先週末は、横浜で開催された
「チャンピオンズカップファイナル」に参加しました。
プロツアー『ローウィンの昏明』 の権利につながる最後の大会で、
目指すはトップ16入賞!以下その大会レポートです。
目次
▪️大会情報
▪️モダンのメタゲーム
▪️ジェスカイブリンク
▪️大会結果
▪️おわりに
大会情報
プレイヤーズコンベンション横浜2025 イベントカバレージ(MTG日本公式)チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド1(MTGMelee)モダンのメタゲーム
今のメタゲームはとても健全で、どれか一つが突出した強さを持つわけではなく、様々なデッキが活躍しています。《量子の謎かけ屋》を中心としたブリンク系、ボロスエネルギー、イゼット果敢、イゼット親和、ドメインズー、エスパー御霊、シミック出産の儀などなど。
デッキの種類が多い事で全てを対策するのは難しく、どのデッキを使っても不利な相手が2-3種類は存在します。モダンは
序盤の2-3ターンで自分の勝ち手段を用意しつつ、相手を少し妨害できるくらいのデッキが良いと考えていました。
直前まで使用候補だったデッキはアミュレットタイタンです。土地をアンタップさせる効果を持つ
《精力の護符》《洞窟探検》を軸にした土地コンボデッキで、上手く回れば3ターン目に
《原始のタイタン》が速攻で攻撃します!土地4枚で
《風景の変容》を撃つと、
《事件現場の分析者》からの無限ループで勝利します。
ブリンク系、ボロスエネルギー、イゼット果敢、イゼット親和、ドメインズーなど、
メタゲーム上のデッキには少し有利だと感じていたので、2週間ほど時間をかけて調整していました。
良い手札を求めてマリガンする事が多いデッキですが、
3ターン目タイタンはかなりの頻度で起こります。《精力の護符》2枚を引いた時には
《原始のタイタン》は無限コンボになり、2ターン目に勝利する事すら可能!
3ターンキルが禁忌とされている現在のモダンでも、良い回りのときは3ターンキルする、爆発力のあるデッキです。複雑なマナ計算をするので難しく感じるデッキですが、パターン分けして覚えると良いです。
例1
《精力の護符》1枚と7マナの状態で《原始のタイタン》をプレイすると、《原始のタイタン》が速攻で攻撃しつつ2体目のタイタンが出せます。
①赤1マナ余っている状態で《原始のタイタン》から《ハンウィアーの要塞》《鏡の池》サーチ。《ハンウィアーの要塞》で速攻付与して攻撃。
②《原始のタイタン》の攻撃誘発で《睡蓮の原野》《崩壊する痕跡》をサーチして、合計5マナで《鏡の池》を起動して《原始のタイタン》コピー。
例2
相手の《大梟の小夜曲》1枚をケアしながら《風景の変容》で勝ちたいのなら、土地6枚で合計5マナ以上の状態から《風景の変容》。
①土地6枚《風景の変容》から《睡蓮の原野》2枚《トレイリア西部》《シミックの成長室》《崩壊する痕跡》《変容する森林》をサーチ。
②それぞれの土地からマナを出して12マナ。浮きマナと合わせて13マナ。《トレイリア西部》を手札に戻しつつ《変容する森林》以外の土地を生贄。
③《トレイリア西部》変成で残り10マナ。《事件現場の分析者》プレイで残り8マナ。もし《事件現場の分析者》が打ち消されたとしても《変容する森林》起動で《事件現場の分析者》のコピーになって能力起動。
チャンピオンズカップの週はアメリカやヨーロッパでも地域チャンピオンシップがあり、オンラインでモダンを競技的にプレイする人が増えていました。
僕もオンラインで練習していたのですが、
日を追うごとに《夢を引き裂く者、アショク》《減衰球》を出される回数が増えて来て、明らかにアミュレットタイタンが意識されているタイミングだと感じました。
《減衰球》はアーティファクト破壊で対処できるぶんマシなのですが、
《夢を引き裂く者、アショク》は本当に苦手で、
《ウルザの物語》の3章、
《緑の太陽の頂点》《召喚士の契約》《原始のタイタン》《風景の変容》と、デッキ内のほとんどのカードがサーチ不能になってしまいます。
アショクへの対策として
《石術の連射》《無霊破》などもあるのですが、色マナが不足してプレイできるか怪しいライン。
シミック出産の儀が増えて来たこともネガティブな理由で、
メインから《海の先駆け》と《緻密》により不利なマッチアップであり、アミュレットタイタンにとっては対戦したくない相手です。
アミュレットタイタンに時間をかけたので使いたい気持ちはありましたが、致命的な対策が増えている事から立ち位置の悪さを感じて、もう一つの候補だったジェスカイブリンクに乗り換えました。ジェスカイブリンク

ジェスカイブリンクを使用しました。《量子の謎かけ屋》をワープで唱えてから
《溌剌の牧羊犬、フィリア》《儚い存在》の効果で追放することで、ドローしつつ4/6飛行が場に残ります!
