全知コンボの「全」てを「知」る

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先週末は、晴れる屋さん主催のスタンダード神決定戦に参加しました。
全知コンボを使用しましたが、2勝3敗でドロップ。
Standard God/ Omniscience
○Gruul Mice
×Domain
×Goblin Cauldron
○Domain
×Grixis Legends
2-3Drop.


論破/Refute航路の作成
序盤ノーガードになりやすいので相手に干渉しながら《全知》を手札から捨てられる《論破》を試してみましたが、感触はイマイチ。
スタンダードは2マナ以下に強いカードが多く、3マナ打ち消しだとマナを損する交換になりがち。相手が何もプレイしなかった場合、《論破》は自分から能動的にプレイできないのが《困惑の謎掛け》より悪い所。序盤の青ダブルシンボルも意外と厳しい。
コンボを達成する速度を上げたいのなら、4枚見られる《困惑の謎掛け》の方が優先です。

サイド後に《航路の作成》をプレイして《全知》を捨てた後に墓地対策を出されるのが嫌で抜いてしまいましたが、明らかな改悪でした。
相手の墓地対策を対処してから6マナのターンに《航路の作成》で《全知》を捨てる→《アブエロの覚醒》のパターンのためにも《航路の作成》は絶対必要。

デッキを変更するときに改悪してしまう事は誰にでも起こりますが、2マナ以下のデッキを回す中心になるカードは抜かないようにしましょう(自戒)。
さて僕は改悪して2勝3敗ドロップでしたが優勝したデッキは全知コンボでした。
まだこのデッキについて挙動を知らない方も多いと思うので、僕の経験を元に詳しく解説していきます。

目次

▪️参考情報
▪️全知コンボ
▪️プレイの仕方
▪️その他
▪️おわりに

参考情報


第30期スタンダード神決定戦 TOP8デッキリスト

平山怜さんが優勝した【アゾリウス全知】を参考にします。



僕の先週の記事でも全知コンボについて解説していますので、こちらもどうぞ。

全知コンボ



アブエロの覚醒ジョハンの一時凌ぎ/Johann'sアルケヴィオスへの侵攻/Invasion
切削や手札から捨てるカードと組み合わせて《全知》を墓地に落として、《アブエロの覚醒》で《全知》を戦場に戻して勝利するコンボデッキです。
全知》を戦場に出せば手札のあらゆる呪文がコスト0になるので、ここから《アルケヴィオスへの侵攻》を唱えればゲームに勝利します。
詳しい手順は以下の通り。バウンスが《この町は狭すぎる》なので、前回の記事で紹介した《機織りの季節》のパターンとは少し異なります。

【コンボ手順】
①《アブエロの覚醒》で《全知》を戦場に戻す。《全知》は1/1飛行のクリーチャー。
②《アルケヴィオスへの侵攻》を唱えて、サイドボードから《ジョハンの一時凌ぎ》をサーチ。
③《ジョハンの一時凌ぎ》を《アルケヴィオスへの侵攻》を対象に唱えて1ドロー。
④手札に戻った《アルケヴィオスへの侵攻》を再び唱えて、墓地から《ジョハンの一時凌ぎ》を回収。これにより③がループするようになり、デッキを好きな枚数引く事が出来る。2枚目の《アルケヴィオスへの侵攻》が見つかるまでドローし続ける。
⑤《アルケヴィオスへの侵攻》が2枚あることにより、1枚目で好きなインスタント・ソーサリーをサーチしつつ、2枚目で《この町は狭すぎる》をサーチ。《この町は狭すぎる》で《アルケヴィオスへの侵攻》2枚を手札に戻して、無限ループが可能になる。デッキ・墓地・サイドボード全てのインスタント・ソーサリーを無限にプレイできる状況になる。
⑥《門口の断絶》で無限に2/2トークンを生成し、除去と打ち消し呪文が無限に使えるようになる。相手のクリーチャーは全て《失せろ》して、呪文は全て《否認》するので、次のターンに無限の2/2トークンで攻撃して勝利。
もしくは、自分の呪文を対象に《長川の引き込み》を無限に贈呈コストでプレイして、相手に無限にドローさせてライブラリーアウトで勝利。


