皆さんこんにちは。
Rush Prosの井川です。
1年間の集大成であり、最も権威とバリューがある大会である
世界選手権に参加してきました!
参加できるだけでも光栄なこのイベント、普段のプロツアーとは様々な面で別格です。
・参加資格を有するのは選ばれし強者のみ。プロツアーの半分以下の126名。
・優勝賞金は通常のプロツアーの倍、100,000ドル。日本円にしておよそ1500万円!
・負けたとしても、参加するだけでペイ。通常のプロツアーは500ドルですが、世界選手権では最低でも4,000ドルが獲得できます。
僕は今シーズンの成績は大した事ない=ワールドのラインに乗っていませんが、
昨年度ワールドトップ8により今回の参加権利を有していました。
来年の権利ももちろん確定していません。
この大会に毎年出場しているプレイヤー、本当に尊敬します。ということで今回の記事では、ワールドの調整過程と簡易レポートをお届けしたいと思います。
目次
▪️★調整メンバーについて
▪️★スタンダードの調整過程とチーム内の選択
▪️★使用したリストの解説
▪️★ドラフトについて
▪️★本戦の結果
▪️★終わりに
★調整メンバーについて
今シーズンでトップ8入賞をした
原根、行弘。年間を通して好成績を残し、AMP(累積ポイント)により権利を獲得した
森山、中村、井上、増門。チャンピオンズカップファイナルで優勝した
小笠原。ここまでが既存メンバーです。
そして前回のプロツアー『久遠の終端』で見事トップ8入賞の
堀内が今回初参加。
上記8名に僕を足した計9名が今回の森山ジャパンのメンバーでした。
★スタンダードの調整過程とチーム内の選択
皆さんご存知、《迷える黒魔道士、ビビ》と《プロフトの映像記憶》の禁止。
さらに新エキスパンション『アバター 伝説の少年アン』が非常に強力だったこともあり、スタンダード環境は激変!MTGアリーナでの解禁から出発日までは1週間しかないこともあり、メンバー全員で様々なデッキを手分けして調整していきました。
シミックウロボロイド
発売当初から最も話題になったのはこのデッキ。
「イゼット大釜」当時のスタンダードからメタの上位デッキであり、そこに圧倒的なパワーカードである
《アナグマモグラの仔》が入ったことにより、一気にトップメタに躍り出ました。
ですが
どこまで行っても愚直なアグロ。同じ
《アナグマモグラの仔》デッキとしては後述するバント気の技コンボに対して相性が悪く、さらには環境のあらゆるデッキが全体除去をサイドボードに搭載したこともあり、どんどんとポジションは悪くなっていきました。
チーム内では、このデッキに惚れ込み早々にロックしていた森山のみが選択。バント気の技コンボ
最速3キルの無限コンボを搭載した新機軸のデッキ。
除去がない相手=シミックウロボロイドには滅法強く、瞬速を活かしたアクションによりクロック・パーミッション風に振る舞って戦うことも可能です。
有名配信者がミシック1位になったこともあり話題沸騰。チーム内でも行弘を筆頭に熱心に調整が進められましたが、
あまりにもマナベースが脆弱でデッキが不安定なこともあり、最終的にチーム内で使うメンバーはおらず。ディミーアミッドレンジ
ライバルが次々と禁止になる中、常に生き残り続ける永遠のナンバー2。Magic Onlineでは相変わらず人気のようでしたが正直デッキパワーが足りず、
《嵐追いの才能》デッキの隆盛によりまたポジションが低下していっていました。
とはいえまだまだ上位メタの一角で、正直ワールド本番ではあんなに少ないとは思っていませんでした。
チーム内ではディミーアを使い慣れており、スポットライトシリーズでもトップ8入賞経験のある増門のみ選択。イゼットルーティング
どれだけ禁止になってもイゼットカラーは強い!ついにネイサン君こと
《精神の決闘者》も日の目を見ることになり、嬉しい限りです。
早いビートダウンを仕掛けつつも、
《嵐追いの才能》《冬夜の物語》《量子の謎かけ屋》のおかげでロングゲームも戦えるデッキです。と書けば非常に良いデッキに見えますが、
その実態は《トラアザラシ》がずっと起きなかったり、殴りたいマッチでドロー側を多く引いたりとかなりピーキーな印象。チーム内では、自作かつ前週に準優勝していたディミーアバウンスを諦めて、最後に乗り換えた堀内のみ選択。
スゥルタイリアニメイト
