「マジック・スポットライトシリーズ:FINAL FANTASY」レポート │ 高橋優太


先週末は「マジック・スポットライトシリーズ:FINAL FANTASY」に参加しました。
誰でも参加できるオープンイベントで、コロナ以前に開催されていたグランプリに近い、マジックのお祭りです!

会場では「FINAL FANTASY」の特別展示もあり、FFにちなんだアート作品が並んでいました。僕はFF6が特に好きなので、ティナのフィギュアに感動!

本戦ではディミーア・ミッドレンジを使用し、10勝5敗で1勝足りずに入賞できませんでした。
勝てば入賞ラインの14回戦で、土地2枚と土地10枚で負けてとても悔しい!!!

さて、先日大きな禁止改定が行われました。なんとスタンダードで7枚も禁止に!

2025年6月30日 禁止制限告知(公式サイト)

さっそく禁止後の環境を考察して行きます。

目次

▪️禁止改定
▪️禁止後の各デッキの変化予想
イゼット果敢
全知コンボ
赤単
▪️イゼット大釜
▪️ゴルガリ根
▪️ディミーアミッドレンジ
▪️おわりに


禁止改定

コーリ鋼の短刀
スタンダードが高速化した原因であり、納得の禁止です。

アーティファクト除去されたとしてもトークンが残り、そもそもアーティファクト破壊はメインに採用しにくいので、単純に1対1交換するのが難しい。モダンやレガシーでも4枚使われる性能であり、正直な所スタンダードのカードパワーを超えていました。

「タルキール:龍嵐録」発売から2カ月なので禁止されない可能性も考えていましたが、スタンダード最強のカードなのでしっかり禁止して来ましたね。禁止に対して、以前と体制が変わったのかも。

アブエロの覚醒
妥当の禁止。
全知コンボがいる事により、除去中心のミッドレンジが存在できない環境になっていました。

除去中心のデッキだと、どうしても4ターン目の《アブエロの覚醒》からの《全知》に対抗するのが難しく、全知コンボを倒すには赤単やイゼット果敢のような速攻デッキを使うか、もしくはディミーアのように打ち消し呪文を多く使うかでした。

「タルキール:龍嵐録」の《乱動するドラゴンの嵐》《マラング川の執政》追加によって全知コンボは完成して、スタンダード環境はイゼット果敢・赤単・全知コンボの3強状態になっていました。
《コーリ鋼の短刀》も「タルキール:龍嵐録」だし、実は龍嵐録が強すぎた?

巨怪の怒り心火の英雄
納得の禁止。
スタンダードはかつてないほど高速化しており、赤単アグロは除去の無い相手を3ターンキルするほどの攻撃力を持っていました。

除去出来ないと3ターンキルするスタンダードは、僕の記憶する限りミラディンの親和デッキ以来です。(親和デッキは歴代スタンダードでも最強レベルで、最も多くの禁止を出したデッキでもあります。気になる人は調べてみてね)

3ターンキルの原因が《心火の英雄》《巨怪の怒り》で、例えダブルマリガンしたとしても《山》《山》《心火の英雄》《巨怪の怒り》《多様な鼠》なら3-4ターン目に勝てる可能性があります。《巨怪の怒り》のトランプル付与でブロッカーを無視できて、《心火の英雄》の死亡誘発型能力でライフを削り切ります。

《心火の英雄》《熾火心の挑戦者》《多様な鼠》《巨怪の怒り》と言うセットがあまりにも強く、アグロデッキを使うなら赤以外の選択肢が少ない状況で、これはブルームバロウがスタン落ちするまで続くと思っていましたが、今回大規模な禁止によって赤アグロが抑制されました。

《敏捷なこそ泥、ラガバン》しかり《死儀礼のシャーマン》しかり、除去出来ないとゲームに負ける1マナ域は、どこかのフォーマットで禁止される可能性がありますね。

豆の木をのぼれ
妥当の禁止。
速攻デッキが軒並み禁止された後の環境を考えると、ドメインが伸び伸びとアドバンテージを取っている姿が思い浮かびます。
ミッドレンジ対決で《豆の木をのぼれ》はあまりにも強く、実質2マナで4-5枚ドローするので、2ターンキルに近いカードです。

