正直な話、「久遠の終端」は最初は少し弱めのセットだと思っていました。しかし予想以上に新カードが活躍し、特に
《量子の謎かけ屋》《冷酷な船長、テゼレット》はモダンでも存在感を示しています。
新カードや新能力の評価はいつも難しい!今回はモダンの最新デッキを紹介していきます!
目次
▪️参考情報
▪️エルドラージトロン
▪️グリクシスリアニメイト
▪️繁殖鱗コンボ
▪️エスパー御霊
▪️おわりに
参考情報
Modern Challenge 64(8/18開催)Modern Challenge 32(8/18開催)Modern Challenge 32(8/17開催)マジックオンライン上の大会結果を参考にしています。
エルドラージトロン

《探検の地図》の土地サーチを駆使しつつ
《ウルザの塔》《ウルザの鉱山》《ウルザの魔力炉》を揃えて、3ターン目に
《嵐の目、ウギン》《七つの死の種父》など強力な7マナを出して勝利するデッキです。
《嵐の目、ウギン》は唱えた時の誘発で除去しつつアドバンテージ源になるので、単純な除去では対処が難しく、
《七つの死の種父》は戦場を支配する攻防備えた能力です。どちらも1枚でゲームに勝てる性能を持っています。
《ウルザの塔》など土地が揃わない場合でも、
《まばゆい肉掻き》《コジレックの命令》などで中盤を支えるカードでマナ加速しつつ7マナ到達を目指し、これらエルドラージ呪文を
《エルドラージの寺院》から高速展開していきます。
新加入の《冷酷な船長、テゼレット》は、[-3]能力で状況に合わせたアーティファクトをサーチするのが基本的な動き。墓地を使う相手→《魂標ランタン》
《アロサウルス乗り》など代用マナコストで呪文をプレイしてくる相手→《苛立たしいガラクタ》
《オパールのモックス》など0マナのアーティファクトやトークン中心の相手→《仕組まれた爆薬》
1マナや2マナのカードが中心の相手→《虚空の杯》
そしてマナの余る後半には
《歩行バリスタ》と、相手のデッキに合わせてサーチします。
[0]能力も便利で、
《精神石》をアンタップすれば1マナ増えますし、
《歩行バリスタ》を対象にすれば+1/+1カウンターが乗ります。
他のアーティファクトを出す事で忠誠度が増えるので[-7]能力起動も難しくなくて、起動できれば
《精神石》や
《探検の地図》でもクリーチャー化して攻撃していきます。
テゼレットに加えて
《大いなる創造者、カーン》もあるので、
ライブラリーとサイドボードであらゆる所からサーチできるようになりました。《液鋼の塗膜》をサーチすればカーンの[+1]と合わせて相手の土地を0/0クリーチャーにすることで土地破壊できます。他にも
《罠の橋》サーチで攻撃を止めたり、
《殲滅戦艦》で全体除去しつつ土地破壊したりと、無色デッキにも関わらず器用に立ち回る事が出来ます。
グリクシスリアニメイト
墓地を増やすカードを活用して、早いターンに巨大な飛行クリーチャーを出して勝利するデッキです。まずは
《思考掃き》や
《信仰無き物あさり》で墓地を増やし、墓地が6枚溜まったら
《忌まわしき眼魔》をプレイ。毎ターン戦慄予示するので、攻守ともに優れた性能で、生き残れば速やかにゲームに勝ちます。
《発掘》は
《忌まわしき眼魔》が除去された際に再度出し直せて、
《思考掃き》や
《信仰無き物あさり》で
《忌まわしき眼魔》が墓地に落ちれば最速2ターン目に出せるショートカットになります。
《超能力蛙》はこれ単体で強く、手札を捨てて墓地を6枚にする役割としても役立ちます。
デッキ名のリアニメイトは
《再活性》の英語名が元で、墓地からクリーチャーを戦場に出す効果全般を指しています。
このデッキのリアニメイトは
《頑強》の事で、
《思考掃き》や
《信仰無き物あさり》で墓地に落ちれば最速2ターン目に
《残虐の執政官》!
