先日は晴れる屋さんで
第21期レガシー神挑戦者決定戦が行われま
した。
僕は予定が合わなかったため大会は不参加でしたが、
観戦していて見ごたえがあり、
インスタントの応酬などレガシーの面白さを感じる試合が多かった
です。
今回はそのトップ8デッキを紹介していきます。
トップ8デッキリスト目次
▪️4色コントロール
▪️白単イニシアチブ
▪️ANT
▪️イゼットデルバー
▪️おわりに
4色コントロール
2022年9月にも、《
時を超えた英雄、ミンスクとブー》
を中心にした4色コントロールを記事で紹介しましたので、
そちらも参考にして下さい。
記事はコチラ《
時を超えた英雄、ミンスクとブー》は4/
4速攻トランプルで攻めも守りも備えており、「-2」
で4点火力+4枚ドローすれば大きく有利になるので、
実質1ターン守れば勝ちの超強力なプレインズウォーカーです!
各種の白除去で序盤を凌ぎ、《
時を超えた英雄、ミンスクとブー》
の定着を目指す4色コントロールデッキが優勝しました。
《
剣を鍬に》はサイズ関係なく追放できる、
マジック史上でも最も強力な1マナ除去。
《
虹色の終焉》
は相手の1マナクリーチャーを1マナで除去しつつ、
クリーチャー以外の《
虚空の杯》《
花の絨毯》
といった厄介なパーマネントにも簡単に対処できます。
軽いクリーチャーを連打するデッキには、全体除去の《
終末》
がよく効き、デッキの一番下に戻す効果なので、
プロテクションや破壊不能、
呪禁といった除去耐性を全て無視できるのが強みです。
1回墓地に落ちれば、《
神秘の聖域》
でデッキトップに戻すことにより、再び「奇跡」できます。
《
もみ消し》の採用が特徴的なリストです。
《
もみ消し》
は相手のフェッチランドの起動を打ち消して序盤を出遅れさせたり
、相手の《
不毛の大地》
起動を打ち消して自分の土地を守る役割があります。特に
このデッキはデュアルランド全開なので、相手の《
不毛の大地》
から色マナを守るのに《
もみ消し》が役立ちます。
とはいえ、これまで《
もみ消し》はあまりこういったコントロールデッキでは使われていませんでした。今回の《
もみ消し》採用理由として、
イニシアチブデッキの台頭が考えられます。
《
魂の洞窟》
を経由されるとイニシアチブを持つクリーチャーを打ち消すことが
出来ず、
4色コントロールはクリーチャーが少ないのでイニシアチブを奪うことが少し困難です。
そこで
「戦場に出た時、イニシアチブを得る」
誘発型能力を打ち消せるのが《
もみ消し》です。
《
激しい叱責》も同様で、
能力を失わせることによりイニシアチブ獲得を防ぎます。《
激しい叱責》は、《
濁浪の執政》
プレイにスタックで出すことで3/3にしたり、《
ウルザの物語》
から出る構築物トークンを0/0にする役割もあります。
そして《
もみ消し》《
激しい叱責》に共通して言えるのが、《
自然の怒りのタイタン、ウーロ》を早いターンに出せるという事!
例えば3ターン目に《
自然の怒りのタイタン、ウーロ》
をプレイして、誘発型能力で3ゲイン1ドローして土地を置き、
ウーロの「戦場に出たとき、これが脱出していないかぎり、
これを生け贄に捧げる」の誘発型能力を《
もみ消し》
で打ち消すことにより、ウーロが戦場に残ります!
《
激しい叱責》の場合は、
相手の2ターン目のターン終了ステップに出すことで次の自分のタ
ーンまで《
激しい叱責》が残るので、3ターン目に《
自然の怒りのタイタン、ウーロ》をプレイして、「戦場に出たとき、これが脱出していないかぎり、
これを生け贄に捧げる」の誘発型能力も失っているので、
これまたウーロが戦場に残ります!(能力をすべて失っているので3ゲイン1ドローと土地セットは出来
ませんが)
3ターン目に出たウーロはそのままゲームに勝つ性能があります。
《
もみ消し》《
激しい叱責》は相手への妨害でもありながら、
自分のウーロを早く出すためのコンボパーツでもあり便利!
