本日発売の最新弾「強化拡張パック ジージーエンド」の注目カードについて
Card Rush Prosのお二人に聞いてみました。
あむ(Atsutoshi.Kubo) @4mutaaaN
とーしん(Shintaro.Ito) @1483toushin3069
■ ジージーエンド環境の大事なポイント │あむ(Atsutoshi.Kubo)
収録カード全体を見て「環境を大きく動かすパックだな」と感じた。
①高性能TAG TEAMポケモンの登場
今弾では2種類のTAG TEAMポケモンが収録されている。
『ライチュウ&アローラライチュウGX』は雷タイプの恩恵を受けることができ、対応力が非常に高い。
『ガブリアス&ギラティナGX』はエネ色が2色で少々使いにくいが、『カラマネロ』や『ひかるミュウ』といったカードによる
エネ加速のサポートがあれば3エネルギーで240ダメージが出せる。
②TAG TEAMをサポートするカードの登場
サンムーンレギュレーションの中ではかなり優秀なサポート『コーチトレーナー』
『まんたんのくすり』や『アセロラ』といったカードと相性の良い『タッグスイッチ』
これらの登場により、既存のTAG TEAMデッキも構築の幅や使いやすさが高まり再度環境上位に入ってくると思われる。
③優秀な非GXポケモンの登場
上記以外にも『シャンデラ』『アローラライチュウ』『ガブリアス』など可能性のある非GXポケモンが多数収録されている。
TAG TEAMなどの高耐久デッキに対する解答が見つかればこれらの非GXポケモンも環境で見かけることが多くなりそうだ。
④『リセットスタンプ』の登場
今回のジージーエンドで最も影響が大きいと思われるのはやはり『リセットスタンプ』。
以前BW~XYレギュレーションで多く採用されていた『N』を思い起こさせるカードである。
しかしこちらはグッズかつ相手の手札のみ干渉する。そのため複数枚採用することは序盤の安定性も考えあまりないと思われる。
このカードの登場もあり、要求パーツが多い非GX主体のデッキは向かい風となりそう。
そのため『ゾロアークGX』や『ジラーチ』といったポケモンを入れた安定性の高いデッキはこれまで以上に増えるかもしれない。
これらを踏まえ、ジージーエンド環境は「TAG TEAM vs 非GX vs ゾロアークGX系統」の3種の対立を元に環境が動いていくと考えている。
■ ジージーエンド注目カードTOP3 │ あむ(Atsutoshi.Kubo)
1位 『ライチュウ&アローラライチュウGX』
雷タイプのポケモンの中では最も耐久力が高く、『マッシブーン』のスレッジハンマーなど闘タイプの120打点であれば耐える。
雷タイプは元からサポートカードや強いポケモンが多いため、デッキを組みやすいのも良い。
技に関しても使いやすく強い性能をしており、「タンデムショック」は『サンダー』の「アサルトサンダー」のように使いやすい。
技打点でいうと非GX相手には160ダメージ。TAG TEAM相手は追加効果のマヒで対応。
その他のHP170~220のGXポケモンに対しては『エレキパワー』や『こだわりハチマキ』で対応が出来る。
そのため1匹で多くのポケモンに対応出来るため、雷系のデッキに採用することで多くのデッキに対して小回りがきく
また、追加効果のマヒは自分自身を守る意味でも効果的である。
例えば相手が返しのターンで『グズマ』を使用した場合『ライチュウ&アローラライチュウGX』自体はベンチに下がるため
しかし『カプ・コケコGX』からのGX技や、ジージーエンドで収録された『ヒードランGX』+『ポケモンいれかえ』などの対策は
GX技に関しては、5エネ(『サンダーマウンテン』時には4エネ)ついていれば250ダメージが出る。
『エレキパワー』などの打点アップのカードがあれば『レシラム&リザードンGX』や『コイキング&ホエルオーGX』などのTAG TEAMポケモンも一撃で倒すことが出来るのは嬉しい。
2位 『フーパ』
まさに『ギラティナ』を倒すためのポケモンと言っても過言ではない。
今まで非GXを軸にしたデッキはどうしても『ギラティナ』+『カラマネロ』という安定したギミックと打点に対して厳しい戦いを強いられていた。
なぜならば『ギラティナ』を倒せるポケモンはこれまでもいたが、「耐える」ポケモンが中々いなかったからである。
しかし今回の『フーパ』はHP130な上に超抵抗を持っているため、『ギラティナ』の「シャドーインパクト」を耐える。
さらに技「あくのいましめ」は相手の特性を持つポケモン×20ダメージなので、相手の場に特性を持つポケモンが3体いれば弱点で倒すことが出来る。
『ギラティナ』が「シャドーインパクト」を毎ターン打つには最低限『ギラティナ』・『カラマネロ』・『カラマネロ』が必要になるためその条件も満たすことが容易だろう。
また特性持ちポケモンは環境に多く、他のデッキに対しても1エネで70~90ダメージが見込めるのは素晴らしい。
『フーパ』が出たおかげで、特に『ギラティナ』に弱かったデッキ(リザードンなど)を考え直してみるのも良いのではないだろうか。
3位 『マッギョ』
『マッギョ』は特に『サンダー』を意識したカードだろう。
技「トラップボルト」により弱点込み120ダメージで『サンダー』を倒し、「アサルトサンダー」ではギリギリ倒れず『エレキパワー』要求となる。
ジージーエンドで収録された『くろおび』や以前の『格闘道場』など、格闘タイプの強化は度々されてきたが、闘抵抗を持った『サンダー』に苦しめられることが多かった。
それを1枚で解決出来る『マッギョ』は闘タイプのデッキの救世主になるかもしれない。
闘というタイプは『ピカチュウ&ゼクロムGX 』『ライチュウ&アローラライチュウGX』『ゾロアークGX』などのポケモンに弱点をつけるため、ジージーエンドにより環境上位デッキへのメタデッキとして増えるかもしれないため注目だ。
総評
以上が今回の強化拡張パック「ジージーエンド」での注目カードになる。
環境予想としては文中でも述べたが「TAG TEAM vs 非GX vs ゾロアークGX系統」という群雄割拠の時代になると予想している。
明確な対策カードが増えた今環境では、どのデッキが多いと予想しどのような対策カードを何枚採用するか。そのバランスが非常に大事になってくると思われる。
まずはシティーリーグ、そしてそれを踏まえた上でのチャンピオンズリーグ京都大会。どのようなデッキがトップメタとなっていくのか非常に楽しみだ。
■ ジージーエンド注目カードTOP3 │ とーしん(Shintaro.Ito)
1位 『ガブリアス&ギラティナGX』
1位はパックのタイトルポケモンでもある『ガブリアス&ギラティナGX』
「カラミティエッジ」で相手のポケモンに240ダメージ。環境のポケモンをほとんど倒すことができる。
「カラミティエッジ」の条件が“ダメカンが乗っていること”であるから、何かしらのダメカンを乗せるアプローチが必要になってくるだろう。
候補として挙がるのは、「かいてんひこう」を持った『カプ・コケコ』や「やぶれたとびら」の『ギラティナ』、『のろいのおふだ』+『ひかるミュウ』などであろうか。
「ちょくげきだん」で序盤から自分自身でダメージを乗せることができるので、単に近い構築も考えられるだろう。
ミラー対策として、ジージーエンド収録の『ルカリオ』を組み込むことなども考えられる。
2位 『リセットスタンプ』
2位は相手の手札に干渉できる効果をもったグッズ、『リセットスタンプ』
昔からポケモンカードをプレイしている人は、過去にあった『ロケット団の幹部』や『N』といったカードを想起するかもしれない。
しかしながら、『リセットスタンプ』は”自分の手札に変化が起きないこと”が大きく違う点で、デッキのエンジンとしての役割は0である。
よってBW時代の頃の『N』のようにどのデッキにも4枚採用といったことにはならないだろう。サイドを先行するタイプのデッキには採用されづらいと考える。
また一方でグッズであることから、どのデッキからもプレイされる可能性があり、手札をため込むタイプのデッキには向かい風となるカードだ。
ズガドーン単やジラーチサンダーといったデッキは、構築が変化する可能性が高いと考えられる。
3位 『コーチトレーナー』
3位はTAGTEAM専用サポートの『コーチトレーナー』。1枚で4枚上からドローできる強力な効果だ。
TAGTEAMを軸とした多くのデッキのサポート構成は、『リーリエ』『シロナ』(デッキに合えば『ブルーの探索』)に、場に干渉する強力な『グズマ』『アセロラ』といった構成であった。
『グズマ』『アセロラ』といったサポートは手札にキープして要所で使いたいカードであるが、『リーリエ』、『シロナ』とはあまり相性が良くないという噛み合いの悪さがあった。
今までの『リーリエ』、『シロナ』の一部を『コーチトレーナー』に変えることで、”勝敗を分けるサポートをキープしながら動くこと”が容易になるだろう。
総評
『リセットスタンプ』や『クチートGX』の登場によって、手札への干渉カードが環境に一気に増えるパックとなった。
別の側面から見れば、場が完成することで手札干渉の影響を大きく受けないデッキの評価が上がるかもしれない。
様々なデッキが群雄割拠する時代。来週の京都大会もどんなデッキが上がってくるか、神のみぞ知るところである。
以上、おふたりによる「強化拡張パックジージーエンド」の注目カードレビューでした。
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