渓間の洪水呼び門口の断絶長川の引き込み審判の日/Day
このリストの素晴らしい所は、《アルケヴィオスへの侵攻》でサーチ可能なカードの選定がどれも通常サイドインも可能な範囲で選ばれている事です!
この町は狭すぎる》は《アルケヴィオスへの侵攻》2枚をバウンスする効果では《機織りの季節》と同じですが、例えば赤アグロ相手に通常サイドインすることが出来る点が《機織りの季節》よりも優れています。

グルール《残響の力線》デッキなんかにはインスタントの2マナバウンスが役立つ場面もありますし、自分の《一時的封鎖》をバウンスして出し直す事も起こります。通常サイドインしたとしても、墓地やライブラリーにあれば《アルケヴィオスへの侵攻》からサーチできます。

門口の断絶》はエンチャント・アーティファクトを破壊しつつ、無限コンボは2/2トークン無限生成でフィニッシャーにもなる便利な枠。相手の《除霊用掃除機》《安らかなる眠り》対策なので通常サイドインもよくします。

長川の引き込み》は目から鱗が落ちる思いでした。通常サイドインしても2マナの打ち消し呪文としてプレイ可能で、コンボ後は相手に無限ドローをさせてライブラリーアウトで勝つ枠です。
例えばサイド後のゲームで、《門口の断絶》をプレイした後に《除霊用掃除機》《安らかなる眠り》を出されて《門口の断絶》を追放されると、無限トークンのパターンが出来なくなります。《アルケヴィオスへの侵攻》はサイドボードからサーチ出来ますが、追放領域に行ったカードはサーチする事が出来ません。

門口の断絶》追放は容易に想定できる事であり、もう1枚《長川の引き込み》という勝ち手段を用意しておく事で相手の墓地対策もケアできるようになります。
平山さんはモダンの《死の国からの脱出》コンボをしばらく使っており勝ち手段が1枚だけだと追放されたときに勝てなくなる経験を積んでいるので、そこから勝ち手段を1枚増やす発想になったのだと思います。
長川の引き込み》イイね!!!

コンボパーツがなかなか揃わない、もしくは墓地対策を置かれていて目の前にいるクリーチャーの対処も迫られている場合、一旦全体除去する必要があります。《アルケヴィオスへの侵攻》から《審判の日》をサーチする選択肢があるとプレイの幅も広がりますし、《審判の日》は通常サイドインする機会も多いです。

一時的封鎖安らかなる眠り
コンボパーツの《この町は狭すぎる》と《機織りの季節》の差異について解説します。

全知》を出していない状態でどちらをプレイする機会が多いかですが、これは2マナという軽さから《この町は狭すぎる》の方に軍配が上がります。
ごくまれに長期戦になったときにドローが欲しくて《アルケヴィオスへの侵攻》から《機織りの季節》をサーチしたいタイミングがありますが6マナが重く、それなら《食糧補充》サーチでも十分な事が多いです。

例えばサイド後のゲームで、相手に出された《除霊用掃除機》《安らかなる眠り》を出されて、それらを《一時的封鎖》で対処してからコンボに入る事は良く起こります。
この際に、バウンスが《機織りの季節》だとトークン以外全バウンスのモードで使うので、《除霊用掃除機》《安らかなる眠り》が戻って来ます。

それでも《アルケヴィオスへの侵攻》から《ジョハンの一時凌ぎ》で無限ドローしてから出し直した《アルケヴィオスへの侵攻》で《失せろ》をサーチして自分の《一時的封鎖》を破壊して、その後2枚目の《アルケヴィオスへの侵攻》で《機織りの季節》で無限コンボという手順なら、墓地対策の上から勝つことが出来ます。この手順を間違えると機織りの季節》を墓地から追放されて無限ループが出来なくなる事に注意。

それと望み無き悪夢》を《一時的封鎖》で追放していてライフが2以下の場合、《機織りの季節》をトークン以外全バウンスのモードで使うと負けます。
それをケアできるように《組立分解》が入ったリストも見かけましたが、カードが弱く通常サイドイン出来る機会も少ないので現在では使われていません。