《豆の木をのぼれ》の存在で今後5マナのカードデザインが難しくなることを考えると、まぁ禁止。

望み無き悪夢この町は狭すぎる
巻き添え禁止。
正直禁止する程の強さではないと思いますが、上記の禁止後に強くなるエスパー・ピクシーやオルゾフ・ピクシーを抑制する形でしょうか。

序盤に《望み無き悪夢》《養育するピクシー》を連打されて手札が3枚減るのはゲーム体験として苦しいので、FFで入って来た新規層にネガティブな印象を与えてしまうかも知れません。これは僕個人の印象なのですが、FFのカードをもっと使わせるための禁止措置にも感じています。

禁止後の各デッキの変化予想

イゼット果敢

《コーリ鋼の短刀》《巨怪の怒り》は禁止になったものの、デッキとしては全然戦えるレベルなので、環境に残ると予想します。

《嵐追いの才能》《食糧補充》を回収する動きは依然として強く、序盤から終盤まで安定した良いデッキです。
今後は《激しき乗りこなし》《ドレイクの孵卵者》《迷える黒魔道士、ビビ》を速攻アタックさせる形になりそう。

全知コンボ

建築家の才能修復と充電全知
《建築家の才能》《修復と充電》どちらも5マナですが、《全知》を墓地から戦場に戻す手段はあります。
《建築家の才能》は0/4の壁で時間稼ぎもしてくれて、1回戦場に出てしまえば打ち消し呪文ではレベルアップを妨害されないので良いかも。

しかしどうしても《アブエロの覚醒》4マナと5マナでは天地の差です。《修復と充電》は相手の《呪文貫き》ケアも難しいでしょう。デッキとしてはかなり弱体化しており、存在できないかも。

赤単

赤単というデッキ自体は残ると思いますが、クリーチャーの選定が難しい。MTGアリーナで1マナクリーチャーを検索しましたが、《心火の英雄》に比べるとどうしても見劣りします。

《次元の先駆者、ケラン》はパワー2で後半も強い能力なので行けるかも?
《ブルメシアの竜騎士、フライヤ》から2ターン目《「侍」の刀》で新しい赤単の形になるかも知れません。
《闘技場の花形》は除去にもなると考えると悪くない?
《流城の貴族》は、かつてイニストラード時代には強かったカードですが現代のカードパワーには通じなそう。

イゼット大釜

《逸失への恐怖》《ヴォルダーレンの興奮探し》《迷える黒魔道士、ビビ》を手札から捨てて、《アガサの魂の大釜》で追放する事により起動型能力を付与するデッキです。
例えば《逸失への恐怖》《アガサの魂の大釜》で+1/+1カウンターを乗せれば《迷える黒魔道士、ビビ》のマナ能力で3マナ出せて、回った時は凄まじい展開を見せます。

Paulo Vitor Damo da Rosaがプロツアーで使用して8-1して話題になりました。
今回の禁止で全く影響を受けず、今後増えて行きそうなデッキです。《迷える黒魔道士、ビビ》は今後もよく見る事になりそう。

ゴルガリ根

切削するカードで墓地を貯めて、《骨術師の達人》など墓地を追放する能力で《陰湿な根》を誘発させるデッキです。
メインから《漁る軟泥》で墓地対策できて、赤アグロと全知コンボに強いデッキと言う立ち位置でした。今回で何も禁止されなかったのでデッキはそのまま残りますが、ミッドレンジやコントロールデッキが増えると立ち位置が悪くなるかも。

ディミーアミッドレンジ


使用者
土地:25枚
3:《島/Island》
6:《沼/Swamp》
4:《闇滑りの岸/Darkslick Shores》
4:《グルームレイクの境界/Gloomlake Verge》
4:《地底の大河/Underground River》
1:《不穏な浅瀬/Restless Reef》
3:《魂石の聖域/Soulstone Sanctuary》

クリーチャー:17枚
4:《暗黒騎士、セシル/Cecil, Dark Knight》
3:《群青の獣縛り/Azure Beastbinder》
2:《フラッドピットの溺れさせ/Floodpits Drowner》
4:《分派の説教者/Preacher of the Schism》
4:《永劫の好奇心/Enduring Curiosity》
呪文:18枚
4:《切り崩し/Cut Down》
2:《呪文貫き/Spell Pierce》
4:《喉首狙い/Go for the Throat》
3:《払拭の吐息/Dispelling Exhale》
3:《悪夢滅ぼし、魁渡/Kaito, Bane of Nightmares》
2:《ギックスの命令/Gix's Command》