デッキを80枚にして《
空を放浪するもの、ヨーリオン》
を相棒に指定しています。
ヨーリオンの能力で明滅して嬉しいパーマネントは《
忍耐》や、
忠誠度の減った《
時を超えた英雄、ミンスクとブー》くらいで、
あとは戦場に出た時効果を発揮するカードが少ないので、
奇妙に思えるかも知れません。
しかし、ヨーリオンは明滅を除いても相棒指定をする価値があります。
まずは青いカードであることで《
意志の力》《
否定の力》の代用コストになります。
次に、デッキが80枚なため60枚デッキよりも多くの土地を入れることができ、《
神秘の聖域》を3枚と多めに採用できるのです。これが60枚デッキだと、フェッチランド+デュアルランドの色マナバランスから《
神秘の聖域》
を多くは入れにくい。
3つ目のメリットとしては、
ゲーム外からフィニッシャーを持ってこれること。《
自然の怒りのタイタン、ウーロ》
を使うデッキに共通して言えるのですが、相手がサイドインした《
外科的摘出》で《
自然の怒りのタイタン、ウーロ》
を追放されると勝ち手段が少なくなります。
ヨーリオンはサイド後のフィニッシャー不足を補ってくれます。
サイドボードに目を向けると、
イゼットデルバーを大きく意識したカード選択になっています。
《
花の絨毯》は一度場に出れば毎ターン好きなマナを供給して、《
目くらまし》《
呪文貫き》
といったマナ要求カウンターの圏外になりつつ、
行動回数を増やします。
イゼットデルバーに最も効くサイドカードです。
《
紅蓮破》《
赤霊破》は《
表現の反復》《
濁浪の執政》
といったゲームの中心になるカードを1マナで対処。
1マナで打ち消す《
紅蓮破》《
赤霊破》が存在するからこそ、
サイド後のゲームでは《
意志の力》が弱く、
青のフェアデッキ対決では《
意志の力》
をサイドアウトすることが多いです。
《
紅蓮破》《
赤霊破》が強いからこそ、
それを打ち消す役割として《
水流破》も脚光を浴びています。
デュアルランド全開のデッキは《
血染めの月》
を苦手としているので、《
冠雪の島》があれば《
血染めの月》
を破壊できる《
水流破》は追加する候補になりそうです。
それと前述の通り、《
自然の怒りのタイタン、ウーロ》
を使うデッキは、相手から《
外科的摘出》
をサイドインされる場合が多いです。《
紅蓮破》《
水流破》が《
外科的摘出》される可能性を考えると、《
赤霊破》《
青霊破》
と散らしても良さそうです。
白単イニシアチブ
先月にも、
白単イニシアチブを記事で紹介しましたので、
そちらも参考にして下さい。
記事はコチラ イニシアチブは「秘密の入り口」→「鍛冶場」→「罠だ!」で+
1/+1カウンターを2個からの本体5点で、
打点が非常に高いです。
なおかつクリーチャーを除去されても「地下墓地」の宝物→「
死せる三者の玉座」での4/
1威迫のスケルトントークンとアドバンテージを獲得するので、
攻撃してイニシアチブを奪う方法以外では対処が難しいです。
《
金属モックス》《
水蓮の花びら》《
古えの墳墓》《
裏切り者の都》
のマナ加速から早いターンにイニシアチブを取得して、
その打点とアドバンテージで高速で攻めるのが白単イニシアチブで
す。
レガシーはイゼットデルバーを中心に、《
渦まく知識》《
思案》
など1マナのカードを中心にしたデッキが多いです。
それら1マナを無効化する《
虚空の杯》X=
1はレガシーの挨拶とも言える動きで、《
古えの墳墓》《
