皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
プロツアーFFで惨敗→記事を書く暇ないうちにスポットライトシリーズが開催(仕事で不参加)だったので、編集の方と相談した上でPTレポートはお蔵入りにしました。
ラッシュにスポンサードしていただいてから6年ぐらい経ちますが、大型イベントのレポートを書かなかったのは今回が多分初めてです。いつも楽しみにしてくださってる方にはすみません。僕自体は負けましたが、
チームメイトの行弘がPT優勝してめちゃくちゃ嬉しかったです!MTG公式より
さて、ついこの間『マジック:ザ・ギャザリング - FINAL FANTASY』が発売されたと思いきや、もう最新セットが出るんですね。
月日が経つのは早い!というか間隔が短い!!ということで毎度おなじみ、最新エキスパンションである『久遠の終端』のレビューをお届けします。
スタンダードローテーション後の新セットということで、デッキの核になるような新戦力を期待したいですね!
それではスタート!
目次
▪️★《コーリ鋼の短刀》死すとも「疾風」は死せず?並べて強化してドン!!
▪️★軽くてデカいクリーチャーには夢がある!!目指せ1ターン目29/30!
▪️★コントロールは歓喜、アグロは悲鳴。まさかの《一時的封鎖》続投!
▪️★マナベースの変化について
▪️★その他、気になったカードたちをザックリ紹介します
▪️★終わりに
★《コーリ鋼の短刀》死すとも「疾風」は死せず?並べて強化してドン!!
『タルキール:龍嵐録』最強カードであり問題児、
《コーリ鋼の短刀》は強すぎたため一瞬で禁止になりましたが、違う形で穴を埋めてくれそうな新戦力の登場です!
「クリーチャーを横に並べる」「並べたクリーチャーを強化する」をどちらも単体で行えるグッドクリーチャー!タフネスが4なのも、
《削剥》のような除去への耐性を考えると嬉しいですね。
ベースが3マナと少し重いですが、そこは他のエキスパンションのカードでサポートしましょう。個人的には「計画」のカードたちと一緒に使って、3ターン目に一気に並べていきたいですね。速攻を与える
《狡猾なコヨーテ》や、横に並べたトークンをすぐに活かせる
《安全な道の保安官》なんかは相性バツグンです。
新時代のコーリ鋼と話題になった(?)《硫黄の駆り集め》もデッキの方向性が同じ&出たトークンを強化できて相性が良いので、横に並べて一気に攻め込む、新時代のトークンアグロの誕生に期待しましょう!!
★軽くてデカいクリーチャーには夢がある!!目指せ1ターン目29/30!
条件を満たせば軽くて強い、
《タルモゴイフ》の系譜に新たな1ページが刻まれました。2マナ&パワータフネスの表記だけ見れば完全に
《タルモゴイフ》!
「自分がオーナーである」追放領域にカードの枚数に等しい、ということでいわゆる追放除去で強化できないのが少し難しいところ。「証拠収集」で複数枚を一気に追放したり、
《除霊用掃除機》《安らかなる眠り》のような専用カードのサポートが必要となりそうです。スタンダードレベルであれば、2マナ3/4程度いければ十分戦力といえそう。
それが一転、モダン以下だと一気に可能性が広がります!なんといっても最高の相性を誇るのが《血清の粉末》!!これさえあれば、2ターン目に7/8着地!なんなら《血清の粉末》4枚+《宝石の洞窟》であれば後攻1ターン目に29/30が登場です!うおおおお!!!!!《血清の粉末》は初手依存ですが、
《暗黒への突入》なら後引きでも大丈夫。19点支払えば18枚追放しつつ欲しいカードを探すことができます!
《ひずみの一撃》のようなカードを探すのがベストでしょうか。
《ひずみの一撃》自体も「反復」で追放されるのでワンパン20点!
上記のような専用カードを使わずとも、このあたりのカードと使えば自然とサイズは上がりますね。
《コスモゴイフ》自体が相手の
《大祖始の遺産》《虚無の呪文爆弾》といったサイドカードへの対策になっていて良さそう。
タッチ緑のディミーアマークタイド、いけるのか?今回のローテーションで、白の守りの要であった
《一時的封鎖》が退場。対アグロ系をコレ1枚に依存していた白いコントロール系は苦境に立たされるかと思われていました。
ところが、かなり近い能力のカードが『久遠の終端』で登場したのです!2マナ以下の全てのクリーチャー、アーティファクトを追放できるのは変わらず、エンチャントやプレインズウォーカーといったカードは追放できなくなりました。また、エンチャントではなくアーティファクトになったのもポイントです。
それぞれのメリットとデメリットを考えてみると
エンチャントやプレインズウォーカーを追放できない
メリット
・《領事の権限》《真昼の決闘》といった相手を妨害するエンチャントを追放しなくなった
・今回収録された《縫い目破り》(エンチャント版《ポータブル・ホール》)を残せる
デメリット
・《プロフトの映像記憶》《亭主の才能》《陰湿な根》といった強力なエンチャントを対処できない
・(モダン以下)《老練の学匠、タミヨウ》《ナカティルの報復者、アジャニ》といったプレインズウォーカーを対処できない
かなり影響ありそうです。自分のエンチャントを残せるようになった点を生かしつつ、触れなくなったエンチャントは
《失せろ》のようなカードでしっかり対処を怠らないようにしましょう。
エンチャント→アーティファクトになった
メリット
