先週末は晴れる屋さん主催の
「THE LAST SUN 2025」に参加しました。
一年の締めくくりとなる大会で、スタンダードとレガシーをそれぞれ戦う混合フォーマットです。
以下その大会レポートです。
目次
▪️参考情報
▪️スタンダード:イゼット講義
▪️レガシー:スゥルタイテンポ
▪️大会結果
▪️おわりに
参考情報
THE LAST SUN 2025 カバレージ(晴れる屋)スタンダード:イゼット講義
アバターで収録された「講義」タイプを持つインスタント・ソーサリーを中心にしたデッキです。《ブーメランの基礎》は自分の
《嵐追いの才能》を戻す事で、カワウソの果敢を誘発させながらもう1体カワウソを生成。複数のカワウソと、
《ばあば》により序盤から攻めていきます。
除去やブーメランで相手の盤面を対処しつつ、中盤は
《積み重ねられた叡智》で3ドロー!
2マナ3ドローはマジックの歴史上でも最上級!《積み重ねられた叡智》で3ドローした後に
《嵐追いの才能》のレベル2で墓地から回収して、中盤から後半にかけリソース差を付けていきます。
序盤はカワウソと
《ばあば》、中盤は大量ドローと、どのゲームレンジでも戦える事を評価して使用しました。
そして講義呪文と合わせて、デッキの軸になっているのが《美術家の才能》と《忍耐の記念碑》です。この2つが揃うことで、クリーチャーでない呪文を唱えるたびに引いて捨てるが行われて
《忍耐の記念碑》が誘発します。
多くの場合は
1回目の誘発でドロー、2回目に宝物、3回目の3点ライフです。
《忍耐の記念碑》の誘発は各ターンに3回までですが、インスタントで相手のターンに動く事で、自分のターンと相手のターンを合わせて大量ドロー、宝物、3点ライフを繰り返します。
今回《忍耐の記念碑》は3枚に抑えました。《忍耐の記念碑》だけを引いた場合に動きが悪くなることが理由です。3マナで出すだけでは盤面に全く影響が無く、
《美術家の才能》《愛着を捨てる》など他のカードが必要になって来ます。
特に序盤は相手のクリーチャー除去などでマナを使うため、
《忍耐の記念碑》を置く暇がなく、
手札に複数《忍耐の記念碑》だけが溜まる事が敗因になると考えました。
それとは逆に《美術家の才能》は、デッキを回していく上で最優先のカードなので4枚。《美術家の才能》さえ置けていれば、どんどんドローしていけるので土地事故やマナフラッドが起きにくく、能動的に講義呪文を墓地に送れるので
《ばあば》《積み重ねられた叡智》の講義3枚達成も早くなります。
メインに
《量子の謎かけ屋》は珍しいと思います。
もともとはサイドボードだったのですが、
どんな相手にも毎回サイドインしていたのでメインに昇格。デッキ全体が軽いので手札1枚で2ドローするのが簡単。
さらに
《量子の謎かけ屋》ワープから
《美術家の才能》の組み合わせはコンボと言える動きで、
《美術家の才能》は捨ててから引くので
《量子の謎かけ屋》の「手札が1枚以下なら2ドロー」の条件を満たしやすく、
非クリーチャー呪文の連打で1ターンに6-7枚ドローすることすらあります。
単純に、
《量子の謎かけ屋》が消耗戦の後のドローとしても強いです。
《飲めば潤う!》は、メインに少しは打ち消し呪文があった方が、相手の3-4マナの呪文を唱える事に裏目を作る事ができます。
こういうマナ払え系の打ち消し呪文を入れるのが、僕の好みなのもあります。サイドボードは、イゼット系のデッキ全般に強い
《無効》と、墓地対策の
《魂標ランタン》だけは2枚確定で、あとは1枚ずつに散らしました。
どの除去や打ち消しも強い場面と弱い場面があるので、相手によって使い分けたかったからです。1枚挿しのインスタントでも、このデッキはドローが豊富で
《嵐追いの才能》の回収もあるので、意外とゲーム中にアクセスできます。
特に強かったのは《本質の散乱》で、相手の《量子の謎かけ屋》を打ち消していました。《忘却を超える速度》は珍しいですが、相手の
《悪夢滅ぼし、魁渡》を倒せる除去として採用。
《ブーメランの基礎》で戻すこともできます。
サイドボードの対コントロールや対ディミーアミッドレンジの枠なのですが、今回両方とも当たらなかったので一度も使いませんでした。
対コントロール枠として
《失せろ》されてもアドバンテージが得られるので、
《クルクの伝説》の方が少し強いかも。
レガシー:スゥルタイテンポ
スゥルタイ・テンポを使用しました。
レガシーで
《目くらまし》《不毛の大地》を使い、相手との行動回数に差を付けて勝つデッキの総称を「○○テンポ」と呼びます。
《知りたがりの学徒、タミヨウ》は青の中速デッキの中心と言える存在です。《渦まく知識》で
《老練の学匠、タミヨウ》に変身して、[-3]で状況に合わせてインスタント・ソーサリーを回収。[-7]を起動できれば20枚以上ドローするのでほぼ勝ちです。
《オークの弓使い》は、青いデッキが
