皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
昨日『久遠の終端』が発売。それと同時にスタンダードがローテーションし、
『団結のドミナリア』『兄弟戦争』『ファイレクシア:完全なる統一』『機械兵団の進軍』『機械兵団の進軍:決戦の後に』の5つのエキスパンションがスタンダード落ちとなりました。
今回のローテーションでは、個人的にお世話になったカードがたくさんスタンダードを去りました。
色々なデッキを使いましたが、
やはり一番思い出深いのはドメインですね。念願の栄冠を掴むことができました。本当にありがとう。さて毎年恒例ではありますが、今回の記事では、
「ローテーションで落ちた有力カード」、そしてローテーション後に残る、
「最近あまり使われていないけど今後注目のカード」をピックアップしていきたいと思います!
目次
▪️★ローテーションで落ちた有力カードたち
▪️★最近あまり使われていないけど今後注目のカード
▪️★終わりに
★ローテーションで落ちた有力カードたち
白
近年の追放除去は非常に強力でした。その双翼を担っていたのが
《太陽降下》と
《力線の束縛》でしょう。個人的にはとてもお世話になりましたが、この2枚を忌み嫌っていた人も多いのではないでしょうか。
《一時的封鎖》も同様にスタンダード落ちとなりますが、こちらについては類似カードである
《ピナクルの星檻》が『久遠の終端』で収録されたのでダメージは少ないですね。
そして「召集」というアーキタイプを生み出したパワーカード、《イーオスの遍歴の騎士》も姿を消すこととなります。2ターン目に繰り出される
《イーオスの遍歴の騎士》は、デッキ相性差もものともしない圧倒的な破壊力でしたね。
《邪悪を打ち砕く》も名サイドボードでしたね。
《婚礼の発表》《策謀の予見者、ラフィーン》環境のときにはメインボードにも採用されたほど、フレキシブルで優秀なカードでした。
◎その他、スタンダード落ちする主なカードたち
《離反ダニ、スクレルヴ》
《軍備放棄》
《救済の波濤》
《再稼働》
《僧院の導師》
《第三の道のロラン》
《巻物変容》
《怒りの大天使》
《セラの模範》など
青
「第二十七代世界王者 高橋優太」あんちゃんこと
《フェアリーの黒幕》はスタンダードから統率者戦に主戦場を移します。このカードはバランスが取れていて、かつ競技的にもプレイされた名カードでしたね。彼のように、いつか自分のカードを作ってもらうのが、僕の今の目標です。
青単、青白メンター、そして青白眼魔と形を変えながらもエースとして活躍していた3マナの化け物。パワー10を超えるアタックに沈んだことは数え切れず。
このあたりの、いわゆる
「掘る」カードも軒並み退場です。コンボデッキや
《忌まわしき眼魔》系のデッキは少し組みづらくなりますね。
◎その他、スタンダード落ちする主なカードたち
《方程式の改変》
《侵攻の伝令、ローナ》
《完成化した精神、ジェイス》
《金属の徒党の種子鮫》
《エファラの分散》など
黒
この数年間を定義していたといっても過言ではない黒。特に除去が優秀で、環境のクリーチャー採択に大きな影響を与えていました。
最も影響が大きいのがこの2枚でしょう。黒いデッキでこれらを使わないことは珍しく、最初から最後まで使われ続けた、最上級の除去カードでした。
プレインズウォーカーを対処できる貴重な除去たちも一緒に退場です。3ターン目
《悪夢滅ぼし、魁渡》は益々盤石になりそう。
パイオニアでも活躍している、4マナのエースクリーチャーもついにお別れです。特に
《黙示録、シェオルドレッド》の強さは衝撃的でしたね。
まさか4マナで出たときに何もしないレジェンドクリーチャーが4枚使われるとは!◎その他、スタンダード落ちする主なカードたち
《鋼と油の夢》
《苦痛ある選定》
《ヴェールのリリアナ》
《ヨーグモスの法務官、ギックス》
《ぎらつく氾濫》
《ギックスの残虐》
《ギックスの命令》など
赤
『ブルームバロウ』のカードたちが強すぎたため、一瞬で使われなくなったカードたち。
彼らがエースとして戦っていた時代、覚えてますか?《心火の英雄》《多様な鼠》に比べて牧歌的でしたね。
どちらも優秀なサイドボードでした。個人的には
《ウラブラスクの溶鉱炉》でコントロールやディミーアミッドを蹴散らしているときが最高でしたね。
《領事の権限》が憎い!
