先週末にライバルズリーグ#5が行われました。
フォーマットはスタンダード&
ヒストリックを3試合ずつ交互に戦う混合フォーマット。
前回の
『カルドハイム』チャンピオンシップから休む間も無く
連戦ですが、泣き言を言っている暇はありません。
それぞれのフォーマットでのデッキの選択過程を記していきます。
目次
▪️スタンダード スゥルタイ根本原理
▪️ヒストリック ジャンドフード
▪️大会結果
▪️おわりに
スタンダード スゥルタイ根本原理
ベースとなったのは日本選手権でTop8に入賞した平見さんのス
ゥルタイ根本原理です。
最初は使い慣れたティムールアドベンチャーで出るつもりでしたが
、
練習で原根さんの使うこのスゥルタイに負け続けて相性の悪さを実
感し、
また、全てのデッキに対して必要なカードが揃っていたため、使用を決
めました。
このリストの長所は6/6クリーチャーを多く採用し、
自分から攻めていける所です。
特に気に入ったのが《
長老ガーガロス》
が合計4枚採用されている点で、ティムールや赤単、
サイクリングに対して1枚で勝てる性能があります。
またディミーアローグ相手には《
出現の根本原理》
を全てサイドアウトして、6/6のモンスターたちを《
強迫》《
神秘の論争》
でバックアップするプランに変更するため、ローグにも悪くありませ
ん。
ガーガロスは《
無情な行動》に弱い性質があり、スゥルタイ根本原理の同型対決では全てサイ
ドアウトしますが、
それ以外のマッチでは全て活躍するため4枚に納得しています。
ちなみにガーガロスは《巨人落とし》にも弱いですが、それが入っているデッキにはガーガロスは基本的に強いため、サイドアウトはしません。
《
鎖を解かれしもの、ポルクラノス》はメインに脱出カードを入れる事で、
不利なローグ相手に勝率を上げるための採用です。
サイズは大きいものの、ポルクラノスはアドベンチャーデッキに対してはあまり強くありま
せん。
《
恋煩いの野獣》をブロックしただけですぐに縮みますし、1/
1をブロックしたあとに《
踏みつけ》
を撃たれると軽減できない3ダメージが入った状態でポルクラノス
の「ダメージを受けた分カウンターを減らす」が解決するので、
ブロッカーとしても頼りないです。
脱出で除去に強く、《
無情な行動》
で破壊されないことで黒に強いカードなので、
スゥルタイ根本原理の同型対決とローグ相手に活躍します。
スゥルタイ根本原理を対策する側は《
神秘の論争》
を多く入れる傾向にあります。《
神秘の論争》に《
出現の根本原理》
が打ち消されたら1マナと7マナを交換することになるので、
そりゃ負けます。
しかしその7マナが《
星界の大蛇、コーマ》
だったらどうでしょう。コーマは《
神秘の論争》
等の打ち消しが効かず、
対処されなければ数ターンでゲームを決める超強力クリーチャーです
。
根本原理への対策が《
唱え損ね》《
否認》《
神秘の論争》
といった打ち消し呪文に寄っているため、《
長老ガーガロス》《
星界の大蛇、コーマ》
での肉押しプランはサイド後の相手の思惑をずらす事が出来ます。
ティムール相手には相手の《
厚かましい借り手》
が尽きるまでガーガロスとコーマを投げ続ける発想です。
アドバンテージ獲得要素。
《
精神迷わせの秘本》は相手のエンド時に動けるため、
打ち消しを構え合うようなローグやスゥルタイ根本原理の同型に強
いカードです。
《
真夜中の時計》は《
耕作》に次ぐ5枚目のマナ加速。
アドベンチャーデッキに除去で捌いた後に《
出現の根本原理》
を引けずに勝ちきれないという弱点を、丁度良いタイミングで《
真夜中の時計》の7ドローが補填してくれます。
2つとも複数枚引くと動きが悪くなりますが、
使う内にどちらも1枚なら良い働きをします。最初は「
無くても良いかな」と感じていた部分なのですが、
回している内に納得してそのまま継続。
ここはオリジナルから変更した箇所です。
スゥルタイ根本原理の同型対決では、先に《
出現の根本原理》
をプレイできた時に《
ペラッカの捕食》
を3枚の中に加えることで、相手の選択肢を狭める事が出来ます。
3マナの手札破壊としても及第点であり、7マナの前に相手の《
出現の根本原理》に干渉できるのが非常に重要。《
強迫》
はアグロデッキに対して弱いためメイン採用出来ませんが、《
ペラッカの捕食》
は土地のスロットを使えるため、メインの動きを損ないません。
ローグ相手にも《
夢の巣のルールス》を手札に加えられた後に《
ペラッカの捕食》したり、《
物語への没入》を落としたりと、
2枚採用して良かったと感じた部分でした。
主にサイクリングとナヤクラリオン、
