皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
4月中旬より店舗予選の新シーズンが
モダンにて開催されていますね!
3月末での禁止改訂、そして『タルキール:龍嵐録』によりモダンはどう変わったのか。
今のメタゲームの動向をチェックしつつ、注目のデッキリストをご紹介していきたいと思います。
目次
▪️★Magic Onlineでの動向
▪️★注目デッキ紹介
▪️終わりに
★Magic Onlineでの動向
禁止改定から先週末までのMO大型大会での
結果をまとめてくれたポストがありましたので、まずはこちらを見ていきましょう。
メタゲーム分布
ボロスエネルギー:19%
エルドラージランプ:8.2%
ディミーアマークタイド:7.7%
ルビーストーム:5.5%
アミュレットタイタン:5.0%
ベルチャー:4.5%
その他
《死の国からの脱出》禁止後、順当にボロスエネルギーが環境のトップに返り咲いています。
データを見る限りはエルドラージ・アミュレット・ベルチャーには苦戦を強いられているようですが、どのデッキも粉砕できるブン回りとデッキパワーを兼ね備えているためこのデッキを使い続けることに裏目は少なそうです。
後述しますが、比較的フリースロットが多いデッキでもあるので、
『タルキール:龍嵐録』のカードを含めメタゲームに合わせた微調整がしやすいのもボロスエネルギーの強みでもあります。
二番手はエルドラージ。ブリーチコンボがいなくなったことにより、ほぼ専用カードだった=デッキに合ってるとは言い難かった
《大いなる創造者、カーン》を抜いたリストも散見されるようになりました。
エネルギー・ディミーアといった上位デッキには強いものの、見た目通りコンボデッキ全般に弱いのが二番手に甘んじている主な原因です。この弱点をもう少し改善できると、一気に跳ねそうですね。
三番手はディミーアマークタイド。一時期流行った
《忌まわしき眼魔》+
《思考掃き》《発掘》型ではなく、
最近では《知りたがりの学徒、タミヨウ》や《悪夢滅ぼし、魁渡》、《思考囲い》が入った形が主流となっています。データをチェックしてみると、上記2つ=エネルギー・エルドラージのどちらにも相性が良くないものの、
四番手以下であるコンボデッキに対して無類の強さを誇るスネ夫的ポジションのデッキであることが明確になっています。
トーナメントで使うのであれば、エネルギーやエルドラージにしっかりと勝てる/自信の持てるプランを立ててから臨みましょう。
そしてトップメタほど数は多くないものの、
高勝率を叩き出しているのがアミュレットとベルチャー。どちらもブリーチコンボ=自分より早い&安定していたコンボがいなくなり、相対的にポジションを上げています。
特にベルチャーはマトリクス上非常に優れたデータを示しており、
実際に日本国内でのスペシャル予選での突破率も高い(
※)ので、今最も優れたデッキの一つのように見えます。
ブリーチコンボの退場により
《石のような静寂》を始めとしたヘイトカードの枚数が減っているのも追い風でしょう。
※参考:プロレイジーさんのポスト★注目デッキ紹介
◎ボロスエネルギー
『モダンホライゾン3』発売以降、
《有翼の叡智、ナドゥ》、
《死の国からの脱出》と自分より早くて強いコンボデッキが順々に禁止になっています。エネルギー自身も
《一つの指輪》《色めき立つ猛竜》そ失ったものの、
《魂の導き手》《オセロットの群れ》《火の怒りのタイタン、フレージ》といった主軸が禁止になっていないため、モダンの上位デッキとして君臨し続けているのです。《魂の導き手》《オセロットの群れ》《敏捷なこそ泥、ラガバン》《ナカティルの最下層民、アジャニ》《火の怒りのタイタン、フレージ》《電気放出》《ゴブリンの砲撃》など30枚近くは固定スロットですが、
逆に言うとある程度はフリースロットが存在しているのがこのデッキ。そのフリースロットで様々な3マナ域が採用されたり、
《溌剌の牧羊犬、フィリア》のような2マナクリーチャーが使われてきましたが、その枠の一角として『タルキール:龍嵐録』のカードも試されています。
2マナクリーチャーの枠で試されているのが
《勝利の楽士》。
単体のスペックもさることながら、「応召」でのトークン生成は
《魂の導き手》《オセロットの群れ》と相性が良く、トークンの色が赤いため
《ナカティルの報復者、アジャニ》とも相性バツグン。もちろん
《ゴブリンの砲撃》とは言わずもがな、ということで試しているプレイヤーも多いようです。
