井川良彦選手の「THE LAST SUN 2025」使用デッキ解説！

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。

先週末は毎年恒例、年末の祭典である「THE LAST SUN 2025」に参加してきました。

個人の成績はスタンダード3-3、レガシー2-2で途中ドロップと全く振るわなかったのですが、せっかくなので使ったデッキについて簡単に記していこうと思います。




世界選手権から続いてジェスカイコントロール。デッキの基本構造や採用カードについては、前回の記事をご参照ください。



世界選手権時点では《忍耐の記念碑》入りのイゼット講義の隆盛を全く読めていませんでした。
なので今回は世界選手権後のメタゲームにアジャストすべく微調整を施しました。

THE LAST SUN 2025 使用 ジェスカイコントロール

土地：27枚 1:《平地/Plains》 1:《山/Mountain》 4:《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》 4:《行き届いた書庫/Meticulous Archive》 2:《轟音の滝/Thundering Falls》 2:《優雅な談話室/Elegant Parlor》 4:《リバーパイアーの境界/Riverpyre Verge》 4:《フラッドファームの境界/Floodfarm Verge》 2:《サンビロウの境界/Sunbillow Verge》 1:《マルチバースへの通り道/Multiversal Passage》 1:《コーリ山の僧院/Cori Mountain Monastery》 1:《湧霧の村/Mistrise Village》 クリーチャー：6枚 3:《道の体現者、シィコ/Shiko, Paragon of the Way》 3:《マラング川の執政/Marang River Regent》

呪文：27枚 2:《縫い目破り/Seam Rip》 1:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》 4:《稲妻のらせん/Lightning Helix》 4:《失せろ/Get Lost》 2:《削剥/Abrade》 2:《払拭の吐息/Dispelling Exhale》 1:《喝破/No More Lies》 3:《審判の日/Day of Judgment》 4:《食糧補充/Stock Up》 2:《道の再発見/Rediscover the Way》 2:《ジェスカイの啓示/Jeskai Revelation》 サイドボード：15枚 2:《悪魔祓い/Exorcise》 2:《除霊用掃除機/Ghost Vacuum》 2:《炎魔法/Fire Magic》 1:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》 2:《ミストムーアの大主/Overlord of the Mistmoors》 1:《否認/Negate》 3:《勝利の楽士/Voice of Victory》 2:《焦熱の竜火/Scorching Dragonfire》

世界選手権の時のリストに比べると、イゼット系とスゥルタイリアニメイトにガードを上げて、ディミーアや《アナグマモグラの仔》系にガードを下げた形です。

イゼット講義の多数の置物に対処できるよう、カードの枚数を純増したのが主な変更点です。

イゼット系は共通して《嵐追いの才能》＋《ブーメランの基礎》パッケージが搭載されているので、カワウソトークンと才能の両方を1マナで触れる《縫い目破り》は想定通り活躍してくれました。特に《美術家の才能》もある形だと《失せろ》だけでは足りません。

ただし対処範囲は狭いので、このカードに寄せすぎない方が良いとも考えてこの枚数。もっと環境が寄るなら3-4もあり得るかなと思っています。

《削剥》は同じ3点火力である《焦熱の竜火》とのスイッチです。
ディミーアに明確に下がるのが気になるところでしたが、イゼット講義を意識する以上は《忍耐の記念碑》への対処手段はメインに必要。

ですがイゼット講義以外には微妙でしたし、想定よりもディミーアミッドレンジが多かったので、《削剥》2よりも《焦熱の竜火》や《悪魔祓い》と1:1の方が良かったかもしれません。

こちらはサイドボードに増量。エンチャント＝《嵐追いの才能》《美術家の才能》、アーティファクト＝《忍耐の記念碑》、パワー4以上＝《量子の謎かけ屋》と致命的になりうるパーマネントをすべて対処できるため重宝します。

イゼット講義とスゥルタイリアニメイトを意識して、メインから墓地対策を採用しました。
ジェスカイコントロールはドローカードが多数入っているので1枚入っていれば探すことができるため、0枚と1枚の差が非常に大きいです。

1枚しか入れない＝初手付近で引くよりもドローで見つけてきてプレイするケースの方が多くなるため、継続して墓地を追放できるが即効性の低い《除霊用掃除機》ではなく、一気に追放できる《魂標ランタン》にしました。《道の体現者、シィコ》で再利用できるのも◎。

