9月末のプロツアーに向けて、モダンを始めました。
まずは一番人気のデッキから回そうと考え、ボロスエネルギーからスタート!
マジックオンラインの大会に出て
トップ8が2回、3勝4敗が1回、0勝4敗が1回と言う結果でした。
回していてプレイングが難しい良いデッキだと感じたので、今回はボロスエネルギーを解説していきます。
目次
▪️ボロスエネルギー
▪️その他の採用候補
▪️おわりに
ボロスエネルギー
メインデッキ
モダンホライゾンの優秀なクリーチャー達を中心に攻めるアグロデッキです。《魂の導き手》はエネルギーを供給しながら回復し、飛行カウンターと+2/+2付与により3マナ相当のクリーチャーへと変貌します。
《オセロットの群れ》は回復により毎ターントークンを生成し、単体で全体除去を要求する盤面作りをしてくれます。
《魂の導き手》の回復との相性が良く、攻撃が出来ない場面でも毎ターン猫トークンを増やします。
昇殿を達成すると出るトークンが2倍になり、例えば
《鏡割りの寓話》《歴戦の紅蓮術士》など他のカードで出したトークンでも
《オセロットの群れ》の効果で2倍に!同時に
《魂の導き手》がいればライフ回復とエネルギーが凄まじい量になり、圧倒的な盤面を作ります。
《敏捷なこそ泥、ラガバン》は特に先行1ターン目のプレッシャーが圧倒的で、除去でブロッカーをどかしながら宝物トークン生成&アドバンテージ。
しかし
《オークの弓使い》に弱かったり、ブロッカーの多い相手には何もしない事もあり、サイドアウトの機会が多いカードでもあるので、ラガバンを4枚採用しない人もいます。コンボデッキやミッドレンジ相手には無類の強さがあり、1ターン目に最も出したいクリーチャーなので、ラガバンは3-4枚で悩む枠です。
クリーチャーで攻めるだけなら、クリーチャー除去が多いデッキに弱そうに思えますが、
ボロスエネルギーは除去1-2枚では止まりにくく、むしろ全てのクリーチャーが除去必須で除去が足りなくなるくらいです。
除去が足りなくなる理由の一つが、除去に強い性質を持つ《ナカティルの最下層民、アジャニ》。単純に本体が除去されても猫トークンが残りますし、例えば相手の除去にスタックで自分の猫トークンにインスタント除去を撃てば、
《ナカティルの報復者、アジャニ》に変身するので除去を回避する事が出来ます。
1マナ構えて自分の猫トークンに
《電気放出》出来るようにしたり、
《ゴブリンの砲撃》で能動的に変身できる状態で出したりと、もしくは2体目の
《ナカティルの最下層民、アジャニ》をプレイして伝説ルールで墓地に落として
《ナカティルの報復者、アジャニ》に変身したりと、かなりプレイの選択肢の多いカードです。
変身後の能力も多彩で、例えば相手のデッキに
《火の怒りのタイタン、フレージ》が入っているなら[+2]能力から入ることで忠誠度を3点火力圏外にしたり、相手が横並べのデッキなら[-4]能力を狙う事もあります。[0]能力を使う事が多いですが、他の2つの能力も十分強力で、
アジャニの使い方を理解する事がボロスエネルギー上達の第一歩だと感じます。《ゴブリンの砲撃》は赤のパーマネントなためアジャニの[0]能力を強く使う事が出来て、
《オセロットの群れ》のトークン生成と合わせてゲームに勝つターンを早めてくれます。ほとんどのリストでは
《ゴブリンの砲撃》が3枚ですが、
《ゴブリンの砲撃》を複数引いたときに手札で腐りやすいリスクもあるカードなので、2-3枚で悩むカードだと考えています。
ボロスエネルギーが除去1-2枚では止まりにくい理由の2つ目は、《火の怒りのタイタン、フレージ》です。クリーチャーを除去される=墓地にカードが溜まるので、除去とクリーチャーの交換の先にあるのは、複数回のフレージ脱出による除去&回復。ここに
《栄光の闘技場》が加わることで、
驚異の12点火力が速攻で走って来ます。ボロスエネルギーは1/1や2/2中心なので
《紅蓮地獄》《炎魔法》をサイドインされやすいのですが、これらの全体火力ではフレージを対処できない問題もあります。1-2マナのクリーチャーとフレージの両方を対処するのが本当に難しく、