「イゼット大釜」=《アガサの魂の大釜》全盛期でもスポットライトシリーズのトップ8に入っていた、環境屈指の墓地利用デッキ。元々原根が手応えを感じて調整を続けていたところに、Magic Onlineで
《花粉の分析》を採用したリストを見つけたところから一気に加速。
「《アナグマモグラの仔》デッキvs《嵐追いの才能》除去デッキ」という構図に対してスケールで勝負できるということで、最終的にチームデッキとして行弘、原根、中村、小笠原の4人が選択。ジェスカイコントロール
「負けなければ勝つ」を地で行く、超古典的なコントロール。やることはシンプルで、除去して除去してアドバンテージカードを連打するだけです。詳細については、次の項で解説していきたいと思います。
チーム内では、コントロール好きな井川と井上が選択。★使用したリストの解説
ということで、今回のデッキリストはこちら。
デッキリスト
世界選手権の前に開催された
「ジャパンスタンダードカップ」で使用し、6-1からIDと好感触。そのまま調整を続け、最終的に良いバランスに仕上げられたと実感できたので使用を決めました。
普段のプロツアーであればチームデッキであるスゥルタイリアニメイトを選んでいたでしょう。それぐらいスゥルタイリアニメイトも良いデッキだと思っていましたし、ギリギリまで悩みました。
ですが今回は
失うものがない=挑戦しやすい絶好のタイミングだったので、自分の力を試す意味でもジェスカイコントロールを選択。
もちろん、勝つ自信はあった上での選択です。想定していたメタゲームに対して、しっかりプランニングを立てた上で構築できたと思っています。
(※想定したメタゲームが合っていたかどうかは後述)特徴的なのは、ドローカードの枚数の多さでしょう。《食糧補充》4・
《道の再発見》3・
《マラング川の執政》3と合計10枚ものアドバンテージソースを採用しており、
《道の体現者、シィコ》での再利用も含めればドローが途切れることは非常に稀です。
《嵐追いの才能》+
《ブーメランの基礎》や
《冬夜の物語》+
《量子の謎かけ屋》といった青いデッキの継戦能力と真っ向勝負する必要があるので、これぐらい入れる必要がありますし、実際にこれぐらいあればメインボードは物量で圧倒できます。
コントロールらしく、全てを捌き切って勝利しましょう。それまでのジェスカイコントロールの一般的なリストでは
《別行動》や
《古代魔法「アルテマ」》の使用率が高かったですが、
僕は《別行動》のガチアンチなので、《審判の日》3枚です。《別行動》は軽い&
《道の体現者、シィコ》で使い回せるは良いですが、盤面に対して完全回答にならないことが多く、
結局他のカードを必要とするのが弱いと感じています。
「土の技」やETB系、アーティファクトデッキに強い
《古代魔法「アルテマ」》、
《ルクサの体現、サブ=スネン》を対処できる
《静寂のその先へ》などと散らすことも考えましたが、タップインが多く、速度も求められる環境において4マナと5マナの差はあまりに大きく、すべて却下となりました。
《食糧補充》《道の再発見》で伸ばして
《審判の日》。これが一番安定かつ強力です。
シンプルイズベスト。《神の怒り》を信じろ。ジェスカイコントロールは元々シミックウロボロイドに対してかなり相性が良いのですが、
既存のリストでは《ルクサの体現、サブ=スネン》への対処手段がほぼ入っておらず、改善すべき点だと考えていました。そこで僕が選んだのは、メインに《お別れの突風》、そしてサイドに《悪魔祓い》の採用です。《お別れの突風》は白白が厳しいので2ターン目のプレイこそ難しいですが、「贈呈」でプレイすることにより
《永劫の好奇心》等への貴重な追放除去として、またサイズを無視できる5枚目の
《失せろ》として活躍しました。
また本来の使用用途である=「贈呈」ナシでのブリンクも悪くなく、
《道の体現者、シィコ》への除去を避けつつ能力を再利用したり、「兆候」明けのターンに構えて
《ミストムーアの大主》を除去から守ったりと大活躍。
《悪魔祓い》もパワー4以上追放だけでなく、数少ない置物対策として重宝しました。
今後はもっと枚数を増やしそうな1枚です。最強カードです。7マナと重いですが、一度これを打つだけで大抵の盤面は解決できますし、むしろコレからのカウンターパンチでリーサルまで持っていくことも多々。3枚目をサイドに採用するか結構真剣に悩みました。