裏切り者の都》
から1ターン目にプレイして相手の行動を制限します。
白単イニシアチブの流行と共に、サイドボードにプロテクション(
白)のクリーチャーを入れたデッキが増えてきました。《
歩行バリスタ》はプロテクション(白)を除去しつつ、
無色マナの受け先として便利な枠です。
《
永久のドラゴン》はサイクリングで《平地》
を確保するとともに、
永遠で出した場合は黒のクリーチャーなので、
これまたプロテクション(白)に対抗出来ます。
序盤の1-2ターンで仕掛けてくるコンボデッキに対して、
メインは《
虚空の杯》《
スレイベンの守護者、サリア》《
精鋭呪文縛り》を早く出せるかが焦点で、
出せないとゲームを落としやすいです。
このデッキリストはリアニメイトを強く意識しており、《
フェアリーの忌み者》がサイドボードに3枚採用。自身が《
虚空の杯》を使う関係で、《
外科的摘出》よりも《
フェアリーの忌み者》が優先されています。
《
難題の予見者》
はコンボやコントロールにサイドインする手札破壊クリーチャーで
、マナ加速から2ターン目に出して攻めていきます。
《
赦免のアルコン》
は白単イニシアチブのミラーマッチを意識していますね。
攻撃するときのマナ要求も地味に強い。
《
仕組まれた爆薬》は白単色なのでX=0やX=
1想定のカードで、主にエルフ対策。エルフは《
アロサウルス飼い》の能力により、《
虚空の杯》X=
1を乗り越えてくるので、その横並び対策です。
ANT
《
むかつき》の英語名「Ad Nauseam」と、フィニッシュ手段である《
苦悶の触手》の「
Tendrils of Agony」の頭文字を取って、「ANT」。
レガシーで根強い人気を持つ、ストームコンボデッキです。
《
暗黒の儀式》《
陰謀団の儀式》でのマナ加速から、《
冥府の教示者》や《
願い爪のタリスマン》でのサーチを経由して《
むかつき》をプレイ。デッキ内のマナ総量が全体的に低いので、
ライフさえあれば10枚から15枚ほど手札に加えられます。
その後は再度マナ加速して、ストーム数10を超える《
苦悶の触手》を撃ち込んで勝利します。
最近の大きなアップデートとして、『Unfinity』の《
Pair o’ Dice Lost》が採用されるようになりました。
「2個の6面体サイコロを振る。
あなたの墓地にある望む数のカードをマナ総量の合計がX以下にな
るように選んであなたの手札に戻す。
Xはそれらの出目の合計に等しい。これを追放する。」
という効果で、サイコロの期待値は7なので、
平均してマナ総量の合計が7以下を墓地から回収出来ます。
注目すべきは、0マナのカードは何枚回収しても0なので、
墓地の0マナのカードは全て戻せるという点!
これにより使い終わった《
水蓮の花びら》《
ライオンの瞳のダイアモンド》で再びマナ加速出来ます。
もしサイコロの出目が1と1で合計2以下しか回収できないとして
も、《
ライオンの瞳のダイアモンド》2枚と《
冥府の教示者》
1枚があれば、コンボを続けて次のサーチまで行けます!
この《
Pair o’ Dice Lost》が出たことにより、
最近のANTは緑入りが流行しており、このリストは《
不毛の大地》されたくないという考えから《
森》
も採用されています!
メインの《
夏の帳》で相手の打ち消しを防いだり、サイド後の《
花の絨毯》でイゼットデルバーに勝率を上げる狙いからも、
今後は《
森》を採用したANTが一般的になって行く可能性あり!
