カードラッシュ所属プロ、MTG(マジック・ザ・ギャザリング)部門の高橋優太です。
趣味でポケモンカードも嗜んでおり、過去にはこんな記事も書いていました。
始めたのは「スターバース」からで、全くの初心者でしたが、週に1回はジムバトルなどの平日大会に参加して、ポケカを楽しんでいました。
今回、運よくCL愛知で2日目に進出する事が出来たので、大会レポートを記事にして行きます。
デッキコード:Xypyyy-Q1wxgb-MUR2MX
1年ほど使っていてプレイもある程度慣れているため、《ミュウVMAX》を使用しました。「クロスフュージョン」からの「テクノバスター」+《パワータブレット》で、ポケモンVを主体としたデッキを1回のワザで倒しやすいデッキです。 《ゲノセクトV》の「フュージョンシステム」で、たねポケモンの特性によりデッキを回して行けるので、序盤の安定性が高い事を特に評価しています。他のデッキを回しても、手札の事故率が気になって、結局《ミュウVMAX》に戻ってしまいます。 一般的に採用されている《ネストボール》は0枚で、代わりに《フェザーボール》を4枚採用と、少し珍しいリストになっています。《ネストボール》はベンチが5体埋まった後にプレイする事が出来ず、ベンチが埋まっていると他のボール系のように「対象なし」を選択して手札を減らすことが出来ません。 「《ゲノセクトV》の「フュージョンシステム」で引ける枚数を最大化する」、という考えでデッキを構築しており、《ミュウVMAX》は序盤に手札に来ると「フュージョンシステム」で引ける枚数が減る原因になります。 Dレギュレーションまでは《クイックボール》があったので、要らない手札を捨てて「対象なし」を選択してからの「フュージョンシステム」が容易でしたが、《クイックボール》落ちにより手札が詰まる事態が増えました。 《ウッウロボ》も同様で、中盤に《バトルVIPパス》を捨てる役割があり、その上で後攻1ターン目に「メロディアスエコー」の確率を上げるために必要なカードなので、4枚固定だと考えています。 デッキ構築で意識した事は「後攻1ターン目からワザを使える確率を上げる」です。お互いにサイドを取り合うのがポケモンカードの基本なので、後攻の勝率を上げるのはシンプルに1ターン目から攻撃する事だと考えました。
《デオキシス》は特にロスト系統に対して良い働きをしてくれて、相手の《ウッウ》の「おとぼけスピット」110ダメージを耐えつつ非エクを2体倒してくれます。 そのため《カミツレのきらめき》の採用枚数を2枚に抑えたデッキの方が一般的です。しかし、後攻1ターン目にワザで相手のポケモンを倒せなかった場合、その遅れを取り戻すのが難しく結局負けると感じたので、《カミツレのきらめき》が後半弱いリスクを承知した上で3枚にしました。後攻なら初手に絶対欲しい! ただ自分でも理解しているのですが、デッキを安定させるためのカードを優先してしまうのは、とてもMTG的な考え方です。実際は、ポケモンカードの考え方に即していない可能性もあり、MTGの常識でポケカをやると痛い目を見そうで怖いです。
「フュージョンシステム」により安定性の高いデッキではありますが、どうしようもない事故は起こります。事故が起こる原因としては、ベンチに十分なポケモンを用意できず、手札で使えないカードが溜まり、「フュージョンシステム」で1-2枚しか引けず何も出来ない事です。
《パワータブレット》はHPの高いポケモンを倒すのに必須なので減らす事は出来ませんが、いれかえ系のカードは複数引かないくらいがちょうど良いと考えて2枚に。《あなぬけのヒモ》は、特にV主体のデッキには相手の計算を狂わせやすいのが好きです。 ポケモンカードはドローが強く設定されているため、単体で効果を発揮しにくい《ポケモンいれかえ》のようなカードのデメリットが表面化しにくいと感じています。《博士の研究》さえ撃てれば、無駄になってる手札の1-2枚が気にならないからです。 しばらくポケモンカードを遊んでわかった事なのですが、「1ターンに1枚しかプレイできないカード(サポート、エネルギー)」「進化」という要素があるため、これらをまとめて引いてしまうと手札事故が起こります。
「1ターンに1枚しかプレイできないカード(サポート、エネルギー)」「進化」が合計何枚以上だと事故が起こる確率が上がるのが、ぜひ調べてみたい所です。感覚としては、合計が25枚を超えると事故率があがる印象です。
こちらのデッキの方が、ポケモンの特性を利用する《ルギアV》デッキに対して勝率が上がると思いますし、実際前日まで「雪道ミュウ」を使うか悩みました。 ただ「雪道ミュウ」で気になったのが、以下の3点です。
・ポケモンV主体のデッキなので、《フュージョンエネルギー》型のミュウに後攻1ターン目「メロディアスエコー」で1体取られてサイド先行される事 ・《頂への雪道》は環境的にはとても強いが、自分のデッキが「フュージョンシステム」を使えずに回らなくなる要素でもある。 しかし、《ツツジ》は序盤に手札に来た時に何も出来ないデメリットもあります。《ツツジ》はとても強いカードなのですが、今回のデッキの「後攻1ターン目からワザを使える確率を上げる」という考え方とは反するもので、むしろ後半に逆転を狙う「雪道ミュウ」向けのカードです。 どのターンでも使える《ジャッジマン》の方が安定していると考えたので、今回は《ツツジ》0枚でしたが、ここはいまだに答えが出ない部分です。 (実際には、ルギアはジュラルドンではなく悪ポケモンで戦ってくるので、後で痛い目を見ます)
2日目になったら、対戦相手のプレイのレベルが明らかに上がっていて、感心する事ばかり。特に配信卓で映されたゲームは相手のプレイが上手く、僕は「サイコジャンプ」すべきタイミングを見逃していました。
ミライドンに対しては、サイドを2-2-2で取りやすい相手なので少し有利に感じていたのですが、肝心な所で《ミュウVMAX》2枚目がサイドの残り2枚に入ったままで《フュージョンエネルギー》4枚を使い切って、デッキ内にワザを使えるポケモンがいなくなり投了。サイドを4枚取れば《ミュウVMAX》2枚目を引けるかと思っていましたが、引けずに顔面蒼白になりました。 知っていたらもっと別のプレイが出来たので、完全に練習不足でした。
今回の一撃ルギアのように、少し事故要素もあるが回った時に強い爆発力の高いデッキを、ポケモンカードが強い人たちが選ぶ傾向にあると感じています。
これがMTG出身の考え方とかなり異なる所で、序盤や安定性を重視するか、それともリスクを取って爆発力のあるデッキを選ぶか。さらに言えば、デッキに1枚差しのカードの選び方など、まだまだわからないことだらけ。
ただ、わからないことがわかって行く過程が楽しいので、少しずつレベルアップして行きたいです。
そういえば初めて参加したときのMTGのプロツアー(※)も、2日目には相手が強くなっていてワクワクした思い出があります。まだ僕は2日目で戦えるレベルではなかったと、良い経験になりました。
※マジックザギャザリングの世界大会。チャンピオンズリーグと同様に初日と2日目があり、TOP8からは3日目に行われる。
2日目進出により次回CLに優先権があるので、強者との対戦を求めて、次も参加します!
強いプレイヤーと対戦するのが生き甲斐なので、今後もポケモンカードを楽しんで行くつもりです。