あまりに強すぎるので、早いターンの諜報で見えた時や《マラング川の執政》でのディスカードは、土地が止まる可能性があっても熟考する必要があります。捌いた末のカードがなくなると結局困るので、悩んだらキープでも良いです。
それぐらいこのカードは強い!サイド後に減らすことはあっても、0枚にすることはほぼ無いです。
エンチャント版
《ポータブル・ホール》。範囲こそあまり広くないですが、基本的に2マナの妨害中心に構成されているこのデッキにとって、相手の速度に追いついたり、3ターン目に2+1の2アクションでテンポを取ったりと嬉しいことが多いです。
《嵐追いの才能》から出たカワウソ・トークンを捌くのに最適です。その後、
《マラング川の執政》や
《ジェスカイの啓示》でバウンスして使いまわしましょう。
特にサイドボード後は《道の体現者、シィコ》対策に《除霊用掃除機》を置かれることも多かったので、その対策としても有用でした。メイン2、もしくはメイン1サイド1ぐらいにしておけば良かったかなと思っています。
《勝利の楽士》はコントロール専用サイドと思われがちですが、
「《審判の日》が不要」かつ「相手がカウンターをプレイしてくる相手」に対してはサイドイン候補となります。
今回の世界選手権では、ミラーマッチ以外にも、
ディミーアミッドレンジ相手の先攻時、そしてシミックオッター相手の後手時でサイドインしました。
特にディミーアミッドレンジ相手は相手のフラッシュ/カウンター戦略を潰してくれるだけでなく、
《悪夢滅ぼし、魁渡》への牽制となるのも素晴らしいです。
《ミストムーアの大主》と一緒にサイドインしてマウントを取りましょう。
除去されるとしても2マナと2マナの交換&相手がソーサリータイミングで除去しているので、損することはありません。
墓地対策カードは厚めの4枚。メインボードで相性の悪い相手=スゥルタイリアニメイトがMagic Online上で好成績を上げていたタイミングであり、チームメイトも選ぶということで、一大勢力になることを想定していました。
蓋を開けてみればたった6名(うち4名はチームメイト)で、正直ビックリ。スゥルタイリアニメイトを考えるとドローで探したときに軽い&全部追放できる
《魂標ランタン》が一番良いので枚数を担保しつつ、種類を分けることによって相手から対策されづらくした格好です。
《除霊用掃除機》は
《嵐追いの才能》デッキやミラーマッチにもサイドインします。
特にミラーマッチでは、相手の
《奔流川の記念碑》に対して自分の墓地を減らしつつ&落ちた
《勝利の楽士》と
《ミストムーアの大主》を追放し、6マナ起動で盤面を作って勝利したゲームも。
友情コンボ。★ドラフトについて
「白最強」。これは概ね世界選手権参加者の統一見解だったでしょう。それほどコモン・アンコモン・レアとどのレアリティでもクオリティが高く、白単を組むことすら可能なほど恵まれています。
環境を代表する白の強力レアたち。白黒以外はレアにも恵まれており、卓4は当たり前。
白が強いのは当然。その上で、白ができないときにどうするかが大事になってきます。個人的に白の次に評価が高かったのが青です。コモンに
《万事お見通しの占い師》から
《巨大鯉》まで一通り戦力が揃っており、ドロー、カウンター、除去とプレイアブルが豊富。どの色のと組み合わせてもある程度形になるのが嬉しいです。
特に青黒は手応えが良く、黒が不人気=ポジションさえ取れれば2-3パック目でレアやアンコモンが流れてくることも期待できるため、積極的に参入することに決めていました。
黒は前述の通り不人気。コモンが弱いゆえに参入タイミングが難しいことがその理由ですが、その分レアは超一流の物が多く、参入さえできれば良いポジションに入れることも。
赤のコモンも黒と大差なく、除去は良いですがそれ以外はパッとしない印象です。レアが弱い分、黒よりも参入が難しいかもしれません。
個人的に赤黒と赤緑がかなりバッドカラーだと感じていることもあり、少なくともメインカラーにはしない方向。緑は多色。特に使いづらい講義系のレアから入ることが多かった印象です。とにかくカードパワーが大事になるので、
半端なカードから緑に入らないことが大事だと思っています。白緑だけは白軸で同盟者アグロになりやすいので別枠。
強力だが流れてきやすい印象。決め打ちするより、流れを見てから参入したい。
ということで、個人的には