サイドボード後は《除霊用掃除機》2と《魂標ランタン》2でしっかり対処していきます。

墓地対策は基本的に盤面には寄与しない＝手札1枚損なので、その分を《食糧補充》《マラング川の執政》などで手札を補充して戦いましょう。

今回デッキを75枚シェアした＆一緒に細部を考えた「ゆうやん」こと細川さんがスタンダードで6-1！

僕自身は3-3ドロップと振るいませんでしたが、思考やリスト自体はそれほど間違ってなかったのかな。彼の信頼に応えることができて良かったです。

次の『ローウィンの昏明』ではジェスカイに関わる2種類のギルドランドが再録されるので、マナベースがさらに改善されますね。

ギルラン12枚は痛いので何枚入れるかは難しいですが、少なくとも7-8枚は使うのではないでしょうか。諜報も良いですが、やはりマジックはアンタップインが命。

コントロールは自身がチューニングを得意とするアーキタイプの一つなので、今後もメタゲームに合わせて微調整していく予定です。


スタンダードはジェスカイコントロールで決定していたものの、レガシーは全くのノープラン。

前週に開催されたエターナルウィークエンドのマトリクスから良さそうに見えたボロスエネルギーを回すも手に馴染まず。

エネルギーでスパイに瞬殺されて憤慨したので、「最低限《意志の力》が打てて」「多そうな青系テンポに強い」デッキがいいなと考えていたところ、Discordサーバー「常勝集団MSD」でヴィンテージ神の横川くんが調整していた親和が良さそうに見えたので、そちらを使わせてもらうことにしました。

THE LAST SUN 2025 使用 青単親和

土地：13枚 1:《Volcanic Island》 4:《教議会の座席/Seat of the Synod》 4:《古えの墳墓/Ancient Tomb》 4:《ウルザの物語/Urza's Saga》 クリーチャー：16枚 4:《継ぎ接ぎ自動機械/Patchwork Automaton》 4:《ピナクルの特使/Pinnacle Emissary》 4:《湖に潜む者、エムリー/Emry, Lurker of the Loch》 4:《河童の砲手/Kappa Cannoneer》

呪文：31枚 4:《オパールのモックス/Mox Opal》 4:《水蓮の花びら/Lotus Petal》 4:《ミシュラのガラクタ/Mishra's Bauble》 3:《ウルザのガラクタ/Urza's Bauble》 4:《虚空の杯/Chalice of the Void》 1:《上天の呪文爆弾/Aether Spellbomb》 1:《真髄の針/Pithing Needle》 1:《溶岩拍車のブーツ/Lavaspur Boots》 1:《影槍/Shadowspear》 4:《朦朧への没入/Sink into Stupor》 4:《意志の力/Force of Will》 サイドボード：15枚 3:《記憶への放逐/Consign to Memory》 2:《攪乱のフルート/Disruptor Flute》 2:《四肢切断/Dismember》 2:《否定の力/Force of Negation》 1:《ギラプールの霊気格子/Ghirapur Aether Grid》 3:《厳寒/Bitter Chill》 2:《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》

デッキの大半がモダンの親和と同じなので、不慣れな僕でも安心です。
ただし侮るなかれ。デッキパワーは本物で、ヨーロッパで開催されたエターナルウィークエンドでは見事優勝しています。

当たり前のことを書くのが恥ずかしいですが、《古えの墳墓》のおかげで1T《ウルザの物語》→2t《ウルザの物語》起動が簡単なのがとにかく強力！

モダンでは《バネ葉の太鼓》＋《メムナイト》をプレイしたり、複数のアーティファクトから《オパールのモックス》を出したりと少しハードルが高かったので、再現性高くて嬉しい限り。

20年振りに使いました。快適。モダンでも解禁してほしいです。（無理）

レガシーの親和には《記録の守護者》で殴る形と《虚空の杯》で妨害する形の2つがありますが、今回は後者を選択。

エルドラージやミラーマッチを考えると《記録の守護者》型の方が優れているので、そこはメタゲームに合わせての選択になるでしょう。

唯一のオリジナル要素がこちら。大真面目です。

軽くて強い《バロウゴイフ》《濁浪の執政》を対処したい、でも《虚空の杯》の関係で《声も出せない》は使えない。

ということで選ばれたのがこのカード。まさかリミテッド以外で使うとはね。

「能力を失う」「アタックできない」系のオーラと異なりタップさせるので、

・プレイしたターンにアタックできる/ブロックされない
・《悪夢滅ぼし、魁渡》の忍術で回収されない
・+1/+1カウンターが乗っている生物も完全対処できる（主に《濁浪の執政》）

がこの《厳寒》の強みです。仮に割られてもドローできるのもちょっと嬉しいですね。

とセールスポイントを並べましたが、発見してから一度も使えていないので完全に理論のみでの採用。
デッキには結構フィットしていると思いますので、気になる人がいたらぜひ試してみてもらえると嬉しいです。


ということで今回の記事は軽めのボリュームでお届けしました。
もっと勝って詳細にレポートを書きたかったのですが、そう簡単には勝てませんね。何年やってもこのゲームは難しい。

今年も一年、記事を読んでいただいたり、応援いただいたり本当にありがとうございました。
皆様のおかげで楽しく充実したマジックライフを送ることができました。

来年は最初のプロツアーこそ権利がありますが、それを負けたら終了です。
ですがピンチの裏にチャンスあり。9-7以上できれば一気に第2・第3プロツアーの権利が手に入るので、必死に頑張りたいと思います。

それでは今回の記事はここまで。また次回の記事でお会いしましょう！
よいお年を！