皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
『久遠の終端』発売からもうすぐ一ヶ月。店舗予選も8月上旬より開催されていて、夏の暑さに負けじとスタンダードが熱い日々が続いています。
前評判の高かったイゼット大釜が依然としてダントツトップメタではありますが、
その裏で安定して活躍しているデッキたちもあります。
今回の記事では、現環境で注目のデッキを順にご紹介していきたいと思います。
★注目デッキ紹介
◎イゼット大釜
禁止改定を免れたことにより、ローテーション後もほぼ変わらぬ形を留めているイゼット大釜。
国内外の大会結果を見てもトップ8の半分以上を占めていることは珍しくなく、
名実ともに最強デッキの座をほしいままにしています。《迷える黒魔道士、ビビ》+《アガサの魂の大釜》が強いだけなら対処は簡単かもしれませんが、そうではないのがトップメタである理由。《略奪するアオザメ》《逸失への恐怖》《光砕く者、テルサ》+
《プロフトの映像記憶》というビートダウンプランがあり、4枚搭載された
《冬夜の物語》でアドバンテージ勝負もどんと来い。キャントリップやドローが多いためデッキの安定性も高い。
最大値が高く、安定性も高く、弱点が少ない。これぞ王者デッキという風格が漂ってますね。最近使用率が上がっているのが《蒸気核の学者》。ジェスカイ眼魔の頃から
《プロフトの映像記憶》と一緒に使われていたので相性の良さは言わずもがな。
攻撃性能こそ
《光砕く者、テルサ》に劣りますが、アドバンテージが取れる
(2枚引いて1枚捨てることにより手札が増える)のは
《光砕く者、テルサ》ではなし得ないことであり、ロングゲームをするマッチやミラーマッチで特に輝きます。
一方、徐々に使用率が落ちているのが《塔の点火》です。《嵐追いの才能》擁するイゼット果敢と異なり「協約」のコストの供給が乏しいため、
《蒸気核の学者》の入っていないリスト相手だと育つ前の
《略奪するアオザメ》ぐらいしか対象がいないことも多々。
圧倒的多数であるミラーマッチを見据えると、
《洪水の大口へ》や
《削剥》にその枠を譲るのは仕方ないことでしょう。
◎ディミーアミッドレンジ
こちらも前環境より引き続き活躍しているアーキタイプ。リアルではそこまで使用者数が多くないようですが、Magic Onlineではイゼット大釜に次ぐ2番人気を維持していますし、ChallengeやShowcaseといった競技イベントでも頻繁に優勝しています。
《切り崩し》《喉首狙い》《フェアリーの黒幕》《黙示録、シェオルドレッド》といったカードをローテーションで失ったものの、デッキの根幹である
低マナクリーチャーからの《悪夢滅ぼし、魁渡》《永劫の好奇心》といった動きは健在です。
『久遠の終端』から採用されているのは、
《致命的な一押し》と似た効果を持つ1マナ除去
《悲劇の軌跡》。
《切り崩し》から比べるとソーサリーになってしまったのは痛いですが、ヴォイドさせることで確定除去になるのが嬉しいところ。
《遠眼鏡のセイレーン》で生成した地図トークン、
《フラッドピットの溺れさせ》の起動型能力、
《悪夢滅ぼし、魁渡》の忍術などを駆使して適正ターンにヴォイドさせましょう。
《黙示録、シェオルドレッド》のローテーション落ち、そして
《喉首狙い》が退場して黒い単体除去が
《保安官を撃て》になったことにより、
《情け知らずのヴレン》の価値がアップ。死亡を置換して追放する能力も、
《アガサの魂の大釜》や
《永劫の好奇心》に対して強く、環境にマッチしています。
◎青白コントロール
メタゲームが固まっている時こそ、コントロールが輝くとき。ダントツトップメタであるイゼット大釜が
《アガサの魂の大釜》《逸失への恐怖》《冬夜の物語》など墓地を活用しているので、
メインから《安らかなる眠り》を採用してバリバリにメタっていっていて好感が持てます。2番手であるディミーアミッドレンジにも一応
《永劫の好奇心》を追放できる=完全に無駄牌になるわけではないのが嬉しいですね。
スタンダードで好成績を残し続けているryuumeiさんですが、普段はアグロやミッドレンジを使用している印象。
そんな彼が青白コントロールを選んだということは、余程この環境にマッチしているという証左なのかなと個人的に感じました。『久遠の終端』からの新戦力、
《星間航路の助言》は青白コントロールの定番のカードになったようで、スタンダードだけでなくパイオニアやモダンでも使われています。4マナでプレイしてアドバンテージを取るのが基本ですが、中盤以降も軽く打ちつつ
《審判の日》を探すといったアクションが可能なのは、他のドロースペルにない魅力です。
スタンダードにおいては《食糧補充》と《マラング川の執政》が強すぎてそこまで使われないかなと個人的に予想していましたが、蓋を開けてみればこの通り。うーん、情けない。◎赤単アグロ
そして先週末一番輝いたのは、
アグロデッキの名手として知られる人見さんがスペシャル予選を勝ち抜いたこの赤単アグロでしょう。《心火の英雄》の禁止、そしてそれに伴う
《多様な鼠》の弱体化で大ダメージを負っていた赤単でしたが、
見事なチューニングと個性的なカードの採用で見事復活を遂げました。彼自身だけでなく、
彼の活躍を見て翌日に同デッキを使用した多くのプレイヤーが好成績を叩き出した、正に旬のデッキといえます。
メインから大量の単体除去が搭載されているのが特徴的で、彼のX(旧Twitter)曰く
「イゼット大釜とディミーアミッドレンジだけを意識して構築した」とのこと。
《迷える黒魔道士、ビビ》や
《永劫の好奇心》の生存を絶対に許さないぞという強い意志が感じられます。
このカードの存在を覚えていた人はそう多くないのではないでしょうか。2マナクリーチャーながら常在型能力が強く、イゼット大釜の各種ドローを狙い撃ちした性能となっていますが、これまで構築で使われた実績はほぼ皆無に等しかったと思います。
前述の通りイゼット大釜からは
《塔の点火》が減りつつあり、ディミーアミッドレンジの除去が
《保安官を撃て》になった
今のメタゲームにジャストフィットした1枚。これはお見事!!終わりに
ということで、今回の記事ではスタンダードで活躍しているデッキたちを特集しました。
見慣れたデッキが多く、細かいチューニングでミラーマッチを競うプレイヤーが多い中、
斬新なデッキ構築で好成績を残した人見さんの赤単は特に絶賛に値すると思います。
今週末にはアメリカ・フロリダ州オーランドにて
「Magic Spotlight: Planetary Rotation」が開催されます。
現スタンダードの集大成ともいえるこのイベントでは、果たしてこのままイゼット大釜が勝ちまくるのか、それとも他のデッキが意地を見せるのか。僕自身は参加しないものの、遠征する友人もいるので彼らの活躍に期待したいと思います。
それでは今回はここまで。
また次回の記事でお会いしましょう!