白>>>青>>>黒>緑>赤。色の組み合わせ的には白Xか青黒、そうでないならレアスタートで緑青ベースの多色あたりがやりたいなと考えて臨みました。
余談ですが、前回の『久遠の終端』に比べると
色マナも自由、マナフラッド防止カードも多く、ストレスフリーな環境でプレイしててとても楽しかったです。
特に2色ランドは神。毎エキスパンション再録してほしいぐらいの良バランスだと思いました。
基本地形入れてる場合じゃないって。★本戦の結果
◎Day1
1stドラフト
上家が
この卓一番の強者、Deprazというポジションでスタート。
初手は
《万里の渓谷の案内人》一択。2手目で白も緑も良いカードがなかったので、黒の優秀クリーチャーである
《追跡行のアズーラ》。そして3手目で個人的に好き&指針になる
《霧の沼地の精霊守》が来たので青黒を意識。
4-5-6手目で3連続で
《火の国の技師》が取れたこともあり、そこと相性が良い2マナ域として
《初めての飛行者》や
《パク師》《見下す高手、メイ》をピックして1パック目は終了。
上が白系、下に赤や緑で協調はできているはずなので、2パック目以降に期待です。
2パック目は色の合っているカードがほとんどなく、レアも完全なゴミ。ということで歯を食いしばりながらデッキに入るカードである
《初めての飛行者》をピック。周りが強力なカードを取っているときにこういうピックを強いられると、かなり厳しいですよね。
その後
《無情な行動》が取れたり遅い順目で
《失われた日々》が来たりとポジションは良さそうなのですが、いかんせん出が悪いようです。我慢のピックを強いられます。
3-1もかなり渋いパックで
《血のベンダー、ハマ》。祈るように次のパックを見ると、
来ました!環境屈指のボムレア《ソジンの台頭》が流れてきました!!デッキがテンポデッキなのでそこまでフィットはしませんが、単純に最強です。
いつだって引きたい!その後マナカーブを整えたり軽いスペルを取って終了。
少しレアリティが低いですが、先攻を取ったときの2-3でのマウント力はかなりのもの。
後攻を捲る最強カード
《ソジンの台頭》もあり、
できれば2-1したいなというぐらいの気持ちでした。
R1 赤緑 ◯◯
R2 白緑 ×◯×
R3 白黒赤 ×◯×
R2、R3と後攻、マリガントラブル、スクリューと不運が続いて1-2。《ソジンの台頭》はR1のG2で炸裂したものの、その後は土地があるときには引かない&引いている時は土地3枚で止まるという悲しい感じでした。
それほどデッキが強い訳ではなかったので1-2もある程度納得ではありますが、世界選手権はドラフトラウンドの占める割合が高いので2-1したかったなぁというのが本心。
スタンダード
R4 ゴルガリウロボロイド ◯◯
R5 イゼットルーティング ◯◯
R6 ジェスカイコントロール ×◯
R7 バント気の技 ◯×◯
スタンダードは土付かずの3-0-1!ミラーマッチ以外はどれも想定内であり有利な相手。ただし世界選手権ともなると相手も非常に上手いので、とにかく丁寧にプレイして負け筋を潰すことに注力しました。
勝ったマッチはどれも2-0で勝っているのに残り時間が10分ぐらいしかなく、かなり体力を削られましたね。コントロールの悪い部分です。
トータル4-2-1で2日目へ。プロツアーの権利を保持している以上、狙うはトップ8のみ。2日目は6-1縛りになりました。
◎Day2
2ndドラフト
今度は白黒のアンコモン
《戦の犠牲者》と白単色の優良装備品
《グライダーの杖》の2択から後者。
そこから黒のコモン除去を流しながら
《グライダーの子どもたち》、
《ジョン・ジョンの脱走兵たち》、
《キヨシの戦士たち》といったカードをピックしていき白だけは強硬に主張。
遅い順目の
《完売》は拾っておいて2色目の目星を付けておきます。
2-1では色の合ったレアである《無私なる指揮官、ハコダ》をピック!上位レアという程ではない印象ですが、ここまでそれなりに同盟者に寄せていることもあり期待できます。
2パック目の後半で
《グライダーの杖》《グライダーの子どもたち》《慈悲深き癒し手》がまとめて流れてきた
=下家方向に白を枯らすことには成功していたと思うのですが、単純に卓に多かったのか、出が悪かったのか、色変えるキッカケになる強カードもないままマナカーブに沿ったコモンを取るだけの辛い2パック目となりました。
