6月27・28日の2日間にかけて、「Pokemon Japan National Online2020(PJNO)」が開催されました。
その決勝戦は、図らずも共に練習をして同じデッキを使用しているmasa選手とヤスノリ選手による同門対決に。手の内を理解し合った状態の戦いを勝利し、PJNOカード部門優勝のタイトルを手にしたのはmasa選手でした。
今回の記事では、優勝のmasa選手と準優勝のヤスノリ選手へのインタビューの模様をお届けします。一緒に調整をした「クワガノンV」についての解説もしてくださっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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■masa選手・ヤスノリ選手 インタビュー
masa選手(以下、masa):HNはmasaです。活動地域は愛知県で、実績はチャンピオンリーグ2020年愛知スタンダートレギュレーションベスト8、2020シーズンプレイヤーランキング12位などです。
ヤスノリ選手(以下、ヤスノリ):ヤスノリという名前で活動しています。活動地域は同じく愛知県で、実績はチャンピオンリーグ2020東京ベスト8、2020シーズンプレイヤーランキング7位などです。
デッキレシピは60枚完全一致のミラーマッチとなった決勝戦
――お二人は普段から一緒にポケモンカードをプレイする仲間とお聞きしました。
masa:そうですね。今回の大会も僕とmasa選手、それに“Card Rush Pros”でもある凱選手と一緒に練習をして、同じデッキを使用しました。
――今回の大会で「クワガノンV」を使用した理由をお聞きしたいです。
masa:使用デッキの候補として、使用した「クワガノンV」と、「三神ザシアン」に比較的優位に戦える構築の「LO」のどちらを使用するか直前まで悩んでいました。
masa:ずっとどちらを使うか悩んでいましたが、今回の大会がリモートの大会ということで、「LO」を使用した場合は時間切れが一番の敵になることがわかりました。「LO」というデッキは、その性質上どうしても試合時間が掛かってしまう上に、リモート対戦では普段よりもさらに時間が掛かってしまう可能性が高いです。そのリスクを考えた結果、今回の大会は「LO」ではなく、「クワガノンV」を使用することにしました。
ヤスノリ:僕も一緒に調整をしていたこともあり、デッキの使用理由はmasa選手と全く同じですね。あとは、これまで「クワガノンV」が不利とされていた「ムゲンダイナVMAX」に勝率を出せるような構築が作れたことも大きいです。
――「ムゲンダイナVMAX」に勝てるようになった要因はなんだったのでしょうか?
――それができるようになったのは何が理由だったのでしょうか?
――「クワガノンV」の環境デッキに対する相性をお聞きしたいです。
masa:現在の環境では、強力なグッズが登場しはじめた影響で、今まで以上にグッズを中心にデッキを回すタイプの構築が増えてきたと感じています。その環境に「クワガノンV」の“パラライズボルト”が刺さり、有利に戦えるデッキは多いです。直前の候補でもあった「LO系統」とは戦いたくはないですが、グッズロックができれば何とかなるだろうという感じでしたね。
masa:これまでは「ムゲンダイナVMAX」が苦手でしたが、先ほどの通り《オドリドリGX》を採用して7割程度の勝率まで上げることができたので、現環境では相性が悪いデッキはそこまで多くないです。 ――逆に「これには勝てない!」といったデッキはありますか?
ヤスノリ:苦手なデッキは、《きとうし》が採用された「LO」です。これは単純に“パラライズボルト”の効果が無力化されてしまい、その間にグッズを使った妨害を受けて、グッズロックが途切れてしまうためです。 ヤスノリ:他には、ミラーマッチは難しい戦いになりますね。人によっては相手をねむらせる《メリープ》を採用している型もあったりして、それが綺麗に決められると不利かなと思います。 masa:実際ミラーマッチはどうなんだろうね? 特性を使った《メリープ》を逃がしながら“パラライズボルト”を撃つのは手札の要求も高いし、《メリープ》が“パラライズボルト”で倒されるとサイドレース不利になるし。僕は「ミラーマッチは意外といける?」寄りの考えです。 ヤスノリ:確かにそれもあるかもなぁ。でも、ミラーマッチは“パラライズボルト”から“ちょうでんじほう”に切り替えるタイミングが難しくて、あんまりやりたくないとは思いますね(笑)。
――決勝は60枚完全一致のミラーマッチでしたか、振り返ってみていかがでしたか?