このコンボを中心に、除去や打ち消し呪文で相手に対応して行くミッドレンジです。極端に不利な相手がなくサイドボードも多彩で、
どのデッキ相手にも戦えることから、長丁場向きのデッキだと評価して選択しました。
デッキ名のブリンクは
追放して場に戻す効果の総称です。主に
《儚い存在》の事を指します。
《儚い存在》自体が1枚な理由は、
《孤独》や《量子の謎かけ屋》など追放するクリーチャーが不足しているときに不安定な事と、《溌剌の牧羊犬、フィリア》が生き残れば十分その役割を果たしてくれるからです。
《記憶への放逐》はワープのターン終了時の追放する誘発型能力を打ち消す事で
《量子の謎かけ屋》を場に残したり、
《溌剌の牧羊犬、フィリア》が追放したカードのターン終了時に戻る誘発型能力を打ち消す事でずっと追放したままにしたりと、細かい使い道が多数あります。
エルドラージ系やトロンなど、無色のカードが多いデッキには1マナの打ち消しとして活躍!
《敏捷なこそ泥、ラガバン》はモダンを象徴するクリーチャーですが、
相手によってブレ幅の大きいカードでもあります。
地上クリーチャーを多く出すデッキ、
例えばボロスエネルギーに対しては弱く、サイドアウト候補筆頭。逆にクリーチャーや除去が少ないコンボデッキ相手には序盤のプレッシャーとして強いです。
《敏捷なこそ泥、ラガバン》《溌剌の牧羊犬、フィリア》どちらも伝説のクリーチャーで、
2枚重ねて引く事が弱いタイミングもあるカードなので、どちらも3枚ずつにしました。
《鏡割りの寓話》は
《溌剌の牧羊犬、フィリア》で追放する事でゴブリンシャーマントークンを量産できて、2章のドローも何度も使えます。3章の
《キキジキの鏡像》が生き残れば
《孤独》《量子の謎かけ屋》どちらをコピーしても強く、2章で
《火の怒りのタイタン、フレージ》を手札から捨てるのも良く、
デッキ全体を滑らかに動かしてくれるので4枚に。他のリストと異なるのは《喝破》でしょうか。ジェスカイブリンクは3マナに強い動きが集中しているため、
3マナの前のターンに相手とカード交換するのが大事だと考えたからです。メインに
《大梟の小夜曲》なども試したのですが、2/2飛行のデメリットは思ったより大きかったのと、
なんでも打ち消せるカードが少しないと相手のプレイが簡単になります。《溌剌の牧羊犬、フィリア》との2択で自然に2マナを構えられて、青白な事で《孤独》のコストにできて、追放効果で相手の《火の怒りのタイタン、フレージ》にも効くので《喝破》は気に入っています。1マナ除去は
《電気放出》優先しました。
ジェスカイブリンク対決で、相手の
《敏捷なこそ泥、ラガバン》疾駆と
《溌剌の牧羊犬、フィリア》を考えると
除去はインスタントにすべきです。
今回のリストでは
《喝破》も入っているので、2種類構えるためにもインスタントが優先。
サイドボードはボロスエネルギー、親和、イゼット果敢、シミック出産の儀などに幅広く効く全体除去の
《空の怒り》を多めに。だいたいラガバンと入れ替えになります。
デッキリスト公開制では、相手に裏目を作る意味でもメインに1枚《空の怒り》を入れていた方が良かったかも。《邪悪を打ち砕く》は
相手に《機械の母、エリシュ・ノーン》が入っていた場合に除去できるカードが欲しいと考えて1枚採用しました。
他に破壊したいのは
《ウルザの物語》《量子の謎かけ屋》《忌まわしき眼魔》《ドラコの末裔》《洞窟探検》《出産の儀》《原始のタイタン》《力線の束縛》《ギルドパクトの力線》などなど。
今のモダンは強いエンチャントと大型クリーチャーが多く、
《邪悪を打ち砕く》は感触が非常に良かったので、
白いデッキを使っているならおすすめのサイドボードです。
《呪文嵌め》はボロスエネルギー、イゼット果敢、シミック出産の儀、ストームなどへの対策。
少しマイルドな対策ですが、サイドインできる相手が多く、
ジェスカイブリンクに不足しがちな1マナアクションなので気に入っています。
《神秘の論争》はブリンク系と親和、
《大梟の小夜曲》はブリンク系とアミュレットタイタンへの対策です。
大会結果
〇イゼット親和
×エスパーブリンク
〇アミュレットタイタン
×イゼット親和
〇グリクシスリアニメイト
×ストーム
×ボロスエネルギー
〇ジェスカイブリンク
〇シミック出産の儀
×スゥルタイ出産の儀
〇イゼット親和
〇オムナス
〇アミュレットタイタン
8勝5敗で86位でした。「プロツアー・ファイレクシア」から続いたプロツアー権利もここで終わり。
また1から出直します!おわりに
モダンで上位入賞したデッキリストを見ていると、《司書、ワン・シー・トン》《アナグマモグラの仔》を採用したリストがいくつかありました。サーチを多用する環境なら
《司書、ワン・シー・トン》は誘発しやすく、後半引いても強い。
《アナグマモグラの仔》は
既にスタン・モダン・レガシー全てで活躍しており、
《ラノワールのエルフ》《ドライアドの東屋》と組み合わせて
3ターン目に6マナ生み出したりと、信じられないような動きを見せてきます!《アナグマモグラの仔》はフォーマットを問わず4枚使いそうで、新しいデッキが出て来そうです。今後の記事でも紹介していきます。
それではまた。