フレージがあるからこそボロスエネルギーはトップメタのデッキであり続けています。3マナ域の選定は難しく、多く枚数を入れすぎると動きが悪くなってしまうので、
合計4枚ほどが適正に思えます。
今のリストでは
《歴戦の紅蓮術士》よりも
《鏡割りの寓話》を優先しています。
《歴戦の紅蓮術士》が必ずドローするので相手の
《オークの弓使い》に弱いこと、
《鏡割りの寓話》の1章と3章能力が両方とも除去を要求するクリーチャーであること、
《鏡割りの寓話》の2章が解決するまでに自分の優先権なので、
《火の怒りのタイタン、フレージ》を2章で捨ててから即脱出と言うプレイが相手の墓地対策を回避できる事、などが理由です。
《歴戦の紅蓮術士》は手札が空のときに2ドローでつながる、
《ゴブリンの砲撃》でトークンを生贄にしやすい、などのメリットがあります。
除去枠。
《電気放出》はインスタントで3-5点ほどで撃てるので4枚確定。
《静牢》は
《魂の導き手》がいないと長いターン維持するのは難しいですが、それでもどんなパーマネントでも対処できるので便利な除去。
《静牢》は相手の
《空の怒り》など全体除去に巻き込まれることがあり、サイド後に減らす事が多いです。
《スレイベンの魔除け》は3つのモードどれもが便利ですが、2マナが少し重かったり、相手の除去の枚数が多いとクリーチャーの2倍ダメージの効果が機能しなかったりするので、2枚が適正に思えています。
メインで他の除去の選択肢としては
《稲妻》《虹色の終焉》などです。本体を攻めて行きたいなら
《稲妻》、3色目を足すなら
《虹色の終焉》といった所。
ボロスエネルギーはメインデッキの55枚くらいは確定で、自由枠を好みで選ぶことになります。
最近自由枠で試しているのが
《マナの税収》で、1マナクリーチャー連打から
《マナの税収》で蓋をする動きが良いです。2マナや3マナのカードが中心のデッキ、例えば白黒ブリンクやジェスカイ系のデッキに効きやすいです。
《マナの税収》は後半にトップデッキした弱いカードでもあり、すごく強いときと弱いときの差が激しいカードでもあります。
入っていると相手のプレイがやりづらくなるのが強いカードなので、2枚くらいが適正かも。マナベースは初期は
《霊気拠点》が入っていた時期がありましたが、今は
フェッチランド12枚で諜報2枚が主流になりました。
フレージの脱出を考えると墓地枚数が欲しいので、今のフェッチランド中心のマナベースは非常に理にかなっています。
アミュレットタイタンに《残響する深淵》でコピーされる可能性があるので、森フェッチである《吹きさらしの荒野》よりも《湿地の干潟》の方が良いです。細かいですが、他のデッキでフェッチランドを入れる時にも覚えておきましょう。
サイドボード
サイドボードの解説です。
ボロスエネルギーは
ストーム、ベルチャー、アミュレットタイタンなどコンボデッキを苦手としており、特にメイン戦は負けやすいです。
コンボデッキ対策として強いのが
《オアリムの詠唱》。例えば
《睡蓮の花》の待機が明けるタイミングでアップキープに
《オアリムの詠唱》すれば
《睡蓮の花》は追放されたままになり、ストーム相手には
《炎の中の過去》にスタックで
《オアリムの詠唱》で実質無効化、アミュレットタイタンにも
《オアリムの詠唱》で1ターン得ることが出来ます。1マナの軽さと不利マッチを良くしてくれる事から、
《オアリムの詠唱》は優先してサイドに入れたい。
《真昼の決闘》はストーム対策と、1ターンに複数回呪文を唱えるイゼット果敢のようなデッキに対して効きます。
《天界の粛清》は
《ベイルマークの大主》《新たな夜明け、ケトラモーズ》《超能力蛙》など、除去できる範囲が広いです。エネルギーのミラーマッチでも
《火の怒りのタイタン、フレージ》追放、
《ゴブリンの砲撃》触れると悪くないですが、白いクリーチャーを除去出来ないデメリットもあります。
《空の怒り》はエネルギーのミラーマッチで、特に後手番を逆転するのに必要。
