皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
10月は個人的に勝負の月でしたが、
チャンピオンズカップファイナル(モダン):【繁殖鱗】を使って3-3ドロップ
Arena Championship 13(スタンダード):【ジェスカイアーティファクト】を使って3-3ドロップ
スポットライトシリーズ北京(スタンダード):同じく【ジェスカイアーティファクト】を使って9-5-1(ジェイスfoilは獲得)
と、いまいちパッとしない成績で終わってしまいました。
この3大会のいずれかでのプロツアー戦線復帰を目指してましたが、なかなかうまくはいきませんね。
ということで今回の記事では、直近2大会で使用した
【ジェスカイアーティファクト】の簡単な解説をお届けしたいと思います。
目次
▪️【ジェスカイアーティファクト】とは?
▪️使用したリストの解説
▪️ちょっとしたテクニック/TIPS
▪️マッチアップごとの簡単な解説
▪️終わりに
【ジェスカイアーティファクト】とは?
最初に呼称について。青白ベースで、タッチで
《火のクリスタル》だけ入っていることが多いこのアーキタイプ。
ジェスカイorアゾリウスで表記揺れしていることが多いのですが、今回の記事では
【ジェスカイアーティファクト】と記載することにします。僕が普段MTGGoldfish準拠で呼ぶことが多いので。
デッキの動き
【ジェスカイアーティファクト】は、その名の通りアーティファクトを主軸にしたデッキです。
『サンダージャンクションの無法者』のビッグスコア・カードである
《身代わり合成機》を
《再利用隔室》や
《団結の最前線》を駆使して戦場に並べ、特大サイズのゴーレムトークンで盤面を制圧することを目指します。
《身代わり合成機》《団結の最前線》を使う都合上、こういった3マナのアーティファクトで盤面を処理していくことになります。
速いデッキではないのでまずは「盤面を捌いていく」ことを優先し、余裕があるときには「《身代わり合成機》を出す/並べる」アクションをしていくのが、このデッキの基本であり全てです。デッキの強さ
こちらは、直近2週間に開催された大型大会の成績をまとめたマトリクスです。
支配率こそ高くありませんが、
【ジェスカイアーティファクト】(表ではAzorius Artifacts)のWinrateは目を見張るものがありますね。3マナ以上のソーサリーアクションだらけなのでパッと見は重くて弱いデッキに見えますが、
見た目以上に対応力があり、出力も高く、環境の多くのデッキに有利に戦えるデッキなのです。
デッキの弱点
デッキ自体は強いのですが、
このデッキをメタるのは非常に簡単です。「すべてのアーティファクトを破壊する」というカードが環境に複数あるので(上記以外もたくさんあります)、それをプレイしましょう。
通ればほぼあなたの勝ちです。なんて脆いデッキなんだ。
除去すればいいだけなので全体破壊系に比べれば大分マシですが、当然コイツらも効きます。
特に《門衛のスラル》は一回は直撃する=大きくテンポ損するのも響きます。第1週(AC13)時点ではそこまでメタられていなかったのですが、その週の好成績もあり、第2週(北京)ではメタカードも少し増えていた印象でした。
それも込みでデッキ選択したので悔いはありませんが、できれば次は少し下火になった頃を狙って使いたいところ。
使用したリストの解説
ということで、最終的なリスト=スポットライト北京で使用したデッキリストはこちら。
デッキリスト
基本的な部分は一般的なリストと変わらないので、特徴的な部分だけ記します。
なお、この【ジェスカイアーティファクト】は、AC13で一緒に調整したメンバー(市川・森山・堀・泉・井川)のうち、主に
堀と井川の2名で調整しました。
最初にこのデッキの強さを見出してくれて、最終的に一緒に使った堀くんには特に感謝しています。
ありがとう!今回のリストにおいて、最も特徴的かつ最も良かった調整点です。メイン0-1枚に抑えてサイドに置いてあるリストが多いのですが、僕らは
メインから2枚投入することにしました。サイドと合わせて3枚です。
【ジェスカイアーティファクト】は基本的に点(単体)を
《危険な罠》《編まれた網》で止め、面(複数)を
《ピナクルの星檻》で止める構造になっています。
それは相手も重々承知なので、可能な限り軽いクリーチャーと3マナ以上のクリーチャーを複数展開し、対処を迫ってきます。
特にこのデッキ相手に全体除去をケアして展開を控えると、
《身代わり合成機》を設置する余裕を与えてしまうので、