まとめると、サイド後の墓地対策を《一時的封鎖》する兼ね合いで《機織りの季節》の全バウンスがデメリットになる事があり、通常サイドインして2マナバウンスとして使える可能性から、《この町は狭すぎる》の方が《機織りの季節》よりも優先されます。

ファラジの考古学者悲劇の神託者エファラの分散一時的封鎖
ドローソースを唱えてコンボのために手札を整えていくデッキですが、何も防御しないと《心火の英雄》や《吞気な物漁り》に一瞬でライフを削り取られるので、少しは防御手段も入っています。

ファラジの考古学者》は切削しながら0/3というナイスブロッカーで、ライフを3-5点ほど守ってくれます。特に赤アグロ相手やエスパーピクシー相手には、これを引くかで1-2ターンほど生き延びるターンが増えて最重要!
悲劇の神託者》は《全知》を捨てる役割を持ちつつ、5枚目のブロッカー。このデッキは切削効果により《アルケヴィオスへの侵攻》が2枚墓地に行くとゲームに勝てなくなるのですが、《悲劇の神託者》のライブラリー修復能力によりそれを防ぐ事が出来ます。
しかし《悲劇の神託者》は手札が減るカードであり、カード単体としてはそこまで強くないので、1枚に留めておくのが良さそうです。

エファラの分散》は1マナと言う軽さが素晴らしく、一時しのぎではありますが《心火の英雄》《吞気な物漁り》からライフを守ります。
ファラジの考古学者》で攻撃して《エファラの分散》で戻して出し直す事は頻発するので、覚えておきましょう。

一時的封鎖》は、グルール果敢・エスパーピクシーという2つのアグロデッキに良く効き、サイドボード後も《除霊用掃除機》《安らかなる眠り》を対処できる便利なカードです。当然相手も《一時的封鎖》を破壊するカードをサイドインしてくるので、サイド後は連打できるように4枚欲しいです。

爆発域
アダーカー荒原》は重なるとダメージが多すぎる、《金属海の沿岸》を複数引くと4枚目の土地がタップインと、どちらも1枚だけ引くと強いが2枚目が弱い事が多いため3枚ずつの採用になっています。
爆発域》は土地の枠で相手の《除霊用掃除機》《安らかなる眠り》を対策できる便利な枠です。ただしこのデッキは土地を1枚失うのが手痛い事が多いので、次のターンコンボで勝つというタイミング以外では起動する機会は少な目。

プレイの仕方

・2マナドローソースの順番

ファラジの考古学者決定的瞬間航路の作成悲劇の神託者
手札に《全知》が無い場合、基本的には《ファラジの考古学者》→《決定的瞬間》→《航路の作成》→《悲劇の神託者》の順番です。
ファラジの考古学者》が最優先で、ブロッカーを立てます。《航路の作成》が3番目なのは中盤以降に手札に来た《全知》を捨てる役割があるからです。

ただし手札に3枚目の土地が無い場合は《決定的瞬間》と《航路の作成》の優先度が上がります。
手札に《全知》がある場合は、《航路の作成》が最優先になり《全知》を捨てます。

ブロッカーが必要な相手には《悲劇の神託者》の優先度が上がります。
ただし2ターン目に《悲劇の神託者》を出して手札に《全知》が無く、3ターン目に《食糧補充》をプレイしそうな場合、相手のクリーチャーをブロックしない方が良い事があります。《食糧補充》で《全知》が見つかった場合に、《悲劇の神託者》の死亡誘発型能力で《全知》を捨てられるからです。

・手札8枚によるディスカード

食糧補充
マジックは手札が8枚以上あると、ターン終了時に7枚になるまで手札を捨てるルールがあり、このデッキはそのルールをよく使います。

例えば後攻で《食糧補充》をプレイすると手札が8枚になるので《全知》を捨てる事が出来ます。
先攻の場合でも、3ターン目に《食糧補充》で手札7枚、4ターン目に土地を置かなければ8枚で《全知》を捨てる事が出来ます。
先攻3ターン目に《食糧補充》で手札7枚、4ターン目に2枚目の《食糧補充》で手札9枚、土地を置いても8枚で《全知》を捨てる事が出来ます。