ディミーアローグ用のサイドカードです。
サイクリングはサイドボード後に打ち消し呪文を増やし、《
型破りな協力》《
雄々しい救出者》
でトークンをばら撒くため、単純な除去だけでは対処しきれません。
一旦《
影の評決》で全体除去しても《
型破りな協力》
での復旧は早いため、継続してトークンを無効化できる《
悪意に満ちた者、ケアヴェク》が便利。
ナヤクラリオンに対しても、-1/-
1によって破壊不能を持つ《
秘密を知るもの、トスキ》
ごとまとめてトークンを除去出来ます。
ディミーアローグはサイド後に《
スカイクレイブの影》
を複数枚入れてくることが多く、
単純な除去では出し直されてしまうため、ここでも《
悪意に満ちた者、ケアヴェク》が役立ちます。
ヒストリック ジャンドフード
前回から続投、ジャンドフードです。
ジャンドフードがヒストリックで強いデッキだと考えており、その
フードに対して強いアブザンミッドレンジがいる事を予想。
ジャンドフードとアブザンに対して強くなる《
戦争の犠牲》をメインに採用し、これにより相棒の《
湧き出る源、
ジェガンサ》を諦めることに。
相手の《
フェイに呪われた王、コルヴォルド》《
パンくずの道標》
を除去出来るカードである《
ビビアン・リード》を少量採用。
また、ミラーマッチで《
波乱の悪魔》
に落とされやすく、サイドアウト候補な《
悲哀の徘徊者》を0枚に。
結論から言うと、
これらの変更点は失敗でした。。デッキを重くし過ぎることで、初手のマリガン率が上がりました。
ジャンドフード同型で弱い《
悲哀の徘徊者》を不採用にした事で、同型以外への中盤の安定性も下がっています。
デッキを重くしたことでオルゾフオーラにもメインでの相性が悪く
なっています。
ジャンドフードは「猫+かまど+パンくず+波乱+コルヴォルド」
を揃えるパーツデッキです。
そのため、相手への妨害要素でメインの動きには関与しない《
思考囲い》はサイドボードのみである構成が多かったですが、
ここは検討すべき部分です。
ジャンドフードが多いフィールドならそれに付随して《
鎮まらぬ大地、ヤシャーン》の採用率が増えますし、
自分のパーツを揃えるだけでなく、相手のパーツを揃えさせないためにも、少量は必要な部分だったと感じています。
前回の記事で「1枚目をゲーム中かならず引きたい、
デッキの動きの中心になるカード。
除去されなければそのまま勝つので4枚採用が肯定される。
カードの性質としては《
世界を揺るがす者、ニッサ》に近い」
と述べましたが、ニッサとコルヴォルドは似て非なるカードでした。
そもそもスゥルタイやバントといったニッサデッキが土地27+《
成長のらせん》《
探検》といったマナ加速構成に対して、
ジャンドフードは土地25+《
金のガチョウ》で、
しかもガチョウは除去されやすい。
コルヴォルド4枚ならもう少しマナ加速カードが必要になってきま
す。
大会結果
〈スタンダード〉 〇Bernardo Santos/ローグ
〇Luis Scott-Vargas/ローグ
×Austin Bursavich/ローグ
×BernardoSantos/ローグ
〇LuisSalvatto/ティムール
〇ZacharyKiihne/ナヤ
.
〈ヒストリック〉 ×Luis Scott-Vargas/スゥルタイ
×Mike Sigrist/ジャンド
〇KenjiEgashira/ジャンド
×AustinBursavich/オルゾフオーラ
×ChrisBotelho/4色ミッドレンジ
×Christian Hauck/オルゾフオーラ
スタンダード4-2、ヒストリック1-5でトータル5-
7の負け越し。
スタンダードのデッキ選択には非常に満足していますが、
ヒストリックはデッキ選択を失敗しました。
教訓1 :ヒストリックのようにカードプールが広い環境ほど、最序盤の攻防で
ゲームが決まるため、重いカードは弱く《
戦争の犠牲》は大失敗。
《
出現の根本原理》のような未知の相手にも対応できる《
思考囲い》を入れるべきだった。
教訓2 :ジャンドフードへの理解不足。
干渉できるのはパーマネントのみのため、コンボ要素を持ったデッキ
に弱く、環境を支配するほどのデッキパワーではなかった。
おわりに
今回の成績で13位に落ちました。
現時点でライバルズ1位のEli KassisさんのMPL昇格が決定し、次回からは2-
9位の第1ポッド、10位-
17位の第2ポッドで戦いが開始します。
連勝して第1ポッドに入る事が出来れば、
まだMPLに昇格するチャンスは残っています。
長いリーグ戦も残り2回。
ここが正念場なので継続して練習して行きます。
それではまた。