シールド戦のプレイングについての解説記事をあむ選手からラッシュメディアにいただきました。
どうも、Card Rush Prosとして活動しているあむです。
今回は先日行われた「ミュウツーHR争奪戦1stイベント」からシールド戦におけるプレイングの重要性に関して、ちょうどわかりやすい盤面があったので紹介してみようと思います。
※記事内紹介のカードはカード名のリンク、記事末尾の
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はじめに
「ミュウツーHR争奪戦1stイベント」は番組として凄く面白かったですね。どの対戦も白熱していてあの有名人がポケモンカードで勝って喜んだり、負けて悔しがっている姿は印象的でした。
個人的に伊沢くんにもっとポケモンカードやって欲しいです。出演者の方、関係者の方お疲れ様でした。
今回取り上げるのは「1回戦 第4試合 原根健太選手 vs とーしん選手」
原根選手は「遊戯王」「マジック・ザ・ギャザリング」といったカードゲームをやっている方ならご存知かもしれませんが、現在は「マジック・ザ・ギャザリング」で主に活躍しているカードゲームの超有名プレイヤー。
記事の質も非常に高く、自分がプロとして記事を書いている中での目標というか目指しているクオリティーラインは原根選手の記事です。
https://jspeed.hatenablog.com/entry/2019/06/12/222741
そしてとーしん選手は同じくCard Rush Pros所属で言わずもがなポケモンカードが上手いプレイヤー。2016年のポケモンカード世界王者です。
「上手い」といっても様々な要素があるわけですが、個人的にとーしんは細かいプレイングというより、対戦における「プランニング」が非常に優れていると思います。このあたりは2017年に不利マッチだった対戦において完璧なゲームプランで勝利した話を読めばわかると思います。
(以下のツイートから続く一連のツイートをご覧ください。)
本業はとーしん選手の方ですが、どちらもカードゲームが上手いプレイヤー同士の注目の一戦でした。終わってみれば原根選手の一方的な展開でしたが、序盤のプレイングが面白かったのでそこについて解説してみたいと思います。
引用元:【公式】ポケモンカードチャンネル ミュウツーHR争奪戦イベント 1回戦第4試合~
前提
https://www.pokemon-card.com/card-search/index.php?mode=statuslist&pg=653
(ポケモンカードゲーム公式:トレーナーズウェブサイトより引用)
![](https://files.cardrush.media/custom_images/3828.jpeg)
試合内容
まずはとーしん選手側が先攻。初期手札が7枚だったので原根選手側が一度マリガンをしたようです。
![](https://files.cardrush.media/custom_images/3829.jpeg)
引用元:【公式】ポケモンカードチャンネル ミュウツーHR争奪戦イベント
(https://www.youtube.com/watch?v=Syl9uH0UD54&feature=youtu.be&t=6913)
(先攻)とーしん選手1ターン目
1マリガンがあるため、ドロー含めて初期手札が9枚。
まずエネルギー加速ワザを持っている《グラードン》をスタートポケモンに選択。 また、原根選手側は盤面に既に《フシギバナ&ツタージャGX》がいるため、エネルギーさえ引ければゲームを進めやすく、手札干渉に大きなメリットはない。逆に自分が展開出来なくなってしまうデメリットの方が大きい。 次に選択肢として「水と闘どちらのエネルギーをどこに貼るか?」「ポケモンを出すか?」
![](https://files.cardrush.media/custom_images/3830.jpeg)
(後攻)原根選手1ターン目
ワザのエネルギーが重いため、相手が早い展開をしてくると先に《フシギバナ&ツタージャGX》にダメージが載ってしまうため、普通であればあまり嬉しくないスタート。 ![](https://files.cardrush.media/custom_images/3831.jpeg)
引用元:【公式】ポケモンカードチャンネル ミュウツーHR争奪戦イベント
(https://www.youtube.com/watch?v=Syl9uH0UD54&feature=youtu.be&t=6913)
次の2ターン目の動きは両者ともに駆け引きがあり、かなり面白いターンになります。
(先攻)とーしん選手2ターン目
![](https://files.cardrush.media/custom_images/3832.jpeg)
引用元:【公式】ポケモンカードチャンネル ミュウツーHR争奪戦イベント
(https://www.youtube.com/watch?v=Syl9uH0UD54&feature=youtu.be&t=6913)
そのため「エネルギーをどこに貼るか?」「どのポケモンを出すか?」がプレイの分岐になっています。
①の場合
そうなれば先にTAG TEAMを倒すことが出来るので非常に有利。
また、《基本水エネルギー》が2枚引けなかった場合でも、相手が「ポケモンいれかえ」を引かないことを祈り《ジャッジマン》をプレイし、GXワザでマヒにすることでさらにその次のターンに回復してから有利に戦うことが出来る。 ![](https://files.cardrush.media/custom_images/3833.jpeg)
ようするに、この《グラードン》はわざと倒して貰うための2エネルギー。ここで《グラードン》を倒して貰えれば再度とーしん選手側が有利な展開になる。 ②の場合
![](https://files.cardrush.media/custom_images/3834.jpeg)
もし、このターン《アブソル》をプレイしていなければどうなっていたでしょうか? こうなるとまたとーしん選手側が逆転するチャンスが生まれるのです。
このように、シールド戦においてはお互いがプレイしてくるカードは全て想定することが出来ます。
多くの選択肢がある中で、相手がどのようなプレイをしてくるか数ターン先まで想定し、勝つ確率が高い選択肢を取ることが出来るかが、このレギュレーションにおいて非常に大事になってきます。
それでは返しの原根選手のターンを見ていきましょう。
(後攻)原根選手2ターン目
![](https://files.cardrush.media/custom_images/3835.jpeg)
引用元:【公式】ポケモンカードチャンネル ミュウツーHR争奪戦イベント
(https://www.youtube.com/watch?v=Syl9uH0UD54&feature=youtu.be&t=6913)
どちらを倒した方がより勝率が上がるか、をしっかりと考えきり正しい選択肢を取った原根選手はポケモンカードのプレイ歴が浅い中で流石としか言いようがありません。
そのためにバトル場に《アブソル》を出し、時間稼ぎのターンを作ります。 ![](https://files.cardrush.media/custom_images/3836.jpeg)
引用元:【公式】ポケモンカードチャンネル ミュウツーHR争奪戦イベント
(https://www.youtube.com/watch?v=Syl9uH0UD54&feature=youtu.be&t=6913)
この後は配信が別試合になってしまい見れませんでしたが、結局《カメックス&ポッチャマGX》ルートにたどり着くことが出来ずに押し切られてしまったようです。 ゲーム全体を見て様々な勝ち筋を残しながら、お互いがより勝率の高い選択肢を常に選択していた駆け引きのある面白い試合でした。
最後に
これから7月、8月とシールド戦が始まります。出たカードプールの中から最良のデッキ構築をすることも大事ですが、様々なカードを想定しながら戦うプレイングがさらに大事なレギュレーションです。
ぜひシールド戦の練習でも「常に勝率を高める選択肢を取り、負け筋を作らないこと。」を意識してみてはいかがでしょうか?
おまけ
とーしん側の2ターン目のプレイ。実はもっと良い選択肢があります。
数ターン先のことや、相手の思考まで考えながら更に良い選択肢をに気がつくことができたなら、シールド戦の駆け引きはもう完璧かもしれませんね!
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