このように、《食糧補充》は《全知》を探しながら手札8枚で《全知》を捨てるという事が実現しやすく、非常にデッキに合っています。

・《アブエロの覚醒》のサイズ

アブエロの覚醒逃げ場なし塔の点火
アブエロの覚醒》は基本的に4マナでプレイする事が多いですが、相手のマナの構え方によって6マナや7マナでプレイする事もあります。
例えばX=2でプレイすれば3/3飛行になって出てくるので、《切り崩し》が当たりません。
同様にX=3でプレイすれば4/4飛行になって出てくるので、《逃げ場なし》《塔の点火》が当たりません。

・除去のケア

エファラの分散困惑の謎掛けアルケヴィオスへの侵攻/Invasion
アブエロの覚醒》は1/1飛行として《全知》を出すので、相手も当然クリーチャー除去を使ってきます。しかし、このデッキは除去をケアするのはそこまで難しくありません。
最も簡単なパターンは、《アブエロの覚醒》で《全知》を1/1飛行で出した後に手札から《全知》をプレイする事です。
手札からプレイした《全知》ならクリーチャー除去は受けず、相手は《全知》を2枚除去する必要があります。

僕は相手が6マナ立っていて《失せろ》を3枚構えている上から勝った事がありました。
①まず《アブエロの覚醒》で《全知》Aを1/1飛行→手札から《全知》Bをプレイ。
②相手はスタックで1/1飛行の《全知》Aに《失せろ》→対応して《エファラの分散》で1/1飛行の《全知》Aを手札に。
③スタック上の《全知》Bが解決。そこから手札に戻った《全知》Aをプレイ。
④相手は《全知》Bに《失せろ》。《失せろ》を解決して、その後《全知》Aが解決。
⑤《アルケヴィオスへの侵攻》プレイ→相手は《全知》Aに《失せろ》だが、《困惑の謎掛け》で打ち消して勝利。

除去は3枚くらいなら乗り越えられます。除去より《呪文貫き》や《否認》の方が苦手。

・墓地対策のケア

航路の作成解呪安らかなる眠り除霊用掃除機
サイド後のゲームでは、手札や展開によりますが安易に《全知》を捨てない方が良い状況が起こります。
1度《全知》を捨てた後に墓地対策されて、墓地対策は破壊した上でもう1回《全知》を墓地に送るのは苦労するからです。

相手の墓地対策は、《全知》が墓地に無ければ《解呪》と1対1交換出来ます。
相手の展開を見て、墓地対策が無いなら6ターン目に《航路の作成》から《全知》を捨てて、《アブエロの覚醒》と繋げる事が多いです。

その他


錠前破りのいたずら屋/Picklock堂々たる撤廃者激浪の機械巨人魂の洞窟
錠前破りのいたずら屋》は切削枚数は4枚で良いのですが、一時的封鎖》と《アルケヴィオスへの侵攻》を選べないという致命的な欠陥があり、最近は減少傾向。

堂々たる撤廃者》は打ち消しを構えてくるコントロールデッキやドメインに強く、《否認》やインスタントの除去を全て無視できるようになります。もし青系コントロールが増えるなら増やしたい枠。《魂の洞窟》とセットだと安全にコンボを決められます。

激浪の機械巨人》はミッドレンジデッキに対する、《強迫》《否認》や墓地対策へ軸をずらした勝ち手段ですが、正直な所イマイチかも知れません。
5マナという重さで1体除去なのがあまり強くなく、《アブエロの覚醒》の対象にもなりますが、それなら《全知》を釣りたい。

おわりに


ネットワーク呪詛
全知コンボについて詳しく解説して行きました。
プレイは難しいですが、難解なパズルを解いているようでかなり楽しいので、ぜひ回してみて下さい。

ただし、MTGアリーナでは制限時間の関係で無限コンボをするのが不可能なので、勝ち手段としてサイドボードに《ネットワーク呪詛》を1枚入れるのをお忘れなく。リアルマジックでは無限コンボは省略できます。

それではまた。
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