3-1は
《ピエン・ダオ師》から。5マナと少し重いですが、相当数の同盟者と装備品があり、
《土の王国の守護者たち》でも守れるのでかなり活躍が見込めます。
そして3-2では《黒い太陽の日》!!昨日同様、アグロ寄りのデッキなので100%うまく使えるわけではないですが、それでも調整できる
《神の怒り》は超一流です。その後はパッとしないパックが続き、昨日に続きあまりレアリティの高くない、地味なデッキが完成しました。
《グライダーの杖》2枚を生かしてうまく押し込みたいところ。1-2か2-1ぐらい予想。
R8 赤緑 ×◯×
R9 白青t赤 ◯◯
R10 青黒 ×◯×
1-2。特にR8のG3は白白が一生出ず、必殺サイドボードの《宿命の対決》を抱えたまま死亡。平地の2枚目さえ引ければ、前のターンに出された
《ランとシャオ》を含めた圧倒的軍勢を
《宿命の対決》+装備品生け贄の
《正確無比》で完全対処できるところだったので、かなり悔しい1敗となりました。
ドラフトラウンドでトータル2-4と大きく負けてしまい、
5-4-1で折り返し。無念です。トップ8の可能性は潰えてしまい意気消沈するものの、集中を切らさないように気をつけました。
スタンダード
R11 シミックオッター ◯◯
R12 イゼット講義 ◯◯
R13 ジェスカイコントロール ◯◯
R14 ディミーアミッドレンジ ×◯×
最終戦はチームメイトの増門さんに敗れてしまったものの、
3-1!ドラフト2-4、スタンダード6-1-1のトータル8-5-1。
24位で世界選手権を終えました。世界選手権を終えて
スタンダードは6-1-1と好成績!!練習の成果を出すことができて嬉しい反面、
ただ純粋に喜ぶことはできませんでした。それは僕自身、「ドラフトで負けた」→「最強形のイゼット講義に当たらなかった」から勝っただけ、というのを理解しているからです。僕は今回メタゲームを予想して、上位に強いデッキとしてジェスカイコントロールを調整・使用しました。
実際予想通りのデッキたちとマッチングし、その多くを圧倒することができました。幸運もあるとは思いますが、8ラウンドやってゲーム単位でほとんど負けておらず、事前の想定通りに戦うことができたと思っています。
大部分は合っていただのですが、
一つだけ大誤算がありました。それは
上位のイゼット講義が《美術家の才能》《忍耐の記念碑》型だったことです。
最終的にトップ8に3人、12フィニッシュを果たしたこのデッキ。存在こそ一応知ってはいましたが僕らのチーム内では全く回されておらず、
完全に意識外の存在でした。
最後数日は僕はスゥルタイとジェスカイで散々悩んでおり、
他のデッキを使う余裕がなかったです。上記のパッケージが入っていない形のイゼット講義であればジェスカイコントロールは勝てるのですが
(実際に本戦でも完勝しました)、この形に対しては
《解呪》系のカードが少なすぎて無力です。ほぼ必敗だったでしょう。
敗北ゆえの幸運。ただただツイてました。仮にドラフトで5-1や6-0しようものなら、逆にスタンダード側で負けて転がり落ちていたでしょう。これも複合フォーマットの妙ですね。
今週末のThe Last Sun 2025でジェスカイコントロールを使うのであれば、
《削剥》《縫い目破り》《悪魔祓い》といったカードをしっかりと用意したうえで、デッキのバランスを損ねないよう調整して使用したいと思います。
★終わりに
引用:MTG公式カバレージ
今回の世界選手権では、森山ジャパンから
行弘が見事トップ8に入っただけでなく、
・森山がドラフト6-0を達成
・スゥルタイリアニメイト・ジェスカイコントロール・ディミーアミッドレンジがそれぞれ好成績
・9人中7人が2日目進出。その7人全員がトップ32に入賞した
(行弘8位、増門11位、中村17位、小笠原21位、井川24位、原根27位、森山29位)
と、
チーム全体で見ても好成績な大会でした。
これもチームとして毎回しっかりと話し合い、時に議論をぶつけながらも改善を重ねてきたからこそだと思います。
チームメイトに感謝しつつ、また自分も次回以降も引き続きチームの力になれるよう、来年1回目のプロツアーに向けて準備していきたいと思います。
それでは今回の記事はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!