにクリーチャー除去が多い構成は、
相手によっては手札の除去が無駄になってしまうリスクがありますが、《
鏡割りの寓話》
のニ章能力での手札の入れ替え不要牌をリフレッシュできます。今更ですが、《
鏡割りの寓話》はマナスクリュー、マナフラッド両方に受けがある素晴らしいカード!
ゴブリン・シャーマンが出す宝物トークンによって《
致命的な一押し》の紛争条件を達成し、さらに三章能力で「
追放してから場に戻る」ので、
これもまた紛争条件を達成しており、《
致命的な一押し》
と相性が良いです。
《
死の飢えのタイタン、クロクサ》
脱出のための墓地を貯められるし、《
鏡割りの寓話》
は何枚引いても嬉しいくらい強い!
《
税血の収穫者》
は能動的な2マナ域かつ血トークンによる手札循環でデッキの安定度と序盤の動きに寄与しているだけでなく、《
キキジキの鏡像》のコピー先としても優秀です。
除去や手札破壊で相手のリソースを削った後は、
プレインズウォーカー達でさらにアドバンテージを稼いで行きます
。
《
目覚めた猛火、チャンドラ》は、
ゲームが長引く青系コントロールなどに「打ち消されない」
能力が強いです。
しかし土地24のデッキで6マナの捻出が難しく、余った土地は《
鏡割りの寓話》や血トークンで捨てることが多いため、あまり戦場に出てくれません。
ここは2枚目の《
不笑のソリン》だったり、マナ域が可変である《
嘘の神、ヴァルキー》なども候補になりそうです。
赤白英雄的
自分の唱える呪文の対象になったときに+1/+
1カウンターが乗る、「英雄的」能力。
実質《
第10管区の軍団兵》は英雄的能力で、《
照光の巨匠》
は謀議で自身を強化して行きます。
これらのクリーチャーを1マナ呪文で強化して行くデッキです。
クリーチャーを強化する呪文で最適なのが《
祖先の怒り》で、
2枚目以降は修正値も上がり、
トランプルも付与するのでダメージが貫通します。
二段攻撃を持つ《
照光の巨匠》との相性が最高!
《
農家の勇気》はフラッシュバック込みで2回分の強化。
《
無謀な怒り》は、
自身のクリーチャーを対象に取るので各クリーチャーの能力を誘発
させながら4点除去。4点除去は《
氷の中の存在》や1回育った《
帳簿裂き》を除去できる、このデッキならではの万能除去。細かいアクションを起こす赤白英雄的は特に《
帳簿裂き》
が苦手なので真っ先に除去したいです。
これらの1マナ呪文を《
戦慄衆の秘儀術師》で再利用。
タフネス3なので自然と《
無謀な怒り》
を使えるのも噛み合っています。
ラクドスミッドレンジなど、
除去が多いデッキに対しては長期戦に強い《
スカルドの決戦》
をサイドインします。
また、デッキがすべてシングルシンボルなので《
湧き出る源、
ジェガンサ》が相棒になっています。現在のメタゲームで、
相手が相棒でジェガンサを公開したら、
赤白英雄的かラクドスサクリファイス、
もしくはジャンドフードあたりと予想して初手キープを考えた方
が良いです。
青単スピリット
スピリットを中心とした、青単のクロックパーミッションです。
基本的にはマナを立ててエンドして、
相手の行動に合わせて打ち消したり、
瞬速を持つクリーチャーを展開します。《
隆盛するスピリット》
はマナを構える動きにピッタリ。
《
鎖霊》は相手のクリーチャーを止め、《
至高の幻影》
は自軍全体を強化して行きます。
こういったデッキタイプは異なる複数のインスタントアクションで、
相手に裏目を作らせることを狙いとしています。僕も得意なデッキです。
相手が除去を撃ってきたら《
とんずら》《
鎖鳴らし》で回避して、
呪文には《
霊灯の罠》で打ち消し、厄介なパーマネントには《
厚かましい借り手》でバウンス。
インスタントが全て噛み合ってハマった時は万能感すら感じます。
しかし青単があるがゆえに「確定除去がない」「
クリーチャーのタフネスが低く除去されやすい」
といった弱点も併せ持っており、決して万能ではありません。
青単スピリットと対峙するときは、《
鎖鳴らし》
をケアしてメインで除去を使ったり、
相手が打ち消しを構えているときはインスタントで相手のターンに
動くなどのプレイが大切です。ゲームの履歴から、
手札を予想して行きましょう。
《
不詳の安息地》は実はスピリットかつ警戒持ちなので、
攻撃しながら《
鎖霊》の能力で相手をタップする動きが出来ます。
《
至高の幻影》で5/4になると更に強い!