《渦まく知識》《思案》を使う事が多いので、能力で相手のドロー呪文を制限するのが強み。
オークが出ていると
《渦まく知識》は3点ダメージと動員3されるので使いにくく、実質唱えるのを禁止されるような状態になります。しかし
オークは青くないデッキ相手にはそこまで強さを発揮しないので、サイドアウト候補にもなりやすいです。
《思考囲い》は相手の序盤の動きを妨害して、
特にコンボデッキに対して強いです。
《老練の学匠、タミヨウ》の[-3]から回収してもう1回
《思考囲い》を唱える動きが強く、タミヨウ裏面の定着を狙いやすいです。
ただ速攻デッキに対しては
《思考囲い》の2点のライフ喪失が痛い場面も多いので、カードの強さが均質なイゼットデルバー相手に対して
《思考囲い》は弱め。
青黒2色のディミーア・テンポと大部分は同じですが、少し緑をタッチしています。サイドボードの
《花の絨毯》はテンポデッキ対決で特に強く、だいたい2マナ以上生み出せるので相手の
《目くらまし》《不毛の大地》の両方を弱くすることができます。
《花の絨毯》さえ出れば3マナのカードを
《目くらまし》を恐れずにプレイできます。
《ウィザーブルームの命令》で主に使用するモードは
「クリーチャーでない2マナ以下を破壊」「土地回収」「-3/-1」で、たまに
「2点ドレイン」です。
「クリーチャーでない2マナ以下を破壊」は
《虚空の杯》《老練の学匠、タミヨウ》《豆の木をのぼれ》、サイド後相手の
《花の絨毯》への対策です。メインに少し
《ウィザーブルームの命令》がないと
《虚空の杯》X=1でハマりやすいのと、裏返った《老練の学匠、タミヨウ》を破壊できるのが便利。《誉れある死者の目覚め》は何でも除去できて、使用した感触は良いです。相手の
《バロウゴイフ》を除去しつつ、3章効果で自分の
《バロウゴイフ》や
《不毛の大地》を回収できるのが強みです。
エンチャントが墓地に行くことで
《バロウゴイフ》のサイズが上がって、相手の墓地の
《ミシュラのガラクタ》と合わせて6/7まで育てば
《邪悪な熱気》で
《バロウゴイフ》が死ななくなります。
他にも
《実物提示教育》で出せる、青いので《意志の力》のコストにできるなどもありますが、3マナはレガシーでは重い方なのでメイン1サイド1くらいが適正。
《致命的な一押し》だけだと《濁浪の執政》で負ける事が多いので、除去枠は《殺し》を追加。現在の青いテンポデッキは
《知りたがりの学徒、タミヨウ》《濁浪の執政》を採用する事が多く、
それらを0マナで破壊できる《殺し》は強い!エルドラージ系や親和、石鍛冶系のデッキにも
《殺し》は良く効きます。
しかしライフ4点支払いも痛いので、2枚が限界。《シェオルドレッドの勅令》は2マナが少し重いですが、
《河童の砲手》など護法持ちを除去できる強みがあります。
《バロウゴイフ》は
今のレガシーの黒の主役と言えるクリーチャーで、生き残れば1枚で勝てる性能。
ただ、レガシーでは3マナが少し重く、コンボデッキやカーンフォージなどに対しては2マナで出せて
《意志の力》のコストにもなる
《濁浪の執政》に軍配が上がります。
テンポデッキが多い環境なのであれば、メイン《バロウゴイフ》たくさんでも良いと思います。《悪夢滅ぼし、魁渡》は相手によって強さが上下しやすく、例えばイゼットデルバーやエルドラージに対しては相手のクリーチャーの攻撃で落されやすく弱め。
白や黒の中速デッキに対してはクリーチャー除去が効きにくいので強く、コンボデッキに対しては[0]能力で
《思考囲い》《意志の力》を探していけるのが強いです。
《バロウゴイフ》《濁浪の執政》《悪夢滅ぼし、魁渡》は3ターン目に出すパーマネントでどれも一長一短なので、そのときのレガシー環境に合わせて枚数を選ぶことになります。大会結果
スタンダード
〇赤単
〇イゼット・ルーティング
〇イゼット講義
×ナヤ・ユウナ
〇イゼット・ルーティング
〇イゼット・ルーティング
〇イゼット・ルーティング
レガシー
×ディミーア・テンポ
〇スニークショー
〇オムニテル
×ディミーア・テンポ
〇親和
〇アゾリウス石鍛冶
〇イゼット・デルバー
11勝3敗でトップ8に進出。SE
×エルドラージ
準々決勝でエルドラージに敗北。相手のスタンダードのデッキがメインに
《再利用の賢者》4枚と墓地対策6枚だったので、イゼット講義だと不利だと考えてレガシーを選びましたが、残念ながらレガシーも不利でした。
おわりに
これにて今年のマジックの大会は終了。
今年一番お世話になったのは《量子の謎かけ屋》で、もはやスタンダードだけにとどまらずモダンやレガシーでも大活躍しています。今後も良く見るでしょう。《バロウゴイフ》はフェアな対決では無類の強さを持ち、
レガシーの黒いデッキなら必ず採用したいほど。スゥルタイ・テンポで使用した
《ウィザーブルームの命令》《誉れある死者の目覚め》は、まだまだ安いと思うので集めておくことをおすすめします。
それではまた。