先週末はエターナルウィークエンドに参加しました!
参加者676名と、国内でも最大規模のレガシー大会。トップ32までに大会限定のプロモが配布されるので、入賞を目指したいところ!
目次
▪️大会情報
▪️最近のレガシー環境
▪️スゥルタイ・テンポ
▪️イゼット・デルバー
▪️アゾリウス石鍛冶
▪️ディミーアテンポ
▪️おわりに
大会情報
Asia Eternal Weekend 2025 カバレージ(晴れる屋)レガシー トップ8デッキリスト(晴れる屋)最近のレガシー環境
《納墓》《有翼の叡智、ナドゥ》禁止後のレガシーは、ディミーアとイゼットのテンポデッキが増加しました。
「テンポ」とは、
《目くらまし》《不毛の大地》を使い、相手との行動回数に差を付けて勝つデッキの総称です。
赤や黒で色の違いこそあれど戦略は似ており、序盤に
《ドラゴンの怒りの媒介者》などのクリーチャーを展開してから
《不毛の大地》で相手のマナを制限し、
《目くらまし》《意志の力》で妨害してクリーチャーでの優位を維持して勝利します。
《渦まく知識》《思案》のおかげで墓地が溜まりやすく、
《濁浪の執政》は3ターン目に7/7や8/8飛行として出てきます。2回攻撃すればライフが致死圏内なので勝つのが早く、
《目くらまし》《意志の力》で完走するのも難しくない。
モダンと比較して、《濁浪の執政》はレガシーだと1.5倍くらい強く感じます。そして、モダンと比較して2倍以上強いと感じるのは《知りたがりの学徒、タミヨウ》です。その一番の理由は
《渦まく知識》で、
これによりインスタントタイミングで変身できます!相手の除去にスタックで
《渦まく知識》をプレイするだけで、カードを1枚も損せずに除去を回避できるので、タミヨウを1ターン目に出さずに2ターン目に1マナ構えて出すというプレイも可能!
相手の視点からすると、1マナ構えのタミヨウは
《渦まく知識》の恐怖があり、だからといって除去を撃たないと普通に攻撃されて
《手掛かり》トークンを出されてしまいます。
変身後の
《老練の学匠、タミヨウ》は[-3]で状況に合わせてインスタント・ソーサリーを回収。除去を回収して相手のクリーチャーを対処して、[-7]まで起動できればほぼ勝ちです。
除去を1マナで避ける手段があって、単体でアドバンテージを稼いで、変身後[-7]で勝ち。
こんなに強いのにわずか1マナだなんて!《渦まく知識》《思案》《意志の力》と同列で、タミヨウも
レガシーで青いデッキの定番カードになって来ています。
青のテンポデッキが最多数ですが、その他のデッキも強いです。エルドラージアグロや、
《実物提示教育》《最後の審判》《欄干のスパイ》といったコンボデッキ、
《次元の結節点》を軸にした青ポストやカーンフォージなど、メタゲームは多彩。
かといってどれか一つが飛び抜けて強いという事もなく、
デッキの種類が多い良い環境です。
スゥルタイ・テンポ
僕はスゥルタイ・テンポを使用しましたが、
結果は8勝5敗1引き分けで入賞ならず。
デッキの大部分はディミーア・テンポと同じですが、
《ウィザーブルームの命令》と
《花の絨毯》のために緑をタッチしています。
レガシーでは
《虚空の杯》を採用するデッキが一定数存在して、
《虚空の杯》X=1に対して
《意志の力》を使ってしまうと後続の脅威が打ち消せずに負ける事が多いです。そのため
《虚空の杯》を破壊できるカードが少し欲しいと考えて採用。
《虚空の杯》《豆の木をのぼれ》《攪乱のフルート》などを破壊しながら、墓地の
《不毛の大地》を回収する動きが強いですが、緑のカードを入れすぎると相手の
《不毛の大地》に弱くなる原因にもなるので、メイン2枚のみと
最小限の緑タッチに抑えています。
ディミーアやイゼットなどのテンポデッキに対して強いのが
《花の絨毯》で、多くの場合で2マナ以上生み出すので、相手の
《目くらまし》《不毛の大地》を弱くさせる事ができます。テンポ同系のゲームを重視するなら、
3枚以上の採用もあり得る、緑のおすすめサイドボードです。2色のディミーア・テンポも試しましたが、フリースロット2.3枚に入れる
《トーラックへの賛歌》の感触が悪く、逆に
《ウィザーブルームの命令》と
《花の絨毯》両方の感触が良かったため、緑タッチのスゥルタイ・テンポを使用しました。
《悪夢滅ぼし、魁渡》は枚数で悩むカードだと思います。