基本的には攻めるのが正着となります。
そこにクリティカルヒットするのが《審判の日》。シンプルですが非常に強力です。特に3-4マナ域にマスト除去が多い【緑単上陸】、3マナ域もシステム生物である【オルゾフ・ライフゲイン】、最終的には中型~大型を並べてくる【ディミーア・リアニメイト】に対して効果的です。
また、【ディミーア・ミッドレンジ】相手も
《審判の日》の有無で勝率が大きく上下します。
「小型で殴って
《悪夢滅ぼし、魁渡》」→「
《悪夢滅ぼし、魁渡》を
《危険な罠》」→「その後に
《永劫の好奇心》」といったパターンがよくあるゲーム展開で、最終的に「小型1-2体+
《永劫の好奇心》」という盤面に帰着することが多いです。
そのときに「
《永劫の好奇心》に単体除去だと小型のアタックが継続」「
《ピナクルの星檻》だと
《永劫の好奇心》の4点が重い」という二択を迫られるのですが、これも
《審判の日》で解決です。
やっぱラスなんだよなぁ。実際
《審判の日》を増やしてから勝率が上がりましたし、僕の体感ではマトリクス上不利となっている【ディミーア・ミッドレンジ】にも五分~微有利ぐらいまで上げられたなと思っています。
(AC・北京では計5回当たって3-2でした。)環境的に刺さるデッキが多く、自分にはノーダメージ。このカードを上手く使えるのも【ジェスカイアーティファクト】の強みの一つです。ただ環境最上位である【緑単】には全く効かないこと、メインでは割られないため複数枚出す意味もあまりないことから、メイン1サイド1に抑えました。もっと【オルゾフ・ライフゲイン】を意識するなら、メイン2枚でも良さそうです。
《キャンディーの道標》はデッキの潤滑油ながら、
《再利用隔室》で
《倦怠の宝珠》をサーチするのにも使用します。
【ジェスカイアーティファクト】というデッキは、土地クリーチャーに対する脆弱性を持っています。
《危険な罠》《編まれた網》は土地を対象に取れませんし、
《ピナクルの星檻》《審判の日》では
《バーシンセー》《不穏な浅瀬》《はなれ山》は止まりません。
ということで《石化した村落》の出番です。3枚入れるとマナベースに負担がかかりますが、そこを諜報ランド=
《行き届いた書庫》4枚でカバーできたのも良かったです。
ラダーで当たったミシック上位の人が使っていたところからスタートし、その強さから1→2と増量したこのカード。《強迫》《欺瞞》《否認》あたりで最序盤に妨害してくる、ディミーア系やコントロール相手に使用します。
《強迫》で落とすことができないので、
《身代わり合成機》《再利用隔室》の追加のように機能しますし、「ワープ」で二度美味しいです。5/4飛行も普通にサイズが良くて強い。
ちなみに【ディミーア・リアニメイト】には
《倦怠の宝珠》《安らかなる眠り》を入れるので
《アステッリの回収者》とは相性が悪いのですが、
《倦怠の宝珠》《安らかなる眠り》が出ていれば既にかなり有利なので、そのアンチシナジーは気にしなくても良いという結論になりました。
負けパターンが
《強迫》《欺瞞》連打でヘイトパーマネントや
《身代わり合成機》を落とされてからの
《スーペリア・スパイダーマン》なので、手札破壊連打に耐性を付けることが最も重要です。
採用されているリストもありますが、今回不採用にした土地2種。
《吹きさらしの要塞、アダージア》は起動タイミングが一部のマッチアップでしか存在せず(ゴーレムトークンを寝かす余裕がある、コントロールやミラー)、タップインが足を引っ張りすぎるのでNG。同じタップイン土地であれば
《行き届いた書庫》を使ったほうが安定します。
《フォモーリの宝物庫》は色マナが出ない=
《石化した村落》と枠を争う形で脱落。
《再利用隔室》、
《編まれた網》、
《氷魔法の秘宝》などマナの使い道は多く、起動する機会も非常に限られている印象でした。
ちょっとしたテクニック/TIPS
《身代わり合成機》《再利用隔室》をコントロールしていて、サクりたいものが無いときに。
盤面をそのままに、ゴーレムトークン分だけ得をします。主に伝説のパーマネント=《悪夢滅ぼし、魁渡》《理論家、ジェイス・ベレレン》を追放している時に。例えば
《悪夢滅ぼし、魁渡》を追放したあとに相手が2枚目の
《悪夢滅ぼし、魁渡》を出してきた場合、
《悪夢滅ぼし、魁渡》を追放した
《危険な罠》がなくなって
《悪夢滅ぼし、魁渡》を相手に返しても、レジェンドルールでいなくなるので問題ありません。
《身代わり合成機》がある状態で
《編まれた網》の「作製」コストを払って追放すると、3マナの
《編まれた結縄》として戦場に帰ってきてゴーレムトークンが出ます。