サイドデッキ:15枚
2:《苦痛ある選定/Anoint with Affliction》
2:《突き刺し/Stab》
3:《否認/Negate》
3:《強迫/Duress》
1:《ギックスの命令/Gix's Command》
3:《ティシャーナの潮縛り/Tishana's Tidebinder》
1:《不浄な別室/Unholy Annex》
僕がプロツアーから愛用しているディミーアミッドレンジを、新環境想定で組みました。
イゼット果敢にはどうしても勝率45%で不利ですが、赤単と全知コンボには勝率55%ほどで少し有利なので、3強デッキの内2つに勝てると考えて使用していました。ディミーアは今回で何も禁止されなかったので、次の環境でも活躍する事が予想されます。

《群青の獣縛り》は使えば使うほど強さが実感できます。置き除去のような感覚で、先出ししておくことにより相手の強いパーマネントを無力化して、ブロックされにくい能力なので《永劫の好奇心》でのドローにつながりやすい。

《分派の説教者》は攻めても守っても強いクリーチャーです。お互いのライフが同じ時に攻撃すれば両方の能力が誘発するので、《地底の大河》でわざとダメージを受けるプレイは覚えておきましょう。逆に相手に《分派の説教者》を出された時は、自分がわざとダメランからダメージを受ける事もあります。

《永劫の好奇心》《悪夢滅ぼし、魁渡》はデッキの中心となるパーツであり、逆にこれらを引かないと手札が枯渇しがちです。
《悪夢滅ぼし、魁渡》はイゼット果敢と赤単に弱いので減らす事も検討しましたが、結局デッキの中心であり必要パーツだと判断しました。禁止により今後の環境が低速化すると思うので、《悪夢滅ぼし、魁渡》はもっと強くなりそうです。メイン4枚もあり得る。

《暗黒騎士、セシル》はまだ過小評価されていると感じます。僕はFFセットの中で《迷える黒魔道士、ビビ》の次に強いのが《暗黒騎士、セシル》だと思っています。

接死持ちなので攻撃してもブロックしても強く、お互いのライフを同じ数削るので《分派の説教者》とも相性が良く、《覚醒のパラディン、セシル》に変身したら4マナ相当の性能になります。《切り崩し》と合わせて8枚の1マナが入っている事で序盤の動きを担保してくれていました。
良く入っている《遠眼鏡のセイレーン》と異なり、ブロッカーとしても役立つ事から《暗黒騎士、セシル》をとても評価しています。
《暗黒騎士、セシル》も、早く変身させるために《地底の大河》でわざとダメージを受けるプレイをするので覚えておきましょう。

《暗黒騎士、セシル》《強迫》《切り崩し》が入っているのでマナベースは《沼》多めで、1ターン目の黒マナ14枚。
ただ《強迫》はイゼット果敢と全知コンボを狙ってのメイン採用なので、禁止後の環境ではメインではなくサイドボード向きのカードだと思っています。

2マナの打ち消し呪文は色々試しましたが、《払拭の吐息》が一番良さそうです。通常は2マナ要求ですが、《魂石の聖域》がクリーチャー化していれば4マナ要求になります。
《幻影の干渉》は2/2飛行トークンを出す機会が少なく、《呪文貫き》と合わせて2マナ払えがたくさん入っていると相手にケアされやすい。
デッキに《フェアリーの黒幕》が入っていた頃は《呪文どもり》も試しましたが、《フェアリーの黒幕》が環境にあまり合っていなくて抜けてしまったので、4マナ要求になる可能性のある《払拭の吐息》が最大値が高いです。

おわりに

禁止により激変したスタンダード。今後は黒の時代が来ると予想しています。

まだまだ過小評価の《暗黒騎士、セシル》、赤アグロが減る事により《闇の腹心》が強くなりそう、《分派の説教者》《不浄な別室》で中盤のアドバンテージも万全!
上記4つは4枚ずつ揃えておくことをおすすめします!

それではまた。

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