《残虐の執政官》は誘発型能力がとても強く、例え除去されたとしてもアドバンテージは得ていますし、場に残ればすぐにゲームに性能があります。
ただデッキに4枚なので引けない場合もあり、
《忌まわしき眼魔》と合わせてリアニメイト先を分散する事で少し安定性を上げています。もう一つのリアニメイト先は
《カザド=ドゥームのトロール》ですが、戦場に出た時の効果が無いので除去に弱く、出ても-1/-1カウンターにより5/4なので少しインパクトに欠ける事から、1枚に抑えられています。
繁殖鱗コンボ
《日を浴びる繁殖鱗》を用いた無限コンボデッキです。無限の手順は以下の通り。
①《日を浴びる繁殖鱗》を出して、《血の長の刃》を装備。
②《日を浴びる繁殖鱗》の能力を2マナで起動して、エルドラージ落とし子トークンを生成。
③エルドラージ落とし子を生贄にして1マナを生み出し、《血の長の刃》の誘発型能力で+1/+1カウンターが置かれる。
④《日を浴びる繁殖鱗》に+1/+1カウンターが置かれる事で誘発して、再びエルドラージ落とし子トークンを生成。
⑤これにより③と④が無限ループするようになるので、無限マナ生成。
⑥《日を浴びる繁殖鱗》が召喚酔いしていなければ無限+1/+1カウンターが乗って攻撃して勝利。召喚酔いしているなら、無限マナから《まばゆい肉搔き》で④のトークン誘発で無限ダメージで勝利。《コジレックの命令》ならX=50ほどでプレイして《まばゆい肉搔き》を見つけて勝利。
《日を浴びる繁殖鱗》が除去に弱いものの、
《血の長の刃》と合わせて両方マナが軽いので、除去の無い相手には最速3ターン目に無限コンボで勝利できます。
繁殖鱗コンボ一辺倒というわけではなく、クリーチャーの横展開で攻撃して勝つことも良く起こります。その中心になるのが、
《のたうつ蛹》と
《ウルザの物語》。
《のたうつ蛹》は
モダンホライゾン3の最強コモンでしたが、このデッキに合っており攻防とマナ加速の3つを兼ね揃えています。
《ウルザの物語》はコンボパーツの
《血の長の刃》をサーチしつつトークン生成。英雄譚のルール変更により
《血染めの月》や
《海の先駆け》で墓地に落ちなくなったのが強化で、中速デッキとの対決で特に構築物トークンが強いです。
そして繁殖鱗コンボと同じくらい、このデッキの主役と言えるのが《約束された終末、エムラクール》。相手のターンをコントロールする効果は、除去を自分のクリーチャーに撃たせたり、不利な戦闘をさせたり、フェッチランドのサーチで持ってこない、もしくはショックランドでライフを減らすなど、やりたい放題。
このデッキは
《コジレックの命令》と
《ウルザの物語》が複数のカードタイプを持っているためコストを軽減しやすく、ここに
《邪悪鳴らし》などの切削と合わせる事で、エムラクールを6-7マナでプレイする事が多い。
ほとんどの場合、エムラクールをプレイして誘発が解決するのは、勝利するのと同義です。《減衰球》は最近良いサイドボードだと感じます。
1マナ増やす効果が1ターンに複数の呪文を唱える
《新生化》コンボやストームデッキへの抑制になり、アミュレットタイタンやエルドラージトロンに対しても、2マナ以上出る土地が1マナしか生み出せなくなります。
このデッキだと
《古きものの活性》から探していけます。
エスパー御霊
《御霊の復讐》を中心にしたコンボデッキです。《染みついた耽溺》《信仰の繕い》や
《超能力蛙》により墓地に
《偉大なる統一者、アトラクサ》《グリセルブランド》を落として、
《御霊の復讐》によりリアニメイト。
アトラクサもグリセルブランドも大量のカードアドバンテージを得る能力なので、引いたカードの中から
《儚い存在》でブリンクする事で、
《御霊の復讐》のターン終了時に追放する効果をスキップ出来ます。
あとは7/7飛行絆魂と大量の手札で勝利するだけ!《御霊の復讐》から
《儚い存在》するデッキなので、
《儚い存在》と相性の良い
《孤独》は以前から採用されていましたが、
そこに《量子の謎かけ屋》が加わりました。《量子の謎かけ屋》ワープから
《儚い存在》で戦場に残すのが強いのはもちろん、
《孤独》や
《否定の力》を代用コストでプレイすると手札が枯れやすいですが、その減った手札を
《量子の謎かけ屋》がカバーしています。
このデッキでは追加で
《雲隠れ》までも採用されており、
エスパーブリンク要素を強くした御霊コンボの構成になっています。
おわりに
直近の大会で、
《冷酷な船長、テゼレット》採用のエルドラージトロンが急速に増えて来ており、上位入賞者もかなり多いデッキです。
この影響を受けて《記憶への放逐》のサイドボード率はますます上がりそう。それではまた。