・《身代わり合成機》が誘発するようになった
・《再利用隔室》でサーチできるようになった
・《脚当ての陣形》のようなエンチャント破壊を喰らわなくなった
デメリット
・《削剥》のようなアーティファクト破壊を喰らうようになった
といったところです。
《削剥》の使用率次第ではありますが、こちらはメリットが大きいように見えますね。
特にアゾリウス・アーティファクトで使う上では最高のアップデートといえるかもしれません。また8マナと重いのでオマケ程度ではあるものの、起動型能力を使えば割られるリスクもなくなるので、
総じてかなり良いアップデートのように見えます。
《ピナクルの星檻》は今後3年間ずっと見ることになるでしょうね。アグロデッキが好きな方はアーティファクト破壊を常備するように!★マナベースの変化について
『久遠の終端』で収録されたのは、
なんと2018-2019年以来の再録となるギルドランド!10種類全部ではなく、
限られた5種類というのがポイントです。
スタンダードのローテーションに伴い友好色のファストランド、そして10種類全部のダメージランドがスタンダード落ちしたため、今後は諜報ランドと境界ランド、
《始まりの町》、そして上記のギルドランドをベースで構築することになります。
境界ランドとの相性の良さもあり、まずはギルドランドが使える5ギルドが圧倒的に優勢になりそうです。片や境界ランドにも寄与しない
《始まりの町》、片や境界ランドから色が出る&安定感バツグンのギルドランドですからね。その差は一目瞭然。
具体的なデッキを挙げると、既存のイゼット大釜やイゼット果敢、ゴルガリ陰湿な根などはファストは残るもののダメランを失いました。ディミーアミッドレンジはファスト・ダメランの両方を失ったものの、ギルランを得ました。ボロスハツカネズミはファストが残り、ダメランがギルランになったのでむしろマナベースが強化されています。
3色のデッキに目を向けると、ジェスカイコントロールにいたっては元々ダメージランド0枚で諜報+境界だけで運用していたので、
《聖なる鋳造所》が入ったことで安定感が増しそうです。純粋強化ですね。
★その他、気になったカードたちをザックリ紹介します
1マナの天使!
《希望の源、ジアーダ》と相性はいいですが、飛行で攻める天使デッキと相性が良いのかは謎。
スタンダードだと諜報ランドの採用率もそれなりに高いので、先手1ターン目に出して諜報ランドを追放されるとただの
《サバンナ・ライオン》になってしまうのもちょっと懸念点です。
殴るときは2マナ3/3、しかも
《白蘭の騎士》のような能力も持っていてめちゃくちゃ強い!アンコモンなのが違和感あるレベル。
リミテッドでは間違いなくエース級でしょうし、構築でも使うかも。
《胆液の水源》のほぼ上位互換。一番弱い使い方をしても4マナ2ドロー+2~4点ゲインなのでかなりの強カードといえるでしょう。インスタントとアーティファクトの差はあれど、
《熟慮》《推理》より強そう。できれば
《塔の点火》の「協約コスト」だったり、
《ピナクルの星檻》でまとめて追放したりと、マナを払わずに「戦場を離れたとき」の1ドローをしたいところ。
パウパーでは半年ぐらいで禁止になりそう。《きらめく鷹》で戻して1ドロー誘発するのはやり過ぎ!カード自体は強いものの、
《氷魔法の秘宝》《食糧補充》《マラング川の執政》と比べるとちょっと1ランク下がるかなという感じ。惜しい。
久しぶりの0マナサクリ台!!!これからこのカードを軸に、
《威名のソルジャー、セフィロス》軸や
《過去立たせ》軸など様々なサクリファイス系デッキが生まれることでしょう。
諜報1でカードを探しつつ墓地を肥やせるのも凄い!アーティファクト系のカードをまとめて紹介。どちらも適正ターンに出せたときの爆発力は凄そうです。
モダン以下で使うのがオススメ。前者は
《クラーク族の鉄工所》デッキで使うのが良さそうで、後者は親和系のアグロかな。
よくある3マナインスタント2点オールと見せかけて、様々なシナジーがあるのが凄いところ。アーティファクトが出たとき、生け贄に捧げたときなど、プラスアルファを上手く活かせると良いですね。
最悪でも空打ちして着陸船・トークンを出せるので、全体除去が不要なマッチでも最低限の使い道があるのも加点要素。
単体で完結しているすごいヤツ。レガシーでは
《緑の太陽の頂点》からサーチしつつ
《不毛の大地》を連打してそう。
スタンダードでは
《事件現場の分析者》や
《森の轟き、ルムラ》と一緒に使って、昨年のティムールアナリストのようなデッキを作りたいところ。
今回の可愛い枠。『霊気走破』の
《地区のマスコット》といい、最近はコーギー推しなのかな?
大怪我した最愛のペットが機械化して元気に走り回ってくれているのかと思うと、涙が止まりません。
★終わりに
ということでお届けしました『久遠の終端』レビュー。
レアに「配備」を擁する宇宙船カードが多く、そのあたりの評価がどうなるかでエキスパンション全体の評価が大きく変動しそうです。リミテッドはともかく、
構築レベルでも大化けする宇宙船は出てくるのか楽しみですね。
今回の僕のオススメはこの3枚。前者2枚は4枚からデッキを組む系のカード。スタンダードでの新アーキタイプに期待です。
《コスモゴイフ》は化ける可能性を信じてベット。
デッキビルダーたちの出番ですよ!!それでは今回はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!