「アバター 伝説の少年アン」のドラフト環境考察

今週末の世界選手権で解説をします！

フォーマットは『アバター 伝説の少年アン』のドラフトと、スタンダード。
自分が参加できないのは残念ですが、強豪たちがどんなデッキを持ってくるのか楽しみです！

『アバター 伝説の少年アン』がMTGアリーナでも実装されました。
気の技、水の技、火の技、土の技といったアバターの世界観がマジックに合っており、やり込みがいのある面白いドラフト環境の印象です。

今回の記事では、アバター 伝説の少年アンのドラフトを考察していきます。



2マナ域の基本サイズは2/1や2/2、2/3や3/1など。
3マナ域まで行っても3/3程度で、クリーチャーのサイズは小さめ。
4/4を超えると戦闘で優位になりやすいです。

今回のセットは混成マナコストのカードが多く収録されており、混成マナはどちらのマナでも良いので単色よりもプレイしやすいです。

特に《タコ病持ちの偽装者》《伝書鷹》はどのデッキに入れても強く、《愛着を捨てる》《土の武道会の武道家たち》《土の王国の兵士》なども及第点の性能。

これら混成マナのコモンやアンコモンをドラフトの序盤にピックしておくと、2色どちらも行けるという受けの広さがあります。序盤は混成マナのカードで、後半に流れてきたカードで色を決めるといった具合です。

混成マナのアンコモン達。
《機略縦横な戦略家、サカ》《自由の闘士、ジェット》《導師パティーク》が特に強く、混成である事で受けが広いので早めにピックする事を推奨します。

混成マナに良いカードが多い事で、特に1パック目は単色でピックしてタッチ1色程度に考える事が多いです。

アンコモンに存在する基本地形の枚数を参照するカードも、単色でピックする理由になります。

特に白の《白蓮を集めよ》は白単で組めた時に凄まじい性能で、同盟者トークン5体出せれば《アバターの大ファン》が7/7以上になります。
《白蓮を集めよ》中心の白単はオンライン上のデータでもかなり勝率が高く、白単が最強とされる理由の一つです。

《水の技の奥義書》は青単なら後半のドロー能力が強く、《ナマズワニ》は絆魂を持っているので沼ぶんドレイン。《岩雪崩》は緑単なら土の技で巨大クリーチャーを作りながらフラッシュバック付き。赤の《冬至に明かされる秘密》だけは少し性能が劣りますが、それでも山多めのデッキなら良いです。

しかし、これらのアンコモンをピックしたけど単色にできずに、結局ドラフト終了時には2色デッキになる場合も多いです。

その場合は土地バランスが1色目が11枚or10枚、2色目が7枚or6枚のようになり、なるべく単色アンコモンを強く使えるようにする事があります。


さて、ここからはランキング形式でコモンを紹介していきます。

《気の技の修行》は相手のクリーチャーに撃つ事でバウンスに似た効果を発揮して、相手の除去に対応して自分のクリーチャーに撃つ事で守ったりも出来ます。トークンに対して撃てば除去にもなります。

1ドローが付いていることで使いやすく、ゲーム中盤から後半までいつ引いても嬉しい、コモンでもトップクラスの性能！

1マナ2点と5マナ5点どちらも強い！
《火の技の修行》《気の技の修行》どちらも軽いマナでクリーチャーに触れる講義なのが強く、墓地に講義がある事で強くなるカードを使いやすくなります。

1/3の壁として序盤を止めながら手掛かりトークンで1ドロー。水の技でタップする役割としても最適です。

手掛かりトークンを用意しやすい環境なので、《正確無比》はアーティファクトを生贄に1マナでプレイしやすい除去です。
黒の他のカードには生贄にしたときのシナジーもあるので、それも誘発させやすい。

完全除去。だいたい撃ってから攻撃するので、手掛かりトークンが出る事は少なめ。

《開放への道》は2マナ除去で強いカードではあるのですが、この環境には気の技と水の技があるのが懸念点。
気の技だとエンチャントを剝がされて2マナで再度プレイされて、水の技だと攻撃やブロック出来なくてもタップは出来ます。
《正確無比》などで生贄にされたりもするので、過信は禁物。

毎回再録されるたびにコモントップ10には必ず入ります。
ただ意外と4/4以上が倒せなくて困ることもあります。

《伝書鷹》は混成マナなので青か黒か決めずに序盤ピック出来るのが強み。
手掛かりトークン以外にも恒久的に2枚目をドローできる構成にすれば、3/2飛行でアタッカーとしても期待できます。

緑の定番除去。

最近のリミテッドは後半に余ったマナを使えるようなデザインのカードが複数あるので、土地を捨てるのも呪文を捨てるのも嫌な事が多いです。
《正確無比》の生贄や水の技のタップするクリーチャーとしても優秀。

気の技で一時的に相手のクリーチャーを対処しながら、本体も3/2飛行と優秀。
講義で絆魂が付くのも強く、ダメージレースを優位に進めます。文句なしのトップアンコモン。

バウンスしながら3/3。水の技は《侵略の潜水艇》自身をタップしても良いので、4ターン目に出しながら土地1枚と他のクリーチャーと《侵略の潜水艇》をタップしてクリーチャー化する事が多いです。

ほぼ確定除去。しかしこの環境は+1/+1カウンターを乗せるカードが多く、+1/+1の乗ったクリーチャーを除去出来ない欠点もありますが、それでも2マナインスタントで強力です。

除去しつつ3/3。同盟者なのもシナジーがあって良いです。

盤面が膠着したら水の技で毎ターンアドバンテージ。
5位までに3枚の白のアンコモンが名を連ねており、白の層の厚さを表しています。白が最強色！

同盟者2体で1マナで撃てるとマナ効率が良く、一気に攻めて行けます。
2体分のパワーを合計するので大型クリーチャーも倒しやすい。

3マナでクリーチャー2体の盤面を作りつつ、他の土の技のカードと合わせればトフのパワーを5や6にして攻撃して行けます。

2枚目のカードを引くたびに強化されて行き、死亡しても手掛かりトークン生成で高性能。
《知識探し》は2マナクリーチャーの中でもトップクラスですが、青と言う色が少し弱めなためこの位置に。

基本は4点火力ですが、1点で使い分けられるのも嬉しい。

追放なので相手の死亡誘発型能力を防ぎつつ、墓地の講義の数だけダメージアップ。
《爆裂の技》をピックしたときは《アンの旅》も入れたくなります。

マルチカラーのアンコモンたち。ピックの序盤で取るよりは、どちらかの色の単色ピックをして、マルチが流れて来てから参入する事が多いです。

特に強いのは《ダイ・リーの調査官》で、1体でかなり強い盤面を作ります。
次点で《白蓮会の増援》で、白単タッチ緑の同盟者デッキを目指します。

《リュウトンボの群れ》《霧の沼地の精霊守》も青で講義コントロール系のデッキを目指す理由になります。

現状では白が飛び抜けて強く、白単アグロは出来たら最強！

ただドラフトにもメタゲームがあり、白が強いのが共通認識になると人気が集中しすぎて良いデッキが組めなくなります。

僕は黒コモンの除去の質が良いので、黒中心ドラフトが良いと思っています。
《顔泥棒、コー》など、他の色に比べて黒は爆弾レアが多いと感じます。(パックから良いレアを引けるかは出来るかは運ですが)

今のところ青は不人気ですが、《万事お見通しの占い師》や水の技と組み合わせて後半アドバンテージを取るコントロールデッキも、他に競合が少なければ良い選択肢になりそう。

週末の世界選手権で答え合わせしましょう。
それではまた。