残念なことに、マジックオンラインでは《
Pair o’ Dice Lost》が未実装なので試すことが出来ません。
そのためデッキ画像にも《
Pair o’ Dice Lost》が含まれていません。
他にリストの特徴的な箇所は、メインの《
激しい叱責》です。
ANTは相手から《
スレイベンの守護者、サリア》《
エーテル宣誓会の法学者》《
翻弄する魔道士》
などヘイトベアーを出される事が多いので、
それらをまとめて能力を失わせる事でコンボを決めに行きます。
1ドローがついているので無駄になりにくく、
メインからヘイトベアーを触れるのが長所。
面白いのはサイドボードの《
壊滅的大潮》で、例えば《
虚空の杯》
《
三なる宝球》《
虚空の力線》
など対策パーマネントをたくさん並べられた場合にも、
奇跡で2マナ全体バウンスして逆転できる可能性があります。
イゼットデルバー
上位入賞率が非常に高く、
依然としてレガシーのトップメタと言えるイゼットデルバー。
その中から、7位のリストが好みだったので紹介していきます。
最近は《
ミシュラのガラクタ》の採用枚数が3-
4枚と増加傾向にあります。
相手のターン終了時に自分のライブラリートップを《
ミシュラのガラクタ》で確認した後、
アップキープのドロー誘発と《
秘密を掘り下げる者》
の誘発を好きな順番でスタックに積めるので、インスタント・
ソーサリーだった場合はガラクタドローの前に公開、
インスタント・
ソーサリーでなかった場合はガラクタドローをしてから《
秘密を掘り下げる者》の誘発チェックと、《
秘密を掘り下げる者》
の変身する確率を上げることが出来ます。
それに加えて《
ドラゴンの怒りの媒介者》や《
邪悪な熱気》
の昂揚達成を早めて、《
濁浪の執政》
の探査のための墓地肥やしと、デッキに非常に合っているので、《
ミシュラのガラクタ》増加は納得!
《
厚かましい借り手》は相手の巨大な《
濁浪の執政》や、
白単イニシアチブの「鍛冶場」で+1/+
1カウンターの乗ったクリーチャーを戻して、イニシアチブを取りにいけるなど便利な場面が多く、
2枚採用も増えてきました。
《
相殺》はイゼットデルバーや4色コントロールなど、
1マナのドロー呪文や《
紅蓮破》
を多く使うデッキに対して良く効くサイドカードで、
最近ではメインに採用する人もいるほどです。
しかし白単イニシアチブが一定数居て、
マナ域の重い白単イニシアチブに《
相殺》は効きにくく、
メインでは無駄カードになるリスクがあるので、
サイドボード寄りのカードかなと思います。
《
夢を引き裂く者、アショク》
は相手のフェッチランドのサーチを防ぎながら、《
自然の怒りのタイタン、ウーロ》を墓地対策。
4色コントロールやリアニメイトに効くカードですが、
イゼットデルバーにとって3マナは重いので採用しても1枚程度で
、《
外科的摘出》《
魂標ランタン》
などの軽い墓地対策は別途あった方が良いです。
《
激情》はイニシアチブやエルフ対策。
全体除去とアーティファクト破壊を兼ねた《
兄弟仲の終焉》
はレガシーでも注目されていました。
しかし2マナと3マナの違いはイゼットデルバーにとって大きく、
《
虚空の杯》を破壊することを考えると、3マナの《
兄弟仲の終焉》
よりも《
溶融》の方が強い場合もあり、
どちらを選ぶか悩みどころ。
イゼットデルバーは行動回数の多さが強みなので、
僕としてはより軽さを重視した構成の方が良いという印象を受けて
います。
おわりに
キューブドラフトなどで遊んでいると実感しますが、《
時を超えた英雄、ミンスクとブー》
は攻めと守りとドローを兼ね揃えた、
歴代最強プレインズウォーカーかも知れません。
正直《王冠泥棒、オーコ》と同等かそれ以上で、《
紅蓮破》
されないことがメリットにも感じます。出たターンに4/
4速攻で他のプレインズウォーカーにも強い!
僕もしばらくは、レガシーで《
時を超えた英雄、ミンスクとブー》
デッキを試していきます!
それではまた。