ロータスコンボ
《
睡蓮の原野》を中心にしたコンボデッキです。《
演劇の舞台》
で《
睡蓮の原野》をコピーすることにより、
土地2枚で6マナを生成できるようになります。
この2枚を揃えないとデッキが動き出さないので、《
森の占術》
も4枚フル採用。
土地2枚で6マナを生成できるようになった後は、
土地をアンタップするカードでマナ加速しながら、
ドローを進めていきます。
《
見えざる糸》なら4マナ増えて、《
熟読》《
砂時計の侍臣》
は1マナ増えます。マナを大量に生み出した後は、《
出現の根本原理》に繋げます。
《
出現の根本原理》で持ってくるのは主に《
全知》《
来世の警告》
《
熟読》の3つ。
《
全知》《
来世の警告》
と選ばれるとマナコスト無視でデッキから3つ唱えられるので勝ち
確定で、相手としては選べません。相手視点では《
熟読》
を3ドローのランダム性に賭けて選ぶしかなく、その上で《
全知》《
来世の警告》のどちらかを選ぶことになります。
《
全知》を選ばれると手札のドローや《
バーラ・ゲドの復活》
が0マナになって繋がりますし、《
来世の警告》なら、
マナ加速から更に2回目の《
出現の根本原理》
に繋げたりも可能です。
マナ加速とドローを繰り返し、最終的には、《
願いのフェイ》
からサイドボードの《
副陽の接近》をサーチして、
これを2回プレイすることで勝利します。
《
溺神の信奉者、リーア》は墓地から《
見えざる糸》《
熟読》
を撃てるようになるので、
手札に引いたときでもコンボの補助となり、
呪文を打ち消されなくする能力も強い!墓地次第では、《
出現の根本原理》で持ってくる候補にもなります。
メインは、中速デッキに対して特に勝率の良いロータスコンボ。
しかしサイド後は《
睡蓮の原野》を無効化する《
減衰球》や《
高山の月》、複数の呪文を唱えられなくする《
エメリアのアルコン》などを苦手としています。
ただロータス側も『神河;輝ける世界』で獲得した《
耐え抜くもの、母聖樹》
で耐性が上がっています。《
森の占術》
でサーチできる破壊手段なので、
メインのスロットを圧迫せずに対処できるのが偉い!
緑単信心
《
ラノワールのエルフ》《
エルフの神秘家》
と2種類のマナクリーチャーからマナ加速して、
プレインズウォーカー2種に繋げて行くデッキです。
《
老樹林のトロール》はサイズが頼もしく、
除去されてもマナ加速。《
茨の騎兵》は、キーカードの《
ニクスの祭殿、ニクソス》を探します。
《
老樹林のトロール》《
茨の騎兵》はいずれもトリプルシンボルなので、これらが揃えば《
ニクスの祭殿、ニクソス》は大量のマナを生み出します。
《
ビヒモスを招く者、キオーラ》は《
老樹林のトロール》《
茨の騎兵》が出た時に1ドローして、《
ニクスの祭殿、ニクソス》
をアンタップすることで更にマナ加速!
そこから、デッキの中心といえる《
大いなる創造者、カーン》
で状況に合わせたアーティファクトをサイドボードからサーチしま
す。
《
老樹林のトロール》《
茨の騎兵》《
ニクスの祭殿、ニクソス》
はパーマネントが増えるほど、生み出すマナが膨大になるので、
これらとプレインズウォーカー2種を探すために《
収穫祭の襲撃》
も4枚フル採用!
なぜ《
死に至る大釜》が入っているか、
初見では理解しにくいと思いますが、
実はこれは無限コンボのパーツです。
場に《
ビヒモスを招く者、キオーラ》《
大いなる創造者、カーン》
と、《
ニクスの祭殿、ニクソス》で十分な緑の信心があり、
墓地にも《
ビヒモスを招く者、キオーラ》《
大いなる創造者、カーン》がある状況で、
1.まず、カーンの「-2」能力で《
死に至る大釜》をサーチ。
2.キオーラの「-1」能力でニクソスをアンタップして、
大量マナ。
3.《
死に至る大釜》を裏面の《
修復の噴出》としてプレイして、
墓地のカーンとキオーラを回収。
4.カーンを再度プレイ。《
修復の噴出》
が追放されてゲーム外領域にあるので、再び《
死に至る大釜》
をサーチ出来て、①に戻る。
5.1から4の過程で無限マナと無限ライフゲインが発生。
最終的に、カーンの「-2」で《
ゴルガリのロケット》
をサーチして黒マナを出し、《
死に至る大釜》を表面でプレイ。
無限ライフを得ているので、
起動型能力で相手のライブラリーを0枚にして勝利!
無限コンボには大量のマナとカードを必要とします。ですが、
コンボが決まらない時でも、《
大いなる創造者、カーン》は「-2」
で状況に合わせたアーティファクトをサーチできるのも強み。
《
領事の旗艦、スカイソブリン》
は盤面で戦うラクドスミッドレンジのようなデッキに強く、《
王神の立像》
は軽いドロー呪文を連打するイゼットフェニックスに効き、《
減衰球》はロータスコンボを阻害。
《
キランの真意号》で4/4飛行警戒で攻防両方をこなします。更にこのカードはプレインズウォーカーの忠誠度で搭乗できるので、カーンやキオーラを自ら墓地に落とせます。先ほど紹介した《
修復の噴出》コンボは、カーンとキオーラを墓地から回収するため、それぞれ2枚ずつ本来は必要なのですが、《
キランの真意号》があればカーンとキオーラを1枚ずつ引くだけで無限が成立します。
土地が少ない時は《
ダークスティールの城塞》で土地を伸ばすことも可能で、コンボやユーティリティカードのサーチ、更には事故防止と、非常に柔軟な対応ができるのがカーンの強さです。
おわりに
現在パイオニアで有力なデッキを紹介していきました。
どのデッキを使う上でも、
今回紹介した5種類の存在を意識してサイドボードを決めて行きた
い所。
パイオニアは、モダンやレガシーで禁止されている《
宝船の巡航》
《
時を越えた探索》を使えるフォーマットでもあります!
禁止されているということは、
それだけ強いカードである証でもあるので、
この2つを上手く使ったデッキも試してみて下さい。
それではまた。