《ウルザの物語》を中心にしたデッキ相手にも、1体4交換以上が狙えます。
《血染めの月》はアミュレットタイタンや、3色以上のデッキに対して。英雄譚のルール変更により
《ウルザの物語》に効かなくなったので、
《ウルザの物語》デッキに対してはサイドインしないと考えていますが、もう少し研究したい所。
《摩耗+損耗》は小回りの利く良い除去で、
《ウルザの物語》デッキに効くのはもちろん、
《ベイルマークの大主》を1マナで除去できるのが良いです。
《スカルドの決戦》は除去の多いミッドレンジ対策で、4枚リソース確保で長期戦向けです。エネルギーのミラーマッチや、白黒ブリンク系統、コントロールデッキなどにサイドインします。
《魂標ランタン》は墓地対策が少しは欲しいですが、相手の
《空の怒り》でアドバンテージを失いにくい墓地対策を考えたらこれが一番でした。相手のフレージを追放しつつ1ドローが出来るので、フレージしか墓地利用が入っていないデッキに対してもサイドインする候補に出来ます。
その他の採用候補
久遠の終端からの新戦力。ワープコストが軽く、
《栄光の闘技場》から出せば速攻で攻撃できます。
《鏡割りの寓話》の裏面
《キキジキの鏡像》からコピーしたら、コピートークンが2体出ます。
その後
《オセロットの群れ》が昇殿して、ターンエンド時にオセロットが誘発したらトークンが何体出るのが、
正直ジャッジに聞いてみないとわかりません!すごい数のトークンが出て勝ち盤面になるのは確かです。2枚くらい採用されるかも。
《勝利の楽士》はトークン生成能力が
《魂の導き手》《ゴブリンの砲撃》の両方と相性が良く、
《栄光の闘技場》での速攻付与とデッキに合っているので有力候補です。コンボデッキに対して2マナが少し重く間に合っていないのと、エネルギーのミラーマッチで2マナと1マナ除去の交換だったりフレージの的になりやすい事から、強い相手が限定されるカードだと感じました。ただデッキ内に相性の良いカードは多く、良い候補です。
《イーオスのレインジャー長》はコンボデッキ相手に生贄の能力が強いですが、
《鏡割りの寓話》よりも少し性能が落ちる印象です。
《耳の痛い静寂》はストームやイゼット果敢対策ですが、他のコンボデッキの対策も兼ねる
《オアリムの詠唱》の方が良さそう。
《石のような静寂》《鳴り渡る龍哮の征服者》は対策したい範囲は似ており、ベルチャーの
《睡蓮の花》《ゴブリンの放火砲》の起動を止めたり、
《ウルザの物語》デッキを対策したり。
《鳴り渡る龍哮の征服者》は
《栄光の闘技場》で走って行けるのが強いですが、3マナはボロスエネルギーにとって重い事が多いです。
《溶鉄の雨》は、エルドラージ系に対して
《楽園の拡散》の付いた
《森》を破壊したり、刻印した
《ウギンの迷宮》を破壊したりと、輝く場面があります。
ただ1枚で勝つ可能性のある
《血染めの月》に比べると少しマイルドな土地対策。
《溶鉄の雨》が強い場面、
《血染めの月》が強い場面はどちらも起こるので、ここらへんはメタゲーム次第です。
ボロスエネルギーは
《新生化》コンボをとても苦手としており、強めに対策したいのなら
《墓掘りの檻》《苛立たしいガラクタ》などが必要になって来ます。
《墓掘りの檻》はライブラリーからクリーチャーを出すのを防ぐので
《新生化》《異界の進化》対策。自分のフレージも脱出できなくなるのに注意。
《苛立たしいガラクタ》は0マナで唱えた
《アロサウルス乗り》や
《召喚士の契約》を打ち消します。
タッチ黒やタッチ青するときの採用候補です。ただ3色にするとショックランドからのダメージが増えて、マナベースが少し弱くなります。
今のボロスエネルギーの2色マナベースは非常に強く、
マジックはマナベースがとても大事なゲームなので、3色にするリスクもしっかり考えましょう。
おわりに
モダンの一番人気デッキでありながら奥が深い、ボロスエネルギーを紹介していきました。
《ナカティルの最下層民、アジャニ》の使い方が一番勝敗に影響するので、アジャニの使い方を研究していってね!それではまた。