直近で最も活躍したのはこのカードでしょう。
《アガサの魂の大釜》や
《陰湿な根》デッキで大活躍でした。どちらも核は残るものの、ターンを返さずにゲームを終わらせることができたこのカードの代わりを探すのは結構大変そうです。
◎その他、スタンダード落ちする主なカードたち
《石術の連射》
《騒音の悪獣》
《上機嫌の解体》
《怪しげな統治者、スクイー》
《レジスタンスの火、コス》
《希望の標、チャンドラ》など
緑
この1年、ゴルガリミッドレンジとドメイン以外の緑のデッキはあまり活躍しませんでした。活躍したカードが少なく、カードを探していて悲しくなりました。
一部のプレイヤーに愛され、そしてその倍以上のプレイヤーに嫌われたであろうカード。「感染」というアーキタイプが数年振りにスタンダードで活躍する原動力になりました。
《渦巻く霧の行進》を昨年のローテーションで失ってからは見る影もなくて残念。
エスパーピクシー、オルゾフピクシーといった
《望み無き悪夢》デッキが活躍したときに大活躍。デッキの色関係なく採用できる、珍しいカードでした。
◎その他、スタンダード落ちする主なカードたち
《機能不全ダニ》
《羅利骨灰》
《温厚な襞背》
《復活した精霊信者、ニッサ》
《レンと次元壊し》
《向上した精霊信者、ニッサ》
《群れの渡り》など
多色
このカードなしに多色を語れないでしょう。釣るデッキ(リアニメイト系)から素出しするデッキ(ドメイン系)まで、あらゆるデッキで活躍した、歴代最強の天使。能力が強力なだけでなく、カラーリングが恵まれていることもあり、今後もあらゆるフォーマットで見かけることでしょう。
ありがとう《偉大なる統一者、アトラクサ》!!『ダスクモーン』後、
《偉大なる統一者、アトラクサ》《怒りの大天使》の居場所を奪った張本人。
《力線の束縛》や各種大主が絆魂で殴りかかってくるのは異常ともいえる盤面でした。
《永遠の策謀家、ズアー》《力線の束縛》が環境から退場することにより、
ランプ系は今後《スピラの希望、ユウナ》系に統一されていくでしょう。◎その他、スタンダード落ちする主なカードたち
《先兵の飛行士、ハービン》
《アモンケットへの侵攻》
《グリッサ・サンスレイヤー》
《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》
《復活したアーテイ》
《統べるもの、ジョダー》
《アラーラへの侵攻》
《無形の処刑者、ケイヤ》など
アーティファクト、土地
「レジェンズ」というデッキを生み出した
《伝説の秘宝》でしたが、
《大スライム、スローグルク》や各種魂力ランドを失ってからは見る機会も減っていました。
今後パイオニアで活躍することはあるのでしょうか?《石の脳》は環境の安全弁として大活躍。ティムールアナリストや全知コンボなど、1種類のカードに依存したデッキに対してのキラーカードとして唯一無二の存在でした。
ダメージランド全種、そして友好色ファストランド5色がスタンダードを去ります。『久遠の終端』で5種類のギルドランドが再録されましたが、そこで再録されていない5種類=アゾリウス、イゼット、ラクドス、セレズニア、ゴルガリは次のセット発売まで悲しい時間を過ごすことになります。
特に友好色であるアゾリウス・ラクドス・セレズニアに至ってはファストランドもないため、デッキの存在すら少し危ぶまれるかもしれません。
マジックはマナベースが命。◎その他、スタンダード落ちする主なカードたち
《金線の酒杯》
《英雄の公有地》
《ミレックス》など
★最近あまり使われていないけど今後注目のカード
最後に、おまけとして
「最近あまり使われていないけど今後注目のカード」をあげていきたいと思います。
昨年分を見返したら結構外していましたが、それもこれも『ブルームバロウ』と『ダスクモーン』が強すぎたせいだ!と言い訳しておきます。
「除去の質が環境を定義する」。《喉首狙い》が落ちた後、もっとも有力な2マナ確定除去は《保安官を撃て》でしょう。そこでオススメなのが、
《保安官を撃て》で除去されない=擬似的に除去耐性となる「無法者」(暗殺者、海賊、邪術師、ならず者、傭兵)クリーチャーです!従来であれば多少重いと
《喉首狙い》でテンポを取られて終了でしたが、
《保安官を撃て》されないのであれば定着しやすい可能性が大。環境のギャップを付いて有利な盤面を構築していきましょう!
★終わりに
ということで、「ローテーションで落ちた有力カード」と「最近あまり使われていないけど今後要注目のカード」特集をお届けしました。
自分でも把握しきれていないものも多く、記事を書きながら
「コレ落ちたのか!」といった気付きも数え切れないほどありました。
スタンダード落ちしたことを忘れやすいのがこの辺り。普段からよく使っていた、もはや基本セットのような感覚で使っていた優秀なサイドボードカードは見落としやすいのでローテーション直後は要注意です。
逆に、これらのカードは「ローテーション落ちしたと思いきや、ファウンデーションズに収録されているため今後も使える」カードです。これもかなり分かりづらいので、使って覚えていくしかなさそうですね。今後の環境に目を向けると、
マナベースが弱体化したものの基本パーツが全て残るイゼット(果敢、大釜)、何ならマナベースが強化した上にほぼ変化のないジェスカイコントロール、除去の質は下がったものの1234のラインは健在なディミーアミッドレンジあたりがまずは順当に強そうです。
マナベースの強さを生かしたボロスアグロ(ハツカネズミ)あたりも結構良さそうなので、そういったところからスタートしつつ、『久遠の終端』の新カードたちがどこまで食い込んでくるか。
ぜひ様々なデッキを組んで、新環境を楽しんでください!そんなところで今回はここまで。
また次の記事でお会いしましょう!