《編まれた網》を裏表で起動してブロッカーを2体タップ→「作製」してゴーレムトークンを生成→《編まれた結縄》を《再利用隔室》で生け贄に捧げて《火のクリスタル》→ゴーレムトークンが生成されて速攻でアタック、というリーサルパズルは頻出です。
《氷魔法の秘宝》や《バネ仕掛けの鋸刃》を《再利用隔室》でサクる前に、よく考えましょう。《マインド・ストーン》の「∞」能力を起動して毎ターンブリンクしているだけで、どんどん有利になっていくシーンも多いです。
《編まれた網》をリフレッシュしながら
《身代わり合成機》でトークンを出したり、
《危険な罠》の追放先を変えたりと、使い方は多岐にわたります。
マッチアップごとの簡単な解説
【緑単上陸】
有利マッチ。一番の負けパターンは、
《編まれた網》でタップできない「土の技」を受けた土地への《強靭形態の調和者》《脱出トンネル》です。
《審判の日》も使ってしっかりと盤面を抑えることに注力しつつ、
《石化した村落》で
《バーシンセー》を止めたいところ。
《苔生まれのハイドラ》への除去を
《蛇皮のヴェール》でかわされて負けるパターンもあるので、
《否認》は多少入れてもOKです。
【ディミーア・ミッドレンジ】
データ的には不利とされていますが、個人的には不利には感じてないマッチ。
基本的にはカウンターはノーケアで、《アステッリの回収者》まで入れて強打を連打していくことを意識しましょう。カウンターを打たれている限りはそこまでクロックは大したことないです。
《ティシャーナの潮縛り》を構えているターンは、できれば直撃しないアクション=
《編まれた網》や
《団結の最前線》、
《審判の日》を使うターンに充てたいところ。
【ディミーア・リアニメイト】
《倦怠の宝珠》を置けばほぼ勝ちマッチ。基本的に
《理論家、ジェイス・ベレレン》でしか触られません。
《セオリクスの魔除け》だけケアしつつ、
《再利用隔室》でどんどん有利な盤面を構築していけば自然と勝利します。
【オルゾフ・ライフゲイン】
メインは
《ピナクルの星檻》《倦怠の宝珠》に触られないので、かなり有利に戦えます。
多少損しても良いので、《星景の僧侶》ケアでライフ水準を高めに維持することを意識しましょう。除去を多く入れるマッチでは
《火のクリスタル》をよくサイドアウトすることにしているのですが、このマッチでは相手側のリカバリー力が強い&ライフ水準も高いので、
一気に詰められる《火のクリスタル》は残したほうが良いという結論になりました。
【ジャンド・サクリファイス】
《ピナクルの星檻》が効くように見えて、結局《妄執の追跡行》には無痛なことが多く、相手の飛び道具も多いので不利マッチ。サイド後は
《ピナクルの星檻》ケアで
《沼地のハンター、レザーヘッド》や
《名もなき都市の歩哨》で殴ってくることも多いので、
《審判の日》がここでも活躍。
【ドワーフ】
《領事の権限》が強いマッチ。《ダーインの隊》を
《ピナクルの星檻》で追放すると、割られた時にアドバンテージを取られてしまうので、ある程度放置しつつ
《審判の日》で捌いて、速攻を付与する装備品たちを
《ピナクルの星檻》で流すことを目指したい。
コントロール系
カウンターが多い【青白コン】は不利ですが、カウンターの薄い【4Cコン】は逆に有利まであります。相手の
《不可避の敗北》連打に挫けず、
《身代わり合成機》を出し続けましょう。
《編まれた網》で
《理論家、ジェイス・ベレレン》や
《系図の石版》をタップできることをお忘れなく。
ミラーマッチ
《領事の権限》と
《ピナクルの星檻》で差がつきます。
が、基本的には運ゲーです。ダイナミックなゲームをお楽しみください。終わりに
練習量や自信に比すると満足する成績は残せませんでしたが、【ジェスカイアーティファクト】というデッキ選択は後悔していません。
データ的にも手応え的にも優れたデッキでしたし、ボードコントロールは自身のプレイスタイルにも合致していました。
守りつつも一瞬で攻勢を仕掛けられる、僕好みのデッキでした。特にAC13のタイミングではまだ【ジェスカイアーティファクト】へのガードも低かったので、勝てなかったのが悔しいですね。
これもまたマジック。忙しかった10月を終えた今、マジック的には年内の目標が現状ないのですが、Eternal Weekendに出る(かどうかを決める)ためにMOでレガシーをしたり、権利のないThe Last Sun予選に行ったりと、引き続き楽しくマジックをしていこうと思います。
それでは今回の記事はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!