コンボデッキが使うほどは常在型能力が活きませんが、「疾駆」した
《敏捷なこそ泥、ラガバン》を
《オークの弓使い》から守ってくれたり、はたまた
《火の怒りのタイタン、フレージ》の「脱出」を
《緻密》から防いでくれたりと、
実感しづらいかもしれませんが確実に助力となってくれるでしょう。スタンダードだけでなくパイオニア、モダン、レガシーと様々なフォーマットで活躍中の《コーリ鋼の短刀》。カードパワーが異常に高いので、細かいアクションを連打できるこのボロスエネルギーでも4枚使ったリストが注目を集めています。
継続的な打点としても運用しやすく、
パーマネントが複数出せるため《オセロットの群れ》の「昇殿」も達成しやすくなります。基本的には「2+1」の運用になるので3マナ域である
《歴戦の紅蓮術士》《鏡割りの寓話》との比較になりますが、今回紹介したリストではそれらの枚数を合計3枚まで抑えて、
《コーリ鋼の短刀》を4枚投入とかなりフィーチャーした形になっています。
《火の怒りのタイタン、フレージ》との相性から、これまでは
《歴戦の紅蓮術士》《鏡割りの寓話》が主に採用されていましたが、
今後はこの《コーリ鋼の短刀》型が主流となるのでしょうか?他にも、今回のリストのようにアグレッシブな選択肢として3マナ域に
《光砕く者、テルサ》を採用していたりと、まだまだ研究の余地があるボロスエネルギー。最終的にどんなバランスで落ち着くのか気になるところです。
◎イゼット果敢
こちらも
《コーリ鋼の短刀》デッキ。スタンダードでもイゼット果敢が活躍していますが、その
アッパーバージョンになります。
スタンダードとモダンの違いは、なんといってもスペルの軽さ。《ミシュラのガラクタ》だけでなく
《溶岩の投げ矢》(
フラッシュバックが0マナ)、
《変異原性の成長》(
Φマナで払えば0マナ)と徹底的に低コストに抑えていますので、2ターン目にトークンを出せるのはもちろんのこと、3ターン目以降には相手のターンにも誘発させることすら容易です。
キャントリップを連打していると土地だらけになってしまうのがマジックの常ですが、そこを逓減してくれるのが毎度おなじみ
《ドラゴンの怒りの媒介者》。
そしてイゼットマークタイドの凋落によりあまり見なくなっていましたが、
《表現の反復》の強さは折り紙付き。
《食糧補充》よりも《表現の反復》のほうが軽くて強い!普段モダンをプレイしている方はもちろん、スタンダードでイゼット果敢をプレイしている方でしたらすぐ馴染むと思いますので、是非試してほしい爽快感のあるデッキです。
◎エルドラージトロン
エルドラージといえばエルドラージランプが主流ですが、今回はより
《嵐の目、ウギン》にフィーチャーした、こちらのエルドラージトロンをご紹介。
7マナといえばやはり《ウルザの塔》《ウルザの魔力炉》《ウルザの鉱山》からの3ターン目着地が華!!近年の高速化により見かけることは減っていましたが、ブリーチコンボの退場と
《嵐の目、ウギン》の登場により、またこの流れが見られるようになって個人的に嬉しい限りです。
このリストでは、さらに
《三なる宝球》を4枚採用することにより、
《嵐の目、ウギン》の「0」能力からキレイな流れを実現しています。2枚パーマネントを除去しつつ、
《三なる宝球》で蓋。流れも美しいですし、
トロン系統が苦手としているコンボデッキにメインから対策できる点も良いですね。
《嵐の目、ウギン》は常在型能力をいかに誘発させるかが肝となるので、
《コジレックの命令》のようなドローしつつマナを生み出すカードや、
《歪める嘆き》のような細かいアクションができるカードは重宝されます。
着地したターンに「0」から複数アクションをして、一気に盤面を制圧しましょう!終わりに
ということで、今回の記事ではモダンのメタゲームの動向と、『タルキール:龍嵐録』の新カードを採用したデッキたちをご紹介しました。
特に新カードを採用したデッキたちはまだ粗い部分も多いので、ぜひ色々試してみてほしいなと思います。
・Champions Cup(BIG MAGIC様)今シーズンから予選システムが変わったことにより、
スペシャル予選以外の店舗予選は1人抜けになりました。
経験上1人抜け=優勝縛りというのはどれだけ実力があっても結構難しい/運が絡むと思いますので、
挑戦する人たちは一回一回の結果に悲観しすぎず、楽しくチャレンジし続けてほしいなと思います。それでは今回はここまで。
また次回の記事でお会いしましょう!