《コーリ鋼の短刀》などの速攻クリーチャーには攻撃で落されやすく
《紅蓮破》もあるので赤に弱く、クリーチャー除去では対処できないので白や黒の中速デッキに対して強い性質があります。
コンボデッキに対しても、攻めながら
《思考囲い》や
《意志の力》を[0]能力で探していけるのが強いです。
赤い速攻デッキが多いなら、《悪夢滅ぼし、魁渡》の代わりにメインに《バロウゴイフ》を入れるのもアリです。次回にスゥルタイ・テンポを使うなら採用したいカードです。《誉れある死者の目覚め》は3マナとコストの重い除去ですが、最近のレガシーが
《バロウゴイフ》《濁浪の執政》が定着するかといったゲームになりやすいので、どちらも除去できてエンチャント・アーティファクトも破壊できて、3章の回収効果も良さそう。
便利ですが3マナが重く、緑のカードを入れすぎると相手の
《不毛の大地》に弱くなる原因にもなるので、
入れても1-2枚です。
墓地対策は《墓掘りの檻》より《虚無の呪文爆弾》の方が良かったです。墓地対策を色々試して来ましたが、
黒マナが出るデッキなら1ドローが付いてて相手だけ追放の《虚無の呪文爆弾》が最強の墓地対策!!《虚無の呪文爆弾》ならテンポデッキ対決でも相手の
《濁浪の執政》を遅らせるのが良い。
《陰謀団式療法》は追加の手札破壊で、
《オークの弓使い》のトークン生贄にして撃ったら強そう。
さて、ここからはエターナルウィークエンドの結果を元に、トップ8入賞デッキを紹介していきます。
イゼット・デルバー
676名の頂点に立ったのはイゼット・デルバー!《コーリ鋼の短刀》を優先して
《定業》などドロー呪文を入れた形のイゼットもありましたが、優勝した構成は
《秘密を掘り下げる者》《ドラゴンの怒りの媒介者》の両方を4枚ずつ採用し、
より相手のライフを詰める事を意識した構成になっています。
《コーリ鋼の短刀》は単体除去に強い性質があるのですが、2マナがこのデッキにとって重く、複数枚引くと序盤の動きが悪くなる原因にもなるため2枚に抑えられています。
《秘密を掘り下げる者》《ドラゴンの怒りの媒介者》と1マナのクリーチャーを優先して採用する事で、
テンポデッキの王道を行く1マナ→1マナ→《目くらまし》《不毛の大地》が実現しやすくなっています。
これが
《知りたがりの学徒、タミヨウ》だと、せっかく相手の動きを妨害しているのにライフを削れておらず、アドバンテージは得ても勝つのが遅い状態になります。
《秘密を掘り下げる者》4枚から、相手のライフを攻める意志が伝わってきます。1マナ飛行クリーチャー重視は対コンボや
《古えの墳墓》系のデッキと対戦したときに特に強く、ライフを詰めて行くことで相手のコンボが揃う前に勝ち、
《古えの墳墓》の2点ダメージを重くする事ができます。
珍しいのが《食糧補充》の2枚採用。1マナ重視の構成だと手札が枯れやすいので、そこを補充する目的と、
《コーリ鋼の短刀》疾風誘発にもつながりやすいです。
そして
《神秘の聖域》で
《食糧補充》を墓地から回収して、中盤のアドバンテージ源にもなります。ライフを詰めていれば
《稲妻》回収もできて、フェッチランドが3点ダメージに変わると考えると強い!
《神秘の聖域》は島タイプを持っているので、
《目くらまし》で戻して嬉しい土地でもあります。2回
《稲妻》回収で6点で勝つ事もありそうです。
最近では
《轟音の滝》が採用される事が多かった箇所ですが、ランダムな諜報よりも
《神秘の聖域》により確実に良いカードを回収できる強みがありそうです。
それ以外にもサイドボードに
《神秘の聖域》と相性が良いカードが複数あり、
1枚ながら《神秘の聖域》でデッキが引き締まっていると感じます。
サイドボードの
《相殺》はテンポデッキ対決で輝くカードで、1マナが多いデッキなので相手の1マナを打ち消しやすいです。
相手の呪文にスタックで
《渦まく知識》を撃てば確定打ち消しもできますし、フェッチランドから
《神秘の聖域》でトップに積んでも確定打ち消しができます。
《発展の代価》はカーンフォージや青ポスト、5色豆の木など特殊地形満載のデッキに良く効きます。1枚ですが、これも
《神秘の聖域》で回収して2回撃ったら強そう。
《神秘の聖域》のおかげで、サイドボードに1枚挿しのインスタント・ソーサリーでも2回使える可能性があるのが良いですね!
《墓掘りの檻》は墓地対策しつつ、
《緑の太陽の頂点》《自然の秩序》などを使うクレイドルコントロールへの対策にもなります。
アゾリウス石鍛冶
《目くらまし》《不毛の大地》でマナ効率よく動いて行くので、デッキの分類としてはテンポデッキに近い形でしょうか。
《石鍛冶の神秘家》は装備品の増加によりかなり強化されました。盤面を作りたいなら
《殴打頭蓋》で4/4絆魂、除去の多い相手に対しては
《戦前の正装》で除去された石鍛冶を回収、
《隕鉄剣》により何でも除去と、
どんな盤面でもだいたい石鍛冶で解決できてしまいます!そして石鍛冶と相性の良いのが
《溌剌の牧羊犬、フィリア》で、
《戦前の正装》ブリンクで何度も墓地から石鍛冶を戻せて、
《隕鉄剣》ブリンクで何でもパーマネントを破壊できます!
《隕鉄剣》が土地も破壊できるのが強く、一度《隕鉄剣》とフィリアのコンボが決まってしまうと相手のマナ基盤が崩壊します!モダンのブリンクデッキでお馴染み《量子の謎かけ屋》も採用されており、フィリアのコンボはレガシーでも通用する強さ!しかしフィリアが無かった場合に2マナ1ドローはコストが重く、複数引くと動きが悪くなる原因にもなるカードなので、枚数は2枚に抑えられています。
《もみ消し》はフェッチランドの起動型能力を打ち消すことで、1マナの土地破壊になります。
《もみ消し》《不毛の大地》《隕鉄剣》と合わせて相手のマナ基盤を攻めて行く動きが強く、フィリアで相手のパーマネントを追放してからターン終了時に戻る誘発型能力を
《もみ消し》で打ち消すことで、除去のような使い方もできて便利です!
サイドボードの
《封じ込める僧侶》はリアニメイトやスニークショーへの対策です。
《封じ込める僧侶》もフィリアと相性の良いカードで、フィリアで相手のクリーチャーを追放すれば戻って来ません。
トップ8のデッキリストを見て、真っ先に回してみたいと思ったのがこのアゾリウス石鍛冶でした。
細かいシナジーが満載で、相手のマナを縛って行く動きが強い!ディミーアテンポ
基本的な部分はディミーア・テンポと同じですが、
目を引くのが《水の技の達人、カタラ》4枚フル採用!相手のターンに呪文を唱えることで、プレイヤーが経験カウンターを得ます。もしカタラが除去されたとしても経験カウンターはそのままなので、2体目のカタラを出したときに経験カウンターを引き継いでスタートすることができます。
そして攻撃時に経験カウンターの数だけドローして1枚捨てます。経験カウンターが3個溜まってたら、3ドロー1ディスカード!
引いたカードでまた相手のターンに動けばまた経験カウンターが増えるので
5ドローや7ドローも夢じゃない!!!この
《水の技の達人、カタラ》を中心にしているため、ドローも
《思案》ではなく
《考慮》で、除去も0マナでプレイできる
《殺し》と、相手のターンに多く動くことを意識してデッキが構成されています。
《否定の力》もメイン2枚で、カタラさえ守れば
《否定の力》で失った手札も取り戻せます。
カタラ、本当にすごい!黒のサイドボードの定番。《ダウスィーの虚空歩き》は墓地対策をしつつコンボデッキに強いクリーチャーで、
《思考囲い》で相手の重いカードを捨ててから能力で使う事ができるのが強いです。
《バロウゴイフ》は
《剣を鍬に》を使うデッキやコンボデッキには弱めですが、テンポデッキ対決で定着したら勝つクリーチャーなので、今後も黒の定番になるでしょう。
おわりに
大会結果から、レガシーのデッキを紹介していきました。
今アツいクリーチャーはこの4種類!現代スペックが多いですが、それに食らいついている2010年生まれの《石鍛冶の神秘家》がすごい!《隕鉄剣》のようなカードで
《石鍛冶の神秘家》が再評価されるのが、カードゲームらしくてとても好きです。
《水の技の達人、カタラ》は売っている店が少なくて、4枚集めるのが大変!
それではまた。