ヤスノリ:決勝戦のミラーマッチは、それこそ実際に“パラライズボルト”と“ちょうでんじほう”の切り替えのタイミングが難しい試合でした。僕が1ヵ所でミスをしてしまったのが勝敗の分かれ目だったかなと思っています。
masa:“ちょうでんじほう”を早く使えばダメージレースで優位に立てるのですが、相手はグッズを使えるようになってしまいます。逆に“パラライズボルト”を連打していると、相手はグッズを使えない状態になるものの、こちらがダメージを稼げなくなってしまいます。このリスクリターンをうまく管理してサイドレースをリードしなければならないのですが、ミラーマッチはそれを常に考え続ける必要があり、とても難しいです。
ヤスノリ:配信では身内同士で楽しくやっているように見えるかもしれませんが、内心は常に頭をフル回転させてガチガチで対戦していました(笑)。
ヤスノリ:僕は、DAY2にも進出していたガルシア選手と対戦したDAY1の3回戦目が印象深いです。こちらのスタートもあまり良くなかったのですが、それを差し引いてもガルシア選手のデッキとプレイが素晴らしくて、唖然としている間に負けてしまいました。
masa:僕はDAY1の4回戦で774選手と対戦した試合ですね。774選手のデッキは一番当たりたくなかった《きとうし》を採用した「チラチーノLO」で、DAY1はそこで1敗してしまいました。デッキの完成度も高くて、DAY2進出デッキの中でも一番当たりたくない相手でした。 ――774選手とはDAY2の準決勝でヤスノリ選手が対戦されていましたよね。
ヤスノリ:準決勝は、相性だけを見れば負けて当然の試合だったのですが、相手の動きが芳しくないところに、早い段階で“パラライズボルト”を打てて、さらに相手が《きとうし》を引いたタイミングも遅く、最初の1戦目を拾えたことが勝因でした。 ――試合結果は1勝1敗の状態からのエクストラターンでの勝利でしたよね。
ヤスノリ:その後の2戦目は負けてしまったのですが、「LO」というデッキの性質上その時点で試合時間がほとんど経過しており、最後の3戦目は時間制限のルールを味方につけて勝利できました。
――今回はリモート形式の大会でしたが、オフラインと違った点などはありましたか?
masa:リモートで意識した点というよりも、デッキ公開制の大会という部分で、公開領域に出ているカードの確認などはかなり意識しました。例えば、今回使用したデッキが「クワガノンV」ということもあり、相手のデッキに《とりつかい》が採用されているかどうかは試合中に最も意識していましたね。 masa:《ポケモンいれかえ》は“パラライズボルト”で止めることができますが、《とりつかい》はサポートなので止めることができません。もし相手が《とりつかい》を採用していないのならば、相手はポケモンを効果で入れ替えることができない。もし採用しているのであれば、最大限のケアをするか、1枚だからと割り切るのか。そういった公開性ならではの思考が必要でした。 ――大会に向けた調整はどのようなスタイルで行いましたか?
masa:練習はSkypeやDiscordのリモート対戦を行いつつ、最近はカードショップのデュエルスペースも空いている場所が増えてきたので、時間を見つけて仲間と集まって練習してきました。
ヤスノリ:僕も一緒に調整をしたので、同じように練習していました。
――それでは、最後に大会の感想と今後のポケモンカードに対する意気込みを語って締めさせていただきたいと思います。
ヤスノリ:自分は既に2020年のシーズンで世界大会のDAY2出場の権利を獲得していますが、そのときだけの一発屋とは思われたくないので、来シーズンはもちろん、今後もしっかりと勝てるプレイヤーになれるよう精進したいと思います。
masa:今回優勝することができてとても嬉しいです。僕も2020シーズンで世界大会の出場権利は獲得しているのですが、ヤスノリ選手とおなじく一発屋に見られたくはないと思っています。今後も勝ち続けられるプレイヤーとして頑張りたいです。それと、一緒にポケモンカードをしてるチームのみんなと世界